優妃 讃良の着物についておもうこと
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2006/07/30(日) いまっぺーじ 東京オフ
いまっぺさんのサイトに集まる中で、あちこちでオフ会が開かれました。
「東京もしたいね」ということで、東京組も開催。
東京組といっても、「東京に出てこられる人」という意味では、他の地域より、広範囲かも。
「首都圏オフ」といった方が良い位に。
(「首都圏」って、一都六県どころか「+山梨+新潟」も含むという説もある)

今回の場所は銀座。
着物の集まりらしく、和食のお座敷を予約しました。
なーんて、すっごく高そうに聞こえるけど、ここは比較的リーズナブル。それでも狭いとはいえ個室なので、心置きなく話に花を咲かせました。

皆の衣装は、勿論、夏物。夏物って、こんなに種類があったかしら、というほどに皆違う装いでした。絞りの浴衣もいい感じかと思えば、方や絽の小紋、お召しか夏大島か、はたまた紋紗か紗紬か。

当人の出身とか夫の出身地を含めると、結構広くて、「こんなのって、他の地域だと知らないっていうんだよね」というと「それじゃ、こんなのは?」とか次々と。
でも、意外にも「あ、私のxxの出身がそこなんです」と、逆に身近な間柄にも。世間って、広くて狭い。

食事の次はお買い物。日曜の歩行者天国を抜けて、買い物場所へ。
ここで一人合流。来るかなーと待っていると、私たちと同じ位の人数の着物の一団がやってきました。
そう、やっぱり、ここは着物好きなら来るとこなのかしら。

って、着物の店も多く集まるアンティーク・ショップを集めたところ。リサイクル品あり、切地を使った小物あり、半襟になるか、細工用生地かなって感じに裁断されてしまった生地あり。
きっと、もう着物としては寿命が尽きてしまったのでしょう。

「さて、そろそろ」と声をかけると、既に、皆、大きな袋、小さな袋が増えています。って、私も、半襟にしようかなって、レースを買いました。「これは新品ですよ」と店の人。どんな経緯でこの店に来ていたんでしょうね。

「次、どうしようか」
「次は袷の季節で」
「川越は」
「あ、いいね」

なーんて、あっという間に、次の開催地も決まってしまいました。秋は、袷の季節ですが、木綿やウールの単、また、お召し等の単も気候によっては着られます。リサイクルの銘仙もいいですねぇ。秋は秋で、やっぱり着るものは多彩かも。

もう秋のことが楽しみです。

今日の私の着物は、薄ベージュの紋紗に萌黄の袴。
「KANSAIなのね」って、結構言われたので、腰板のブランド名の刺繍って結構目立つんだって、今更実感。
バッグは絽地のカバーの巾着籠。
白く見えているのは、銀座松屋の紙袋。
私は着物より前に、銀座松屋の鉄道模型フェアで袋一杯の買い物をしていたのでした。

※ 写真の掲載に関して、一時、不適切な掲載をしてしまったことを、参加者の皆様に、ここにお詫び申し上げます。
申し訳ございませんでした。

2006/07/29(土) 泥縄泥縄
明日は着物のオフ会。
午前中のドタバタが終わって、ついでに昼の買い物なんかもしてて
「長袖の着物着るんだったら、襦袢がない!」->仕立てるしかない。
(長袖:着物の場合は、袖の振りの長いのを「長袖」という。)
なんて、今更、今更、思い立って、呉服屋に寄って、襦袢の襟芯と絽の半襟を買って帰宅。
一応、仕立てようと思って、麻の襦袢地を買ったのは、7月の半ば。あれから土日だって、2回あったというのに、ノリが悪くて手をつけなかった。もう諦めてしまえばいいのに、なんか、今日は午後は、殿が出かけたし、姫も部屋で自分のことしているので、手持ち無沙汰なので。
ま、できなかったら、諦めればよいわ、といそいそと。

まず出してくるのは、2尺ものさしと1尺ものさし、くけ台、
あれ、裁縫箱がない。誰だ、持ち出したのは、いやさ、どっかに仕舞いこんでくれたか。ま、いい、祖母の形見の裁縫箱の方のを使おう。針はあるし。
そして、「やさしい和裁」の本。ちゃんと和裁を習ったわけではないので、本とくびっぴき。
最後に、MYサイズの襦袢、長袖バージョン。サイズはこれが見本。
もう一枚は、麻っぽい単の夏襦袢。毛玉が出てるし、着てると、なーんとなく暑いので、麻混化繊かも。これは縫い方の見本。

まずは、身丈を決める。襦袢をはかると3尺5寸、内揚げと縫い代があるから、4尺で切ればいいかな。生地をたぐって4尺x2を2本、はかりとる。
次は袖、仕立てあがり1尺5寸だから、縫い代足して1尺5寸5分。
これを2倍したものをまた、2本。
残りの生地の長さを計る。まだ、縦襟だのが残っている。
関西仕立てにするので、内揚げ済みの身丈から
いくらか引けば良い。あれ、襟になる部分の生地がない。本の切り分け図にも襟の分が「襟端布」しか出てない。なんだこれ?
本文読むと「足らないときはサラシや新モスで襟をつくる」なるほどね。ということは、生地は足りるようです。
というわけで、切り分け。

