優妃 讃良の着物についておもうこと
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2006/06/30(金) ミニ浴衣
今日はDSEに行ってきました。
て、なんじゃらほい。
「データストレージEXPO」の略。
「情報セキュリティEXPO」
「データウェアハウス&CRM EXPO」
「RFIDソリューションEXPO」
そして
「ソフトウェア開発環境展」と「組み込みソフトウェア展」
の合体展示会。

年と共に、ある会場が増え、一方では減り、うまい具合に推移してきています。主催のリード・エグシビジョンはうまいことやっています。

ま、一時代前の「データショー」とか「ビジネスショー」でしょうか。一時期、この手のショーに行かないでいた時期があったので、いつから、これらがなくなっていたものか不明なんですが、こういった分野毎の展示会の方が今は一般的になってきました。

って、そういう専門的な話はどーでもよくて、つまりが、こういう展示会には、説明員だとか、コンパニオンだとか呼ばれる女性達が出ます。各社、趣向をこらした揃いの衣装を着せて顕を競います。

で、今年は、浴衣姿なんかもお目見えしました。
ミニスカの衣装が多いですから、浴衣というのは、なかなか目立ちます。
来場者は大方、背広の男性ですから、そういったダークカラーの中に立ち混じっても目立つので、値段の割には効果の高い衣装じゃないかと。
んで、ミニ丈浴衣もいました。
やぱり、コンパニオンはスラっとした足も見もの。(こらこら)
そういう意味では、ミニ丈着物、いいですねぇ。

デザインとしては膝丈でお端折りはなし。
上前が下前と同じく直角なのと、上前の端をカーブさせているのとありました。裾丈だと変な感じにも思えるのですが、ミニ丈だとこういうのも、なかなかいい感じです。

お端折りがないから、着付けも楽でしょう。

登場当時は「邪道だな」って思ったミニ丈ですが、手軽に着るには案外といいかも、って思った、DSEでした。

2006/06/28(水) 着物の予算
「振袖はいくら位が相場なのか」
「黒紋付はいくら位が相場なのか」

振袖もピンキリですよね。プリント製法の反物をミシンで縫ったのも振袖なら、人間国宝に特注して手描きで染めて貰ったのを一級和裁士が丁寧に仕上げたのも振袖。

「相場」には、お家の格とか財力ってものが大きく関係してきます。
羽振りの良い中小企業の社長で、おつきあい先もそれなりという家の娘さんに安物の振袖のは、不釣合いでしょう。
一方、零細工場にお勤めで6畳一間に水回り付きのお宅の娘さんに人間国宝が作成した着物を買ってやれないのを批難することもありえません。
はたまた、何代も続いた農家だと、さほど財力はなくても、親戚への手前もありますので、そこそこの金額の着物が必要です。まぁ、大体、前後の叔母や従姉のダレちゃんがこれ位かけた、って前歴がありますから、それが目安になります。

というわけで、家によって、「相場」なんて色々なんです。
日本全国的な平均相場はないと言って良いでしょう。

更に、買い方に通じていれば、同じようなレベルのものをより安く買えたりもします。

私の成人式の訪問着は、祖母の知人のお下がりの染め直しです。
実はものすごーくいい生地だったと判るのは後のことですが、少なくとも祖母の手持ちで使えるものの中では一番良いものだったのでしょう。
染め直し代と縫い代ですから、一から同等の生地を求めて誂えるのに比べると生地分安上がりです。(色抜きとかあるので、生地代丸々安いわけではなかったようです。)

もう一枚の訪問着は母方から。当時、呉服屋に勤めていた伯母のツテで、新作展示会で選び、しっかり「店長決済最大割引」を実行。

襦袢は共用。祖母がバーゲン品を見つけてきて自ら縫いました。

帯揚げと帯締めは、普段から銀座をウロついていた私が小間物屋と呉服屋をしらみつぶしにあたって、値段と色柄の頃合の良いものを見つけて買ってもらいました。これは2枚の着物に共用できるタイプの。

帯は母がどこからか見繕ってきました。母の財力で調達できる範囲ですから、見目の割には購入価格はそう高価ではなかったと思われます。
(だいたい、金襴とはいえ、お太鼓柄の名古屋帯だから比較的安い筈)

※ 故在って、母方と父方と両方から成人式の着物が来たんです。

ま、こんな感じで「いくら使うか」「定価でいうといくら位のものを、売価いくらで入手するか」と色々とあります。
用立てられる予算が少ないならないなりに知恵を絞れば、それなりのサマになるものはできます。

