優妃 讃良の着物についておもうこと
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2006/06/06(火) 冠婚葬祭の服
冠婚葬祭、特に結婚式と葬式程、人の意見が「参考」にしかならないモノはない。

何故かといえば、「地方の風習」「家の風習」「列席者との兼ね合い」などが重要になってくるから。
「ノウハウ本に見る、一般的な格合わせ」では済まない。
ノウハウ本ですら、よく見ると「風習にあわせること」と注意書きしていたりする。

伝統的風習は、今ではかなり薄れてきて、「祖母を送ったときは、こんな風にしたけど、今回はしない」などと、年を追う毎に行われなくなることも多いようだ。

古い風習では「死者を出した家だけ喪服で、他の参列者は地味な着物」という風習があったらしいが、その変遷なのか「家族女性だけ着物の喪服、他は洋服」という習慣を持つ親族もある。結構一般的らしく、葬儀屋が「ご家族用の喪服をお貸しします」というサービスもあるし、逆に「家族は着物でないとおかしい」とまで言った葬儀屋もあるらしい。
夫の親族の葬儀の場合は、「重い儀式は着物、少し重いモノは洋服、それ以外の時間帯は地味な服」と一日の中でめまぐるしく着替える。しかも「近親以外は洋服」なので、私は重い用と軽い用の2種類の洋装喪服と、賄いにも安心な黒の普段着を用意している。こちら系の葬儀で着物を着る機会は夫の両親のとき2回だけだ。

私は黒紋付は袷しかもっていない。しかも、長襦袢まで袷の厳寒対応。
今のとこ、人は冬場に亡くなるケースがもっぱらなので、大丈夫かなと。お下がり着物に黒の絽が2枚あるので、万が一、夏場になっても私と姫の分はどうにかなるだろうとタカを括っている。
6月や9月の単の季節だったら、困るけどね。

一方、結婚式は、衣類に関する風習は比較的少ないようだ。
夫の親族の方だと袷の時期だと「着物に限る。洋服は妊娠時など止むを得ない場合を除いて非常識」という話だったが、8月に行われた本家の式では「洋服で来て欲しい」と指定された。
そもそも、私の親にも言われたが「夏場に結婚式をしてないけない。薄物や夏物の式服を持っている人はいないから」だという。
以前は結構守られていて、結婚式場は夏場は閑古鳥だったそうだ。が、最近は、どのような事情なのか、無頓着なのか、夏場でも式が行われるようだ。そう何人もいない双方のイトコ達の式が2回も夏場にあったので、日本全国でもかなりあると思う。
問題なのは、挙式する当人達は無頓着でも、参加する方は、そうはいかない。夏場の式服を持っている人はやはり稀なようだ。
いきおい「夏場でも袷を着る」とか「洋装にする」となる。勿論、洋装フォーマルだって新規に購入するのだが、和装よりは安価だからだと思われる。なにせ夏物は下着から帯板に至る迄専用なので、物入りなのだ。
「私は夏絽の訪問着や留袖があるから安心」と言ってはいられない。
ノウハウ本によると「媒酌人や両親が着るものと合わせること」とある。媒酌人が袷で、親が単はトンチンカンだという。昔ならありえない組み合わせだが、「袷もOK」というと、そんなことも起こるわけで。
もっと困るのが「媒酌人も両親も洋装なのに、遠縁が着物」になっちゃう場合。日本において「洋装」は、留袖や訪問着に匹敵するレベルでないことも多い。(洋装でもそのレベルのはやはり等価な投資が必要である)
日本においては「上席の者よりも格上の服を着てはいけない」という習慣がある。遠縁の親族や友人の立場での出席の場合はこの点要注意なのである。
8月に行われた私の従弟の式では「インフォーマル」が指定されていた。外人との付き合いも多かった叔父の配慮による明示だった。日本の場合はこのようにドレスコードを招待状に記すことはまずないので、「何着てったらいい?」というのは大問題になる。このときは、皆「よそゆきのワンピースかツーピース」であった。シフォンのカクテル・ドレスなら持っているが、親がその程度の格好で出るとなれば、娘がヒラヒラ・ドレスを着るわけにはいかない。男性陣は夏の背広に普通のネクタイ姿。
祖母は紋紗の黒に絽の帯をしていた。紋はなし。軽い小紋クラスというところだろうか。

夏場はこのように、各人の式服が揃っていないので、その場その場で、OKだったりダメだったりする。上のような「基本」だって、どこでも守るとは限らない。「媒酌人は絽留袖、両親は洋装、従妹は袷の振袖なんてあったりする。

最近は、袷の季節といっても、4,5月に夏日を記録することもあれば、10月になっても残暑が続くので、「季節は袷だけど」という心配まででてきている。

「夏場でも袷でもOK」といっても、当人が着ていられるかという問題だってある。昨今流行の「木陰のウェディング」だったら、クーラーなんか存在しない。そうでなくても「汗だらだらでした」という経験者もいる。そして、絶対に「家から着ていく」は無理。現地に着付け場所を確保しておくこと。レストラン・ウェディングのように控え室すらない場合には不可能。夏場に袷を着るのは当人としてもかなりの決断であることを認識のこと。

結婚式と葬式の着物は、ホント厄介である。


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