次は縫う。
どっから縫うのが、正しいのかは知らない。
いや、本に載ってる筈だけど、なんか面倒くさい、好きなとこから縫ってみる。
形になりやすいとこで、まずは背縫い。見本麻襦袢を見ると袋縫いしてある。中裏あわせにしてまずはちくちく。折り目をつけて裏返す。
麻は浴衣地などと同様に折り目がつけやすい。アイロン不要で手で折れる。またちくちくして折り目をつけて裏返す。
次は両脇。見本襦袢の身幅を計る。裾幅、抱き幅、肩幅。そして、身八つ口までの寸法。ここも袋縫い。ちくちくちく、ちくちくちく。
身頃がくっついたので、裾を三つ折りくけ。ちくちくちく。
身丈になるように内揚げを上げる。本には背中にだけ内揚げする方法が書かれていたけど、見本では前身頃も一緒に内揚げしている。こっちを採用。まとめて、内揚げする。ちくちくちく

次は袖。底を袋縫い。ちくちくちく、ちくちくちく。
袖幅をはかって、袖付け側でせばめる。袖口側は断ち切り。
単襦袢の利点。こういう仕立てもアリ。

この辺りで夕食の時刻、一旦夕食を取り、また再開。

次は、縦襟をつける。残っている布を縦に裁って、さらに半分に折る。見本襦袢で幅を確認して、その寸法に折る。
まずは表側を身頃と縫い合わせる。ちくちくちく。
裏はちょっと特殊な縫い方。和裁ではなんと言うのかな、一種のつきあわせ縫い。帯の縫い合わせとか、和裁ではよく使う縫い方の一つ。
これは、平縫いの程は早くできない。ちく、ちく、ちく。

そろそろ終わりが見えてきた。
襟をつける。襟開き、いくつだ?本の記し付けの図に出てない。をい!
寸法表に出ていた。チョキチョキ。
着物を縫うので、一番洋裁と違っていて、一番難関なところが襟つけ。
特に肩のとこが綺麗に変な皺なく仕上げられるか。
ここだけは、縫い目も少し細かい。

最後は袖付け。
あれ、目裂けする! おっと、キセをかけていませんでした。
きっちり折ります。

そうそう、最後は半襟かけがありました。ちくちくちく。

着てみると、いちおう。形になっています。
着物だと、こう雑に縫うわけにはいきませんが、下着ですから、見えるものではありません、ほつれて落ちてこなければいい。(をいをい)

時間は夜中の1時前。3時位から夕食をはさんで縫ったのに、結構短時間でどうにかなっちゃうものなんですね。
昔の和裁になれていた人が、夜なべでひょいひょいと縫えてたってのが、ちょっと判ったきがします。
これで、明日は快適に過ごせそうです。

縫い目、曲がっています。針目は不均一、洋裁よりは大きめの針目でいい筈だから、それはまぁヨシ。(洗濯したら、どうなるんだ?壊れたりして ^^;;)
和裁士に頼んだものとは、誰が見ても絶対に思わないようなデキですが、案外とそれでも着られるものだと。
サイズはちゃんとMYサイズ。
翌日、一日着用してて、壊れなかった。

2006/07/27(木) 着物のMYサイズの問題
梅雨明けませんねぇ。なんか8月に入っちゃうとかなんとか。
といいながら、今日は結構暑いです。
外が暑いと、室内は寒くなるので、暑い日は寒いから嫌いです。

って、今日は着物のサイズの話。

着物は洋服ほど厳密ではありません。
多少の差があってもきられちゃいます。
今年は太って、昨年まで来ていたスカートやワンピースが全然入らないのに着物は問題なしだもの。

とはいえ、やはり着物にもサイズはあって、MYサイズに作った着物は着付けも楽で着崩れもしにくいんです。

なんだけどねー、

何をもってかってのが実は曖昧です。

裄を測るにも、昔は「ニ尺ものさしで、首の付け根から手首まで」ってやったんですが、今は「手を45度に下げて、巻尺で採寸」です。
この二つだけでも随分差があります。
それどころか、洋服のように「手を下げて、巻尺で採寸」なんてのもあったとか。
更に「手首まで」もクセモノ。
説1「手首の骨がすっかり見えなくなる位置」
説2「手首の骨の一番高いとこまで」
説3「手首の骨が見える位置」
1分とか2分程度の差ですが、170cm前後の人間にとっては、この1分だって取れるか取れないかが大問題なんです。いい加減にはできない。

更に、うちだけの主義だったんでしょうか、
「ノッポといえども並寸を着ること」っての。
母方から3代続いて、ノッポかつヤセの女ですから、そんな考え方も伝わりやすく。
裄なんか当然足りませんから、「常に、手首と袖口があうように、腕を引いておく」とかビシビシとやられました。

着付けも、身丈短いですから、腰骨位置で腰紐を結ぶ方式です。
着付けは親譲りですから、そういった意味でも腰骨位置です。
「昭和の着物」という本でも、昔の人は腰骨位置で結んだとありました。

ウチはノッポといっても、胸ないし、胸板薄いので、奥行きに身丈を余り取られません。その辺が、まぁ身長の割には短めの着物でも着られてしまえる理由だったりします。
しかも、親譲りの着付けですから、補正しません。
着付け師に着付けてもらったときに分厚いバスタオルを2枚も巻かれて、おすもーさんのような気分で着物を着たときには、長めの着物を用意したのですいが、いつも程 お端折りが無かったことを覚えています。胴回りが全然違いましたから、それって大きく影響するようです。