そも、今なら、何が何でも振袖を用意しないといけないってこともないんじゃないかと思います。
その後どれほど着る機会があるかって考えると、一回こっきりに近い着用のために、何十万もの費用をかけるのは、いかがなものかと。

今だと「マイサイズでお誂えして、成人式後は店がひきとってレンタルにする。もちろん、自分もレンタルできる」なんてサービスもあります。

そも、シガラミがなければ、振袖にこだわる必要もないと思います。
私は訪問着でした。おかげで、結婚後も子供が生まれても、着続けることができています。振袖ではこうはいきません。

ウチのお姫さんは「江戸小紋がいい」というので、江戸小紋につよい、呉服屋と相談中。今は江戸小紋の型も絵羽(というか付け下げ?)型のがあって、振袖絵羽付けのもあるとか。
専用抜き型起きしてそういう風に染めてもいいしって。
「袖切るの勿体ないな」といったら「替え袖にする方法もありますよ」と。結婚式迄は長袖にして、結婚後は訪問着丈の袖にすると長く着られるかなって。

成人式の衣類、画一的に考えずに、可能であれば、色々とやり方を考えても良いものだと思います。

2006/06/27(火) B反だとか、30点セットだとか
着物の展示会のオンパレードである。
繊維業界では、冬モノの見本品が出てくる季節なので、「早期ご予約会」などは、今の時期になる。
また、端境期なので、フェアをするのにも良い季節で、
更に「ボーナス入ったとこ狙い」とか「昨冬の在庫一掃の時期」だとか、色々と重なっている時期。

んで、まず「B反市」の場合:
B反というのは、何らかの疵モノを指す。どっかの染めや織りが違っていたり、ズレていたりなど。在庫期間が長すぎて、部分的に「ヤケ」といって、色褪せがでちゃったのだとかも含まれる。
もっとも、ちょっとでも、あちこちでもB反はB反なので、「切り落としちゃう場所が疵」なら、仕立ててしまえば、正規品とは遜色ない。

でも、シロートさんが手を出すのは危険。
「切り落とせる範囲だと思ってたら、とんでもないとこにもあった」なんてのもある。絵羽のヤケは、縫いこんであるとこはヤケないので、仮絵羽よりもサイズを出そうとしたら、色が違ってたなんて事態もある。

「疵モノバーゲン品」だと思えば腹も立たない、って範囲に留めておくのが正解。「成人式の振袖」とか「披露宴の訪問着」「留袖」なんて、ここぞというときの着物に選ぶのは危険が大きいと思う。

次が「30点フルセット」
着物というのは、長着と帯と長襦袢があれば着られるわけではない。
下着だとか、帯揚げ帯締め、足袋に草履にバッグと色々と必要。
手持ちの着物があるなら、肌襦袢や裾除けなんかは流用できるし、帯揚げや帯締めも買いなれているなら、行き着けの店の方が好きなものを選ぶことができる。草履もバッグも同様ね。
でも、「足袋も腰紐も一切持っていない、どこで買うものかも判らない」し「どういう色や素材を取り合わせるのが適切なのかも判らない」という場合には、セット物は便利な一品。過不足なく全て揃っているし、色柄も似つかわしいものを合わせている。
振袖セットや黒紋付セットが一番顕著かな。

「お得」というのは、「金額的にお得」というよりも、「あちこち探し回らなくて楽」って意味で「お得」なのだと思う。

私としては、バラ買いの方が好き。
普段に着物を着てるし、小物屋もウロついているので、「何が必要か」「それはどこで数多く取り揃えているか」もアテがついているから。
成人式のは振袖じゃなかったけど、着物も帯も襦袢も全てバラで調達し、草履、バッグ、帯揚げ、帯締めも全てバラ買い。下着は在りもの。
黒紋付は、着物と帯と襦袢は一緒に頼んだけど、セットじゃなかった。
帯揚げと帯締めは銀座の小間物屋、草履&バッグは着物市で。
帯揚げ位だったら、すっごくいい店のでも買えるからね。
バラ買いは「これにはお金をかけて、こちらにはかけない」なんて片寄せをすることもできるのが利点。

「手間隙いらずに買える」をヨシとするか「あちこちで物色して買う楽しみ」をヨシとするかで、どっちが良いかは違うと思う。

2006/06/25(日) 幸福は程ほどが良い
梅干のオケ(4.5kg用)は、一杯になりました。
籠につんでおいた梅の実も黄色く色づいてきました。

というわけで、「梅煮」です。
昨年は、梅の実を漉して種を取り除いていましたが、扱う器具が増えてそこらへん中梅に汚れたものが散乱するので、今回は種ありのまま煮詰めることにしました。
どっさりの砂糖に少しの水、土鍋一杯の梅の実で火にかけます。
ぐつぐつ言い出したら、火を止めて、2時間程放置。
土鍋は保温性があるので、実はそのまま火が通っていきます。
その後、そーっと実だけをキャセロールに取り出して、今度は電子レンジへ移動。レンジで30分程煮詰めます。鍋だと焦げちゃうから。
透き通っていた梅が茶色く、種の回りにへばりついたようになれば出来上がり。

