優妃 讃良の着物についておもうこと
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2006/05/13(土) 白生地からのおあつらえ(1)
今日は「白生地からのお誂え」のお話。
洋服の場合、「生地を選んで好きなデザインで仕立てて貰う」というのは、とても贅沢なことです。生地自体も織らせて、染めてなんて言ったら、もー究極の贅沢と言えましょう。

というのは、今の洋服は「既製品」が一般的。しかも、大方の既製品は沢山同じものを作ることで単価を安くした「大量生産品」です。見目のワリに生地が沢山必要なカッティング(型紙の作り方)をしないことも、安価であれば安価な程普通にあります。
洋服は立体裁断なので、切り落としてしまうハギレがあちこちに出ます。なるべくこれを出さないようにするのが安価に仕上げるコツの一つ。
そもそも、前もって想定した体型で仕立てるので、着る人の体型ピッタリになることが稀なのは当然のこと。

という洋服に対して、着物は?
まず形。最高級品の生地を最高技量の仕立師さんが仕立てても、広幅生地の風呂敷き並の生地を雑駁にミシンでガーッと縫った廉価品でも、「形」は全く同じです。必要な生地の量も同じ。

次に縫い。ミシンで仕立てるケースも増えてきましたが、正絹モノはまだまだ「手縫い」が主流。仕立上がりのものも増えてきましたが、「反物を選んで仕立を依頼する」方がまだまだ多いです。

次はサイズ。形は同じでも、サイズは違いがあります。
女性の身長に大差の無かった昔は、着る人のサイズに合わせないで、一定のサイズ(これを「並寸」と言います