着付けでも、必要な裄や身丈は変わってきます。
袴をはくときは、着物はほとんど衣紋を抜かず、前もきつめにあわせます。これは裄も身丈も長めにいります。
襟が立つので、首の付け根の位置に襟つけ線がきます。
一方、普通に帯する着付けの場合は、衣紋を5cm程抜くし、襟は、ノッポのイカリ肩は襟を縦長に開けるとスッキリするとか、こんな着方だと、裄は若干少なくて済みます。
襟は寝て、首の付け根位置には襟端がきていますから。裄を襟幅分稼いだのと同じです。
衣紋抜けた分、身丈も稼げます。

裾を床上がりドレくらいに着付けるかもポイント。
お振袖や留袖などよそゆきは床丈と言われています。
小紋を電車に乗って行く場合からは、おうちによって差異があるようです。この場合も床丈に着付ける家もあり、ウチだと、「着物が擦れて痛まないように」と若干短めに着付けます。5cm位でしょうか。
裾裁きが格段によくなります。
5cmあれば、短い着物のお端折りが取れるかどうかに関わります。

後は、袖丈、ふりの長さの方ですね。
最近は身長に関係なく1尺3寸にすることが多いですが、私は1尺5寸を使います。身長が高い場合、フリも若干長めな方がバランスが良い。

サイズは「採寸」の方法にも関係しています。
例えば、長着の身丈は身長と同じ、長襦袢は身長x0.8とか。
でも、身長が同じでも、胸がある人や肩の張った人と胸板の薄い人では、身丈は本来違うわけです。
だから、身長とバストやウェスト、ヒップのサイズからだけでサイズを導き出すのって、かなりアバウトだと思うわけです。
着物は、最初に言ったように、多少の差異があっても着られますからアバウトでも着れなくはないんですが、それはMYサイズじゃないよね。

ホントのMYサイズは、洋服と同じで、着用して微調整なんです。
仮の着物を着て「ここが長い、ここをもう少しだして」とかってやっていくわけです。胸の大きさと位置へ対応は、オクミと襟つけのとこで調整します。
着てると、ここが折りたたまれてしまうような場合は、余ってる証拠。
何枚か作っていると、段々と自分のサイズの着物ができてきます。

でも、たまにいるのだなぁ、「身長より短い身丈の着物は着られる筈がない」とか「普段着でも裾短かに着るのはおかしい」とか断言しちゃう人。その人にとってはそうかもしれない。そういう風に着付けを習ったのかもしれない。でも、世の中にはいろんな体型の人がいて、必ずしも、自分と同じ寸法出しでうまくいくとは限らない。自分と違う着付けを受け継いできた人がいるかもしれない。
「こんな体型のときの寸法出しって違うんだ」「こんな風に着付ける着付け方もあるんだ」って思ってくれると良いなぁって思う。

2006/07/26(水) 風呂敷は便利だ
今日は天気です。もう夏なんじゃないかと思う位。
まだ、梅雨前線は上に上がっていかないのかな。
梅雨明けを示す植物ゲージのねじり花も立ち葵も上まで咲き切ってしまって、枯れちゃったくらいなのに。

で、今日は風呂敷の話。

最近は、スーパーでは、袋持参だとポイント還元したりして、買い物袋ご持参運動を展開しています。
私は、風呂敷を持って歩いていることが多いです。
袋に比べてコンパクトになるし、その割に大物が包める。
しかも、中のサイズにあわせていかようにも。
袋ではこうはいきません。

んで、私のお気に入りは、化繊の八反版。
風呂敷には、色々なサイズがあります。
普通によく出てくるのが「銘仙版」というサイズ。お中元とかを一つ包むのには程良いサイズ。
もう一つ上が「八反版」というサイズ。畳んだ着物とか、ちょっと大きめのものを包むにはこちらのサイズが適しています。
逆に「小風呂敷」といって、幅1反で作るのもあります。
これは、袱紗のように祝儀袋を包むとか、小さいものを包んでカバンに入れるときとかに重宝です。
もっと大きいのが「大風呂敷」着物を長く折った状態で包むのに使うタイプとか、更に布団を包むのとか、いろんな大きさがあります。

んで、素材は、正絹縮緬、正絹紬、正絹絽、化繊縮緬、化繊紬、化繊平織り、化繊絽、木綿などがあります。

柄が季節固有柄のもあれば、絽は夏、絽縮緬は初夏と、生地で季節を表すものもあります。

化繊の平織りは、よく結婚式とか葬式の引き出物を包んでくれるタイプ。最近はこれも手提げ袋になっていることも多いですが、以前は、結婚式なら赤や濃いピンクと白のぼかし、不祝儀には青、挽き茶のぼかしが使われていました。
この引き出物用の風呂敷が便利なんですねぇ。
生地が薄いので畳んで小さくなるし、その割に丈夫。
床に置いてもいいし、しかも汚れても洗濯できる。

個人的には、コミケでコスプレするのにも重宝しました。
衣装を包んでいって、床に広げて、その上で着替えをすると、汚れる心配なし。着替え終わって、くるっと包めば忘れ物の心配もありません。

そして、最近は、スーパーの買い物も風呂敷。
風呂敷を広げて、なーんとなく立方体に近くなるように積み上げて、しばればできあがり。精肉や鮮魚、野菜の水が垂れたら、洗濯すれば良い。

こういう風にゴロゴロとあれこれ包むには、銘仙版ではちょっと小さく、一回り大きい八反版が便利なんです。

ちょっと以前なら、デパートで買い物をしたら、風呂敷を出すと、その風呂敷に商品を包んでくれたのだそうです。上手な店員さんがやると
、結び目が花のようで、そのくせ、ほどけ難かったとか。
デパート店員の新人研修の必須教科だったそうです。