一方、煮梅の中でデキの良い梅の実を煮詰めずに1つ2つ取っておいて、焼酎と炭酸水を入れて「梅サワー」にしました。
甘さと酸っぱさが丁度良い加減。今年の梅も良い梅です。

しかし、あと、何キロ降ってくるかな。頭痛い。
先週は小ぶりだった青い実もふっくりと脹らんで、まもなく黄色くなるでしょう。

「幸福は程ほどが良い」というのは、誰の言葉だったか。

2006/06/23(金) うちあわせ
ここ数日、掲示板のゴミ掃除ばっかりしています。
最近の掲示板の機能って便利で、「アクセス拒否アドレス」とか「書き込み禁止ワード」を定義できるんです。
だというのに、新たなキーワード、新たなアクセス先からやってくる。

「禁止ワードリスト」は作ってると滅入ります。
ソレな単語ばっかりだからねぇ。何がかなしゅうて、こんなもんつくらにゃあかんのか。思わず「〇」まで禁止文字にしようかとまで。

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閑話休題:
今日のお話の始まり

本日の勤務服は、前がダブルの打合せのワンピース。
コートのように前をボタンで留めてあがりというタイプ。
スカートの部分が、座ると、膝下でバラっと割れるとこが色っぽい。
といっても、場所をわきまえて、揃えようと思ったら、あれ?

ねじれた。

女物の洋服って、着物と打合せが逆なのよね。いつもの着物の裾をかきあわせるつもりでひっぱっちゃったから、左右の上下が反対に。
無意識に着物慣れしてきてるわね。

2006/06/22(木) 梅雨って梅の雨
梅雨になると、梅の季節です。
(昨日は、「サクランボの季節」って言ったじゃん)

一雨毎に梅の未は膨らみます。
ときには、ドッキリする程膨らみます。
我が家の梅は紅梅と白梅。小田原の梅園で友人が買い求めて、新築記念に贈ってくれました。
桃栗三年とかいいますが、梅もやっぱり3年目位からカワイイ実をつけて、10年にもなる今では、なまじの紀州産3Lサイズなんかメじゃない巨大な実をつけます。(大きいものは直径4cm位ある)
さすが、「梅干用の梅」用の品種。
「紅梅には実はつかない」という話だったのに、こちらも、小ぶりで少数ながら、実をつけます。といっても、こちらも市販3Lサイズ。
少ないといっても、10kgは取れる。

我が家にとって、梅雨の季節は「梅の実が降ってくる季節」です。
目に付くところは、程よく膨らんだところで、脚立も使って収穫しているのですが、見えないもっと梢の方で完熟したのが落下してきます。
今年も、それが始まりました。
今は、一日にザルに一杯程度、1kg程度ですが、そのうち10kg落ちてくるようになるでしょう。

昨年は梅酒を仕込み、梅干を漬け、残りは梅ペーストを煮込みまくりました。省スペース化には、ペーストが一番良かったです。
茹でて、種を取り、砂糖で煮詰めて、最後は電子レンジで。
(最後まで煮詰めると、焦げる確率が高い)

梅禍な季節です。

2006/06/21(水) さくらんぼの季節
親戚からお中元代わりのサクランボが届きました。
果物王国山形からの届き物。

梅雨に入ると、さくらんぼの季節なんですよねぇ。
衣服の柄としては、サクランボって、ファンシー柄扱いされてるし、なんとなく、四季通用な印象なのだけど、着物の柄だと、やっぱり、この季節の柄になるのかしらね。

2006/06/20(火) レースの襟とつけたり
朝、夏物のピケのワンピースを着ようとタンスから出してきたら、
「う、入らない」
腰とウェストがキチキチ、胸もヤバいか?

