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2006/06/28(水)
着物の予算
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「振袖はいくら位が相場なのか」 「黒紋付はいくら位が相場なのか」
振袖もピンキリですよね。プリント製法の反物をミシンで縫ったのも振袖なら、人間国宝に特注して手描きで染めて貰ったのを一級和裁士が丁寧に仕上げたのも振袖。
「相場」には、お家の格とか財力ってものが大きく関係してきます。 羽振りの良い中小企業の社長で、おつきあい先もそれなりという家の娘さんに安物の振袖のは、不釣合いでしょう。 一方、零細工場にお勤めで6畳一間に水回り付きのお宅の娘さんに人間国宝が作成した着物を買ってやれないのを批難することもありえません。 はたまた、何代も続いた農家だと、さほど財力はなくても、親戚への手前もありますので、そこそこの金額の着物が必要です。まぁ、大体、前後の叔母や従姉のダレちゃんがこれ位かけた、って前歴がありますから、それが目安になります。
というわけで、家によって、「相場」なんて色々なんです。 日本全国的な平均相場はないと言って良いでしょう。
更に、買い方に通じていれば、同じようなレベルのものをより安く買えたりもします。
私の成人式の訪問着は、祖母の知人のお下がりの染め直しです。 実はものすごーくいい生地だったと判るのは後のことですが、少なくとも祖母の手持ちで使えるものの中では一番良いものだったのでしょう。 染め直し代と縫い代ですから、一から同等の生地を求めて誂えるのに比べると生地分安上がりです。(色抜きとかあるので、生地代丸々安いわけではなかったようです。)
もう一枚の訪問着は母方から。当時、呉服屋に勤めていた伯母のツテで、新作展示会で選び、しっかり「店長決済最大割引」を実行。
襦袢は共用。祖母がバーゲン品を見つけてきて自ら縫いました。
帯揚げと帯締めは、普段から銀座をウロついていた私が小間物屋と呉服屋をしらみつぶしにあたって、値段と色柄の頃合の良いものを見つけて買ってもらいました。これは2枚の着物に共用できるタイプの。
帯は母がどこからか見繕ってきました。母の財力で調達できる範囲ですから、見目の割には購入価格はそう高価ではなかったと思われます。 (だいたい、金襴とはいえ、お太鼓柄の名古屋帯だから比較的安い筈)
※ 故在って、母方と父方と両方から成人式の着物が来たんです。
ま、こんな感じで「いくら使うか」「定価でいうといくら位のものを、売価いくらで入手するか」と色々とあります。 用立てられる予算が少ないならないなりに知恵を絞れば、それなりのサマになるものはできます。
そも、今なら、何が何でも振袖を用意しないといけないってこともないんじゃないかと思います。 その後どれほど着る機会があるかって考えると、一回こっきりに近い着用のために、何十万もの費用をかけるのは、いかがなものかと。
今だと「マイサイズでお誂えして、成人式後は店がひきとってレンタルにする。もちろん、自分もレンタルできる」なんてサービスもあります。
そも、シガラミがなければ、振袖にこだわる必要もないと思います。 私は訪問着でした。おかげで、結婚後も子供が生まれても、着続けることができています。振袖ではこうはいきません。
ウチのお姫さんは「江戸小紋がいい」というので、江戸小紋につよい、呉服屋と相談中。今は江戸小紋の型も絵羽(というか付け下げ?)型のがあって、振袖絵羽付けのもあるとか。 専用抜き型起きしてそういう風に染めてもいいしって。 「袖切るの勿体ないな」といったら「替え袖にする方法もありますよ」と。結婚式迄は長袖にして、結婚後は訪問着丈の袖にすると長く着られるかなって。
成人式の衣類、画一的に考えずに、可能であれば、色々とやり方を考えても良いものだと思います。
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