着物のときには、突然の雨に、帯だけでもガードしたいってときに、お太鼓に風呂敷をかけるという手もあります。
ナプキンの代わりに使っても広広してて安心。
買い物の際に買ったものを紙袋に入れてもらうより、風呂敷に包んだ方が着物姿には似つかわしい。

ちょっとこだわりなのは、名前や家紋を染め抜いて貰うタイプ。
染め抜きならぬ、白の染料で型染めしてくれるのもあります。
夏の無地化繊絽の風呂敷には、「優妃」と白染料で染めてあります。

お茶会の際に荷物を包んで棚に置くときには名前入りが便利とか。
お茶はしないんですが、名前入りはちょっと楽しい。

2006/07/25(火) お直しオバサン
着物の掲示板に良く出てくる言葉に「お直しオバサン」というのがあります。
主に年配の女性で、着物を着ている若い人の着付けの変なとこを治してくれる良いオバサンでもあり、対応によっては「うざったい、お節介なオバサン」になったりもします。

私は不思議とお直しオバサンには遭いません。
目を丸くしたオバサマが視線を上下するなんてのはしょっちゅうなんですが、それでも何か言われたり、されたりすることはありません。
逆に「お上手に着ていらっしゃるのね」などと言われて、実際の着付けはすっごい状態なので、恥ずかしかったりします。
だって、垂れてきたとか、裾が下がったということこそないけど、襟はゆるゆる、お端折りは長いって着付けなんだもん。手を出したくなる要素満載。

ある人が「姿勢の良い人は直されにくいようだ。そもそも、姿勢が良いと着崩れしにくい」という説をあげていました。
うーむ、
姿勢は確かに良いです。中学のときに器械体操やってて、コーチに背筋ビシビシされたから。
うちのお姫さんは、保育園でビシビシされて、やっぱり背筋ビシっとしています。

一度だけ、着物の展示会の後で一人でお茶してたら、後から来た一団のうちの一人に「ちょっとよろしい?」と言われて、お太鼓のあちこちをごそごそされました。直後に迎えに来た夫の見立てでは「何が違うか判らないけど、今の方がずっといい」という形状になってたそうです。着ている私も、なんか背中の帯の「納まり」が良くなって、「あの人、一体、何をしたの?」といまだに不思議です。

基本的には、帯が一番ターゲットにされやすいかな?着物着る中でも一番難易度の高いパートだし。
私の場合、「羽織を着てる」「道中着を着てる」「袴を穿いている」とおよそ帯付きで歩くこと自体が超稀なので、言われないのかも。

私自身としては、お祭りの浴衣で、着付けが下手なのは、案外と気になりません。足だして歩こうが、袖まくっていようがね。
でも、「パンツが透けてる」とか「身八つ口や襟から見えてる」とか「左前に着付けてる」は、ちょーっと気になる。
イマドキの若い子の洋服って、見せブラだの見せパンだのって際どいのあっても「わかって見せている」わけで、「思いもよらず丸見え」なんてことはしないんですよ。ミニスカはいたら、階段で見えないようにカバンでガードするとか、それなりのマナーができている。
それが浴衣になっちゃうと、「思いもよらず丸見え」なことをしちゃうのよね。
その場で言われても、当人としても恥ずかしいだけなので、買うときとか、着るときに、ちゃんと情報提供してくれるといいなって思います。仕立てあがりの下駄や帯とのパックなんか特に「透けますから下着を着用のこと」って判るように書いたっていいと思う。
呉服屋で売ったものなら、「浴衣下はお持ちですか」位聞くのを常識にしていいと思う。
左前注意は、小学校の「生活」とかで「女性の洋服の合わせと逆、男性の合わせと同じ」ってのを教えるとかするといいように思う。
不織布のハッピか何かで「合わせの実習」とかやってさ。そうすると、子供の時期から興味を持つケースも増えると思う。
なんか、縁日見てると、子供の方が浴衣着てないなって思う。
大人の場合は、自分で浴衣を買えるけど、子供の場合は、親が買って、着せてで実現するので、親がそういったことに興味を持たないと子供が浴衣や着物に興味を持たなかったり、興味はあっても着せてもらえなかったりします。
丁度、私が子供の頃、七五三とか成人式に着物を着ることはさほど一般的ではなくなりつつある時代でした。正月の着物も同様に。
もう少し下がると、縁日に浴衣を着るのも子供の間では、逆に「恥ずかしいこと」のように思われる時期でした。
そんな子供時代を送った人達が大人になったら、自分は今更、着るか?子供に着せるか?ま、そんなわけです。
でも、そんな親に育てられても、子供の方は大きくなって「浴衣着たい、着物着たい!」ってなっちゃったりもする。
んで、親も知らないから、左前なんかになったりする。

着物や浴衣は、一時期の衰退時期から復興しつつある。
でも、親から子へと伝わるノウハウは失われた。
どこかで、「着物を着たい」という欲求は正しく受け止められるようでありたい。

ウチのお姫さん、着物暦14年、一人で着物は着られる。もちろん、左前なんてことは寝ぼけてもしない。一人で袴もはける。
なのに、文庫一つ結べん。爆!
袴はけば事足りちゃうからねぇ。
ま、成人するまでにはお太鼓位結べるように教えようか
とーい話だけど。

2006/07/23(日) サントリーホールのコンサート
昨日の話:
「サントリーホールでコンサートあるんだけど、行く?」
この言い方は、殿の知人からのお誘いですね。
普通演目か演奏者で話すものなのに、この知人は「場所」で言って来るのです。

演奏者は、新交響楽団。創立50年を誇るアマチュア・オーケストラです。年季入ってますから、アマといってもプロ顔負けです。
演目は日本人作曲家シリーズ。芥川也寸志、居福部、黛と。

開演時間は夜の7時。
場所はサントリーホール。

さて、何着ていきましょうね。
着物の格の決め方には「どこまでラフで許されるか」もありますが、逆に「どこまで格上のを着ていっても変じゃないか」もあります。
新響ですから、洋服で言えば下はGパンにTシャツがゾロゾロ来ていることでしょう。浴衣に衿かけて半幅帯でも十分でしょう。
じゃ、上は?