服薬中で、その影響で一過性的に体重が増えている。
ってたかが5kgよ。
しばらく前からタイトスカートのウェストが入らなくて、仮にサイズの大きいのをいくつか調達したり、手持ちのでタイトじゃないのを着たりしてたんだけど。

そのワンピ。裾はタイトだけど、昨年まで着てた状況から、そんなにキチキチな着心地じゃなかった。カッティングが絶品だから、無駄な
余分がない割に、動きに制限もかけないという優れもの。

問題はその「余分がないこと」が、わずかの体重の増加=サイズ増加で着用不可になっちゃったということ。

あー、洋服って嫌いだ。たかが、3cm4cmサイズが違っただけで、着れなくなる。
着物だったら、この程度のサイズ差異なんて全然問題ないものね。
私の身幅は並幅よりも細身なのだけど、この程度のサイズ差では「着れない」なんて事態にはならない。

もう一つのお題「レースの襟」
今年は浴衣の襟にレースをはさむのが流行りそうだ。
日曜日に横浜そごうで見た、蕪松庵のソレは5千円なんて、ぶっとんだ金額だったので「好みの綿レース見つけて、作ったろか」なんて思ってた。昨日、会社帰りに東京駅大丸に寄ったら、こちらでもレース襟を扱っていた。こっちは綿レースでなく糸レース。台に色モノ綿ブロードを挟んでいるのが透け色でいい感じ。「なんで、ピンクとか黄色、白ばっかなの?」って思ったけど、暖色系は藍染めの浴衣に重ねるのに向いている。値段もこちらは2100円と手頃なので、買ってしまった。
グラビアだと「端をちらっと見せる」式にしてたけど、透け色にしてる台なら、広めにあけて、レースの襟をたっぷり見せるのも良いじゃないかな。
ふっふっふー、今年の夏の楽しみ。

2006/06/19(月) 夏に袷を着てもいい?
梅雨である。
雨が降っていなくても、なーんとなく、空は重たく垂れ込めている。
ここ数年は4月の後半にもなれば、単を飛び越して盛夏の薄物を着たくなったものだが、今年は6月も後半だというのに、平気で単が着られる。「これが暦とおり」なのか「例年になく寒い」のかは、異常気象が続きすぎたので、よく判らない。

6月は着物の季では、「1週間毎に着るものが変わる月」なのだと言われている。
6月1日の更衣で袷から単に変わり、その後、1週間毎になんだか変わるらしい。
裏が絽で表が紗の紗袷は6月中旬だったかな。絽は6月後半から。
同じ絽でも縦絽とか7本横絽、9本横絽という透け難い絽は中旬から着られるとか実に細かい。
でも、一体、誰がこんな細かく決めたのだろうか?
「6月(初夏)から単、7,8月(盛夏)は透ける着物」位ならわかる。
洋服だって、衣替え当初は、冬モノのように厚ぼったい衣類はヤメにしても、ブラウスやワイシャツは長袖だったりする。
これが、7月にもなれば文句なく半袖、8月なら袖なしだ。9月はやはり長袖ブラウスだ。
これが「6月後半は半袖」「9月前半は半袖、後半は長袖」というのも、気候の変遷の実態に即した服装による。9月も前半は残暑をひきずり「いつまでも夏かよ」って気分なのに、15日を数日過ぎると、数日前のことがウソのように涼しくなり、肌寒さを感じ、10月になると、信じられないことにウールの冬服で暑っくるしく感じなくなる。

だから、6月と9月は「切り替わり」の時期なことは確かなのだけど、「何日から何を着なさい」という事細かな指示は、なにやらうそ臭い指南書を読んでいるような気分。
お茶道のお茶会に行く人は、それを守ることを楽しみにしてるのだからいいとして、街着や普段着に着る着物は「気候優先」でいきたい。

どんな気候にどの程度の着物で暑くないか寒くないかは、着て覚えるしかない。洋服の感覚とはちょっと違っている。
結構肌寒いといっても、着物では袷では暑かったりする。
単純なポリは蒸し暑いが、高機能なシルックやシルジェリー、セオαといった化繊は、かなり涼しいので、6月の着用は要注意。

そして、なにより要注意なのが「襦袢の袷、単、素材」。
着物の着心地は実際は長襦袢や半襦袢が半分以上担っている。
表の素材よりも襦袢の素材は先に薄くなる。
4月には表は袷でも襦袢は単に。6月の単には最初は単、暑くなれば、絽や麻、綿絽に。
汗ばむ時期には、化繊襦袢は最低最悪。表が並な化繊でも襦袢が綿絽、麻(奮発して洗える絹絽)なら、快適。

「でも、単って、所詮は1ヶ月着るか着ないかだから、誂えるのももったいなくて」という人も多い。季に従えば2週間程度。
でも、実際には、襦袢を普通の単や袷にして着れば4月位から着用でき、秋も11月位まで着られてしまう。昨今の温暖化状況では、意外と息の長い着用季刊を持つ。
いっそ、絽とか紗の方が息は短い。スケスケの紗はホントに学生の夏休みと同期する1ヶ月半位の命だ。

