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2006/05/15(月)
白生地からのおあつらえ(3)
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さて、続きです。 「染められるのは無地染めだけなんじゃない」って話。
いえいえ、「型染め」も「型」を選んで同じように染めてもらえます。 代表的なのが「江戸小紋」最近は下地に色をかけておいてから染める「二度染め」なんかもあります。白地の部分が色になるんです。出来合いでは滅多見かけませんから、これは「お誂え」の醍醐味。 「伊勢型」と呼ぶ錐彫りの点々描写以外にも、「越後型」というのもあります。 京都に行くと「型友禅」もあります。印刷の多色刷りと同じ原理で、色毎に用意された型を使って染めていきます。
ちょっと高級なのが、「型糊友禅」(って呼び方でよかったかな)。友禅の色境界の糊置きを手ではなく、型で行う方法。 中の色挿しは手で行います。塗り絵みたいなもんで、「ここはこの色で」と見本の色とは違う色を指定することもできます。
「織り物」つまり、紬とかお召しとかですね。 これにも絣糸を染める「型」があります。好きな型を選んで、何色の糸を使うか指定して織ってもらうわけです。 絣をしないなら、縦糸と横糸の色を指定すれば良いわけで。 「織り分け」といって、右半分と左半分を別の色にしたりする指定もできます。
同じ「織り」といえば、「帯」もそう。 優妃は、色を指定して、つづれ帯を織ってもらったことがあります。 「織る」場合は、用尺の指定もできるので、「短くていい」とか「長くいるから」なんてのも指定できます。長さが価格に反映しない場合と ,反映する場合があります。 幅だって、業者によっては考慮してくれます。八寸はくけないので、帯幅がそのままです。これって、極端に細身や小柄な人、逆にふくよかな人には困っちゃうこと。こんなのにも対応してくれる場合もあるんです。
昔は、大島は高価なので1尺違ってもン千円とかン万円の差が生じるので、必要最低限だけ織ってもらうとかってした人もいたとか。 小柄な人の場合、経済的な方法ですね。 今だと大柄な人には割高ですが、割高でも、「着られる用尺が手に入る」なら、これは一つの選択肢。「用尺が足らない」では対象外ですものね。
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