留袖や振袖は浮きそうです。訪問着も留袖クラスのコーディネート、つまり袋帯なんか合わせるのも同様でしょう。
シンプルな付け下げか訪問着辺りにキラキラの絽綴れ名古屋帯辺りが上限でしょうか。

「洋装にしたら」

殿から横槍が

「ほー、イブニング・ドレスがよろしいと」

「いいえ!」
一往復で一蹴。洋服だったら、サントリーホールなら、カクテル・ドレスかなぁ。藍と紫のシュスの交織りでラピスラズリみたいに見えるカクテル・ドレスがあるので、そんなのもいいです。

「これ、ちょっとくたってるかな」
と化繊のゴルフズボンを眺めている。手には紺ニットのネクタイ
「夜のサントリーホールなんだから、背広でしょ」
いや、どうせポロシャツだっているだろうから、そんなのでもいいんだけど、ウチとしては、やっぱり気張りたいのよ。

というわけで、水浅葱の絽の訪問着に古代紫の絽の袴、先日買ってきた花柄の絽の帯揚げを帯代わりにすることにしました。
絽の訪問着は裾にはかなり柄が入っていますが、袴でこちらは見えません。袖の百合柄だけなので丁度良い塩梅。

「準備できたよー」
とお姫さんが入ってくるのを見れば、Tシャツに五分丈ズボン。
「コンサートに行くんだよ、なんつー格好!」
「だって、いつもの格好でいいって言うから」
「誰よ、そんなこと言ってるのは!」
姫の目線が殿の方へ。
一応、ジャージ・ズボンではなく木綿地のをはいている辺り、配慮はしてようではあります。多分、他の聴衆はこんな格好もゾロゾロといるでしょう。でも、ウチの連れとしては、ドレスコードが合いません。殿は殿でネクタイ背広ですし。
夏用の姫の一張羅ワンピを投げてよこします。
「袖なし やだぁ」
あ、脇そりがいるんだっけ。
下に重ねるブラウスも渡します。袖なしワンピはジャンパースカートみたいにブラウスを重ねるのもできるので便利。

以前は、六本木から歩くか神谷町から御殿山を越えてくるしかなかったんですが、今は溜池山王駅から行くことができます。
全日空ホテルを過ぎてエスカレータを上がると、そこは「カラヤン広場」。開場時間に少し間があるので、ホールをはさんだ広場の反対側にあるテラスは人で一杯。7時開場なので、軽食か夕食を兼ねているのでしょう。
こちらも、その一角のSUBWAYでサンドイッチを購入して軽食に。

開場を知らせるオルガンのオートマタが鳴り出しました。

今日の席は2階。
「LA1だって」
どこじゃ、それは。
お席は舞台の左脇上でした。サントリーホールは、舞台の脇も後ろも席があるんです。
音響的には問題のある席ですが、ここには、ちょっとお得な点があるのです。

指揮者が前から見られる

普通の席から見ると、演奏中の指揮者は背を向けっぱなしです。
演奏中、指揮者は表情で、細かい指の仕草で合図を送ります。
今回の指揮者は、小松一彦先生ですから、こういった細かい指揮は見ものです。

なんで、「先生」なのか?って

小松先生は、私が大学の合唱団にいた時期、同じ大学のオーケストラ部の常任指揮者でありました。学生指揮者でなく、大人の指揮者の方で指導にあたっていました。
ウチの大学では、クリスマスに全合唱団とオケ部でメサイアを演奏するというのがありまして、小松先生の指揮で毎年歌ってきたわけです。この団体では入学式と卒業式にも奉仕し、その際にも何度か指揮して下さいました。卒業して20年。やー、先生もお歳を召されて、若手指揮者から熟年の指揮者になっておられました。
小澤征爾と同じく桐朋音大卒の小松先生は、小澤と同じく「踊る指揮」系統です。昔は随分派手に踊ってくれたものですが、年季が入ってそんなに大げさな振りはしなくなりました。
でも、細かく指示してくるとこは、昔と変らず。
お席は、かつてのソプラノの立ち位置と同じエリア。
同じ方向から見つめていました。

お姫さんはというと、来るまでは「行きたくない、興味ない」とゴネていたのですが、演奏が始まると、身を乗り出して、見ています。お姫さんの仲良しは学校の吹奏楽部でトロンボーンを吹いています。なので、興味の対象は金管領域を見ていたとか。
通常の席からは弦楽器の向こうになる管楽器席は、脇からはまっすぐに見下ろせます。今回はミュートをかけたりもあって、それが良く見えるのも面白い。

観客の服装といえば、やっぱりTシャツ姿など軽装が目立ちました。着物も数名いました。絣のお召しか紬、麻あたりでしょうか、それに葛かゼンマイか何かの8寸名古屋とか染め帯とか。軽い感じにまとめていました。

