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2006/07/11(火)
洋服は安いか
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昨日は「チョイおしゃれレベルだと着物って、ちょい高めね」って話をしました。 んじゃ、洋服ってどう見ても着物よりも安いんでしょうか?
今日の通勤途上でみた一団。
髪のほとんど白いかなり年配の方が2人、中ぐらいの方、中年の方がまとまってどこかにいかれる様子でした。 4人のうち3人が着物姿。 年配の方は濃い紺の無地縦絽の一つ紋着物に白地の織り帯、名古屋かな、袋かな。 中位の方は薄漂(うすはなだ)の無地紗紬の一つ紋。こちらも白地の絽の帯。 中年の方は赤紫の暗い無地の、これは紗かな。こちらを向いているので、紋付きかは見えません。黒地の絽の帯。 残る洋服姿の年配の方はジョーゼットかシフォン地のワンピースをお召しでした。これらの生地は本来絹モノですが、町着のワンピースですから、化繊と見た方がよろしいでしょう。洋服における絹物地の化繊化はかなり一般的になっています。
こうやって見ると、着物が正絹だとすると、着物の方が高いです。 着物を化繊と見ると、トントンでしょうか。
なんか、洋服の方が全般的に安いように見えます。
でもねぇ、それは勘違い。 庶民は着物にはお金をかけるけど、洋服にはお金をかけないだけなんですねぇ。 私の勤務用スーツの中でも勝負服な一張羅はスーツで30万円近くします。冬の上等なウール、皺になりにくく、ハンガーにかけておけばついた皺も取れるという最上級な生地。その時用のワイシャツは1万円、木綿とは思えないなめらかさのを洗濯屋で糊付け仕上げ。靴だって3万円位のいいヤツ。 ネクタイは、ネクタイピンとカフスボタンはってもう言わないでおこう。髪飾りだって、イヤリングだって、こういう服着たら100均のは使いません。
型紙もカッティングも良いので、余計な皺もなく、ぴったりしているのに、窮屈でないデザイナーモノのプレタです。 「サイズ直ししないのは珍しい」ということでしたので、プレタといっても、サイズ直しして、マイサイズで着るのが普通なようです。 私はサイズなおしなしのラッキーな一人。
着物だと、小紋くらいの格付けのとこと対応します。つうことは20万円から30万円位。 おやおや、洋服と着物の価格帯が揃ってきましたね。
もっと高い洋服もありますよ。訪問着に対応するセミ・フォーマルや留袖にも匹敵するフォーマル・ドレスも。勿論絹や上質のウール素材で。 価格はまっとうにそういった着物を買ったときの相場とほぼ同じ。
洋服だって、お金をかければかかるんです。 何故か、着物にはお金かけちゃう人でも、洋服にはお金かけてないことが多い。洋服にもお金をかけるのは、本来もっと上質な方々のなさることなのでございましょう。
このように、実は、洋服だから安い、着物だから高いってことはないんです。 「洋服は安いの買うけど、着物は高いの買っちゃう」っていう現象があるだけです。 はたまた「結婚式に1万円の化繊ワンピで来てもいいけど、1万円の化繊着物で来るのはヤメテ」なんてのとかね。 (ここで結婚式の話をすると長くなるので、しないけど、この話は実話)
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