とはいえ、袷しか持っていない人にとっては、「いつまで着られる?」は切実な問題。昨今の無遠慮な冠婚葬祭は平気で夏場にご招待状を送ってくる。
大方の本では「差し支えないない」と書かれている。
が、夏服の参列者もいる中で、数名の冬物袷着物の人のためにかほどに涼しくしてくれるかは問題である。経験者によれば「結構暑かった」とか「ガーデン・ウェディングで披露宴も木陰あったので、死ぬかと思った」なんてのもある。

袷しか売れないと思っているのか、呉服屋は年柄年中、袷の着物を売っている。夏を前にして、気に入った着物を見つけてしまった人も不幸。
着たいよね。でも、袷の着物って「ビロードやベロアの服」や「夏場のバーゲンの毛皮」と一緒なのよ。いくらステキでも、その格好で外を歩くのは、現実的には辛いことなのよ。

いいか悪いかって、「何かに書いてあるから」とか「ダレソレに聞いたから」なんてより、実際に着てみて、ご近所でも一周してみると良い。
「暑くてたまらん」「寒くてたまらん」というなら、それはその時期に、その日の気候にあっていないってこと。一番大事なのは、そういうこと。

昔だって、日本は東西南北に広いんだ。更衣規定は江戸もしくは京都を基点とした季節感で定義された。江戸ッ子は庶民でもかなりマメに守ったらしい。江戸っ子らしい意地である。が、東北はどうたったか?九州はどうだったか?
神職の狩衣他の装束の夏と冬の切り替えも厳密なのは東京や京都の話。九州や東北は気候に合わせて臨機応変だそうな。

2006/06/18(日) 夏の小物
夏の着物には、夏の小物「も」使える。
昔は、夏用の小物なんてなかったのかもしれない。
だから、小物は袷の季節のものを使っても良いことになっている。

が、「これは夏物に替えた方がいいもの」

帯板: 夏はメッシュ製。樹脂に穴の開いたのもあるが、あれはダメ。
    帯が透けるので、冬物ではマズいのが一つ。
    冬物の帯板は確実に「暑い」。

帯枕: 売っていることは滅多にない。してると暑い。
    「帯枕は使わない」
    「糸瓜(ヘチマ)を都合の良いサイズに切って使う」
    なんてのが昔から行われてきたらしい。

帯揚げ: 夏用は絽地。冬モノのシュス織だとかぼってりした厚手の
    縮緬なんか、解いた瞬間に冷風が吹く。
    木綿や麻の着物なら、柄の良い手ぬぐいでもした方がマシ。

帯締め: 一番夏冬関係ないモノ。でも、ぶっとい、いかにも暑苦しい
    印象のものだけは避けた方がいい。見た目が暑い!
    男のネクタイにもいるいるんだ。暑苦しい地のネクタイしてて
    しかも汗だらだらに流してるの。やめてよねー!

伊達巻: 比較的無縁。でも、絶対に汗の襲撃に遭うので、この時期は
    絹物は避けた方が良い。でも、化繊も暑い。
    できれば木綿が良いが、市販品はない。自作するのみ。
    メッシュの伊達巻もあるが、何故か暑い。
    裏にラバーの張ってあるマジックテープ式のは確実に暑い。
    これならメッシュ伊達巻の方がマシ。

腰紐: 全く季節感なし。平気でウールでも使っちゃうのが事実。
    ゴム製好みの人向けにはメッシュ製のがある。

足袋:  夏は麻地が使える。でも高い。
    ネル裏は暑いが、サラシ裏なら夏でも問題ない。
肌襦袢: 一応関係ないが、夏専用には、綿楊柳、麻など。
    通年モノはサラシ。意外にもガーゼは冬用。
    もっとも、盛夏になると、肌襦袢着ないで身頃がサラシか麻の
    半襦袢着ちゃうけど。(何枚も着ると暑い)
腰巻: ベンベルグは通年。化繊の絽は一見夏用。実はメチャ暑い。
    やむをえず化繊絽を使うときには、綿楊柳のズボン下を穿く。
    夏こそ「ズボン下をはくべき時期」
    二部式にして、腰巻をしないのも盛夏のウチの習慣。
長襦袢: 麻楊柳、綿絽、絹絽、絹紗など。
    絹モノは下に肌襦袢を着た方が良い。綿と麻は直に着ても暑くない。
    「透けるから」という理由で、やたら白ばっかりになるのが、
    不愉快な時期。薄い水色と、白地に金魚柄持ってる。
    紋紗、夏お召し(風)、紗紬など透け難い生地には色襦袢がいい。

6月絵日記の続き


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