終演後「なんかお腹すかないね」SUBWAYのサンドイッチは結構たっぷりでした。終演後はどこかで食事をしていく予定でしたが、このまま帰宅して家で軽く食べることにして、そのまま電車に。

帰路の高崎線はグリーン車に。土曜の夜の高崎線は混むのです。
7月より、全車グリーン車連結となり至便になりました。
3扉車のグリーン車はかつて東海道線を走っていた車両。
4扉用の二階建てグリーン車よりも座席がよく、席と席との間もゆったりと開いていて快適です。

コンサートの余韻にひたりながら、列車は暗闇を北へと走ってゆきました。

2006/07/22(土) うちわ祭り 縁日に行くこと
昨日の話:
夜半から土砂降りとなり、明け方には「歩くべからず」とでも言いたげに盛大に音を立てて降っていました。
が、9時を回る頃には小ぶりになってきました。

会社に行く前に「ふみの日」の切手を調達。
なんたって、今日のは「百人一首」ですからね。
装束好きには逃せない図柄。
レターセットもいい雰囲気です。

行列でもできるかと心配しましたが、町のしがない郵便局でしたので、そんなこともなく。

で、夕刻を回る頃、姫より電話
「縁日行く?」
「いいよ」
「何時に帰って来る?」
「今日は早いよ。7時半位」
「友達と行こうって言ってるんだけど、あっちもお母さんと来るって」
「んじゃ、駅で待ち合わせにしよう。到着時刻は後でメールするから」

向こうのお母さんは地元勤務ですから、きっと7時位には戻っているでしょう。
が、「東北新幹線で人身事故の影響で発車が遅れております」
をい!こっちは東北新幹線じゃないんだゾ。全く!
と心配したけど、遅れた新幹線に乗れたので、逆に早く着けました。
が、駅の改札いいる筈のお姫さん達がいない。
tel tel tel 「もーしもーし」
「あのね、向こうのお母さん帰ってないの」
おやおや、仕事の上がりが遅れているようです。
なので、一旦、帰宅して、荷物を置き、浴衣にお着替え。
昨日と一緒で、白地に紺の絣模様の浴衣に水色紗献上の半幅帯。
向こうの家に着くと
「まだ帰らない。連絡もつかない」
おやおや、仕事場は定時後に入って何かとんでもない自体になっているようです。
「んじゃ、後から合流してもらおう」
とお祭りに出発。

今日は、縁日が出ているので、人出は沢山です。
結構浴衣も出ています。
今年は紺地が流行りのようです。カラフル浴衣の反動かな。
レース衿や帯締めはあれほど売られているのに、意外にも出会いませんでした。
「プチへこ」というオーガンジー地の短い兵庫帯を重ねている子は一人みました。
作り帯の子は多いですねぇ。今年は通り一遍なタイプじゃないのも出回っているので、見目は良いです。着慣れていない子が手軽に浴衣を楽しむには便利。

男性の浴衣姿も増えました。背中にカッコいい金プリントのされた浴衣なんかもいて。衿にも同じく金でプリント。ぶっといベルトのビジョウが沢山並んだのを帯代わりに締めているとこも背中のプリントと合っています。うーむ、なかなかやるな。

帰路、一駅電車に乗ります。
皆も帰り路なので、電車に乗る人も浴衣姿が大勢。
と、向かいに座っている高校生位の女の子二人連れに目が留まりました。
「なんか変」
なんだろう。
組んだ足が膝下から先ぞろっと出してはだけていること?
浴衣下を着ていないこと?
いや、もっと本質的に変です。

左前!

二人ともなので、気づくのが遅れました。その隣は洋服姿の人だったし。
左前で着てきちゃうのがいるって話は聞いていたんですが、目撃したのは初めて。
誰が着付けたのかな。自分達でやったのかな。

扉をはさんで向こうのシートの5人連れの一人は、裾がはだけて、斜めから見ているこちらからは膝下どころか、膝上20cmくらいまで丸見え。浴衣着たら、足開いて座っちゃダメだよぉ!

友人宅に帰り着くと、母君はいまだご帰還せず。
待っていたら、お祭りにいけなくなるとこでした。
せっかくのお祭りなのに、お仕事大変ですね。

2006/07/21(金) 熊谷うちわ祭り 下駄に足をかまれること
今日は朝から、土砂ぶり。9時頃には小降りになってきましたが、さて、うちわ祭りの夜店はどうなるのやら。午後から国道17号を閉鎖して縁日になる筈なんですが。

昨日、熊谷のうちわ祭りに行ってきました。
「夕刻に雨」の予想を裏切って、まだ曇天で頑張っています。
お天道さん、ありがとう。
仕事を珍しくも定時に仕上げて、明るいうちに帰宅。
帰宅してみると、姫は風呂上り。
「帯がなーい」、いつもしている赤の帯がないとのこと。
伊達締めも腰紐もない、いい加減な扱いしているから。
伊達締めは和室で発見。腰紐はこちらから渡し、浴衣帯は箪笥から。
うーむ、自分の好みで集めている方はやっぱり若い娘にはちょっと地味なものが多い。浴衣が茄子紺地だから、梔子あたりでいいかな。

って、こちらは白地に絣模様のイマドキは珍しいスタンダード柄。
「夕刻には白地が良い」なんてのを読んだことがあったので、こんなのもいいかなと。
帯は、先日調達の水色の半巾の紗献上。

今日は初日なんで、縁日は出ていません。2日目と3日目だって。
以前は、仮宮位しかなかったのに、夕刻も山車が練り歩いているので、それをあちこちで見かけるが楽しい。

山車に出会いながら、仮宮を目指します。
仮宮で、昨年のちまきを返して、今年のちまきをいただきます。
いつもなら、ここで団扇をくれるのに、今年は「今日の分は配布終了です」って。初日に撒く量は少ないらしい。

「痛!」
姫が一本足で立ってなにやらしています。
風呂上りに素足で下駄を履いたので、鼻緒がすれたようです。
「下駄にかまれたね」

うちの方では、鼻緒で擦れるのを「かまれる」と呼びます。

「まるでしろーとだ」

おやおや、まるでクロートだとでもいいたげな。
まぁ、着物暦14年、いまだかって、下駄にかまれたことないですからね。
そういう足でも風呂上りは要注意なんですよ。皮が柔らかくなっていますから。特にウチの下駄はすげがキツ目で、鼻緒が細い。
私の履いていた下駄の方が少しは鼻緒に綿が詰めてあるので、楽かと交換しました。靴のサイズは違うのに下駄なら交換できる。便利。
しげ加減も同じなのは偶然な筈だけど、下駄足できてるからキツ目が履けるからね。

「い、いだだだ!」
帰って軟膏塗ってバンソウコウ貼りながら、うめいています。
「素人さんの気持ちがわかった気がする」

そういえば、今年は、サンダル用のレースカバーをするのが流行りなんだって。
「早く言ってよ」

はは、忘れてました。
帯のように足先にだけひっかけるタイプは草履でも問題なし。
丁度鼻緒の擦れるとこにレースが来るので擦れ防止に使えます。

指の間もすれちゃうタイプには、夏用のタビックスもオススメ。
今は夏柄のも出ています。金魚とか向日葵、朝顔、花火など。
足袋ソックスは意外にも季節限定柄が豊富。
今ならレースのも涼しげでステキ。

夏着物になら、白足袋履いて、重ねると上品な感じです。

2006/07/20(木) 熊谷 うちわ祭りの始まり
まだ梅雨は開けきっておらず、雨も降りそうな日。
お姫さんは夏休み突入。
殿は「秩父鉄道の機関車を撮る」とかで休暇。
私一人が出勤。なんかさびしい。

今年の夏の「ふみの日」の切手が「百人一首」だって、知ってました?
発売日は明日7月21日。
http://www.japanpost.jp/pressrelease/japanese/yubin/060601j201.html
切手もさることながら、「お便りいれ」のデザインもステキ。

記念切手は昔程大行列で瞬時に売れきれるということは滅多になくなったそうですが、それでも、人気の絵柄だと売れきれまでは短いとか。
いつもは取り置きしてくれる郵便局が「今回はちょっと無理」と言われちゃった人もいました。
だから、興味ある人は郵便局の開く時刻か午前中に行ってみて下さい。

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んで、今日から、熊谷の「うちわ祭り」が始まります。
7月に入った辺りから、夕刻や休日にはどこからともなくお囃子の練習する音が聞こえていましたが、今日は朝からコンチキチンと華々しく打ち鳴らしています。
今日は遷宮。普段いる祇園さんから、通りの真ん中に作られる仮宮に神様にお移りいただく行事です。神様は朝早く動くんです。だから、駅で聞こえていたコンチキチンは、時間的にはもう遷宮完了した頃かも。
京都と同じで、祇園さんの神様のお祭りです。

京都の祇園さんは、1ヶ月かけて行うので遷宮は7月の頭、一番のイベント山鉾巡業が月の中、その後花笠行列だなんだと月いっぱい色々に続いて、月末頃にまたお宮にお戻りいただくわけですが、熊谷のはこれが短くて、20日に遷宮、21日の朝に山車の巡業、22日は午前中は町を回って、夕刻に仮宮の前に集合して「叩き合い」をします。
23日の朝に仮宮から本宮にお移りいただいて、祭りは終わりです。
各町内のかつぐ山車のお囃子のリズムは微妙に違っています。
これが並んでやると、どっちかがどっちかのリズムにひきづられる。
巡業中に通りで鉢合わせすると、「叩き合い」をして、負けた方が道を譲り、勝った方はお囃子を意気揚揚と鳴らしつづけながら、直進します。
「うちわ祭り」の「団扇」は、元はオコワを配ったのを、団扇に代えた店があり、そのうち、みーんなうちわに変わったんだそうです。
祭りの期間に山車の出る界隈の店で買い物をするか、お宮さんでお札やちまきを拝領すると団扇が貰えます。
京都の祇園祭りでは、山鉾を出す町内毎にちまきを出しますが、熊谷では仮宮でだけ受け取ることができます。

この「ちまき」、端午の節句に飾る笹のモチでもなければ、中華粽でもありません。数本束になっていて「蘇民将来子孫」と書かれた札がついています。病気がよりつかないようにする縁起物のお札の一首です。
玄関の外側に飾ります。京都の町屋なんかだと、当たり前のように玄関の上の方にぶら下がっていますが、こっちだと余りみかけません。
私の家は山車を出す界隈からはるか遠くに離れていますので、なおさらかもしれません。

というわけで、今日から「うちわ祭り」なんですが、今日は仮宮への遷宮しかなくって、縁日もなーんにもない筈。その辺が祇園さんなんかの初日と同じです。初めて出かけてきたときには、提灯は煌々と並んでいるのに縁日の店の一つも並んでいなかったのに、ビックリしたものでした。

団扇祭りが始めると、夏本番。もう数日で梅雨も明けましょう。
暑くなります。

2006/07/18(火) 銀座のオフ会に着ていく着物は
むーん、今日も雨です。昼には一旦止んで、昼食を買いに行くには問題なかったんですが、午後になってまた降り出して、出かけていた同僚が、傘をさしてたのに、下半身びしょびしょになって戻って来ました。

まだまだ「梅雨」なんですねぇ。

月末には、別のサイトの仲間でオフ会に行くんですが、さて、何を着ていきましょうか。
まずは格付けの確認。

昼食場所は、和食で個室ですが、比較的格はカジュアルレベル。
その後、銀座の和モノの店を覗いたり、お茶したり。
サイトの主義からすると、カジュアル寄りな方が似つかわしいかな。
留袖、振袖、訪問着は外して、上はつけ下げから下は浴衣って辺りでしょうか。

広すぎない?

ホントは、もっと揃えた方が綺麗でしょうね。
でも、今は夏。「xxxにしましょうね」なんて決めたところで持っていない人がいるでしょう。意外と「着物好きの集まり」って格合わせしないんですよ。「着物なら何でもOK」って感じで。
だから、訪問着の隣には木綿着物が座ってることも案外と普通。
場所が銀座だろーと、平気で木綿の着物で来る人はいます。
洋服を見れば、ブランド物のスーツに身を固めた人の向こうをTシャツにGパンのにぃちゃんがとおります。着物だって、色々はあり。

次に問題は気候ですね。
月末なら梅雨は明けているでしょう。まもなく残暑になろうという時期は目一杯暑い時期。下手すれば体温すら越えます。
といっても建物の中はクールビズしてるといっても、所詮は28度程度。体温を越えるのに比べれば随分と涼しいです。

こういうときに真っ先に外すには「麻地、麻混モノ」

麻は、熱を高い方から低い方に流す機能があります。だから25度から30度チョイ過ぎ位だと体温を放出して涼しくしてくれる。
湿気も同様に吸い取っては発散させます。
でも気温が体温を越えたら、熱の流れは逆方向。
しかも、室内に入るや、ビシビシに冷やしてあって凍えたりします。
クーラーの室内にいる時間の長い場合は麻は向きません。

残るは、木綿、正絹(絽、紗、紗紬、紋紗)、化繊。
木綿は、綿縮、綿絽、綿紅梅、絹紅梅、奥州木綿といった高級浴衣とも呼ばれるグループと、従来のコーマ地や最新変り織りのプレタ浴衣のグループ。
変り織りのプレタは色柄の華やかで精緻なものも多いので、ちょっと見正絹の小紋に匹敵します。伝統系でもコーマ地や、プレタ系でも1980円の綿ブロード地は今回は除外しましょう。これは「いかにも浴衣」なので、電車ではるばるでかけてくる際に着るにはちょっと。なんか「地元民っぽい」んですよ。アタシは銀座の地元民じゃないから。

正絹は、この時期ならどれでも「透ける素材」。
化繊は、並のポリだと暑いかなぁ。でもクーラーの中の方が長いから案外大丈夫だったりして。もしシルックやセオαがあるなら、そっちがオススメ。暑くなると、並のポリと高機能ポリの差は開く。

って手持ちの中から考える。
・正藍で錐彫りの長板中型小紋の正当綿縮みに半襦袢を合わせて紗献上の帯
   手軽さから言えばコレ。木綿は絶対に涼しい
・並ポリの紗紬風に夏明石上布風の柄を書いたのに、紫の化繊の袴
   並ポリながら、紗紬風は地がでこぼこしてるからか思った程は暑くない。値段と天秤にかけると、結構買ってるお手軽品
・セオαの夏お召し風のに松葉の化繊の袴
   化繊の一番はセオαかな、でもこの着物ちょっと地味。
・シルックの無地絽に正絹絽の袴をあわせて
   無地絽の着物に袴だから、ちょっとフォーマル。
    色も着物がニ藍で袴は蘇芳。
    でも雨が降るようなら正絹袴はダメ。
・お下がりの紗の絣に正絹絽の袴をあわせて
   完全な正絹の組み合わせは木綿よりも涼しい。
   でも、雨降ったらどーしよね。
   汗も怖いわ。

襦袢はやっぱり麻よねー。化繊は各種試してどれもダメと判断。
綿楊柳のステテコも忘れちゃいけない。
股の間を汗がたれて行く程、暑さを実感するものはない。
汗はちゃんと吸うようにしとくのが涼しいコツ。

もう一つ。胴はオボロのバスタオルで汗対策。
暑く感じていなくても、汗はかいている。
胴にタオルを巻くと汗は胴でかくので、他の部分で汗をかきにくくなる。一方、集中して発汗するので、襦袢一枚、ハンドタオル1枚なんかじゃ全然足らない。帯まで濡れる。
かくしてガーゼ地のバスタオル。
着物の小物屋には確実に売っている。近所にそんな店がない場合は、ス−パーとか衣料品スーパーとかの赤ん坊売り場で入手可能。
着物の小物は意外とこの赤ちゃん売り場で入手できるものが多い。
サラシもここで入手できる。
帰宅して着物を脱ぐと、胴のバスタオルは朝の重さの倍にもなっている。即、洗濯機。汗満載のバスタオルは腐ったり、カビたりするから。
でもこれがガードしてくれてた着物と帯はハンガーで風を通せば完了。

どうしましょうねぇ。まだ10日ほどあるので、決めるのはもっと後でよいのですが。

7月絵日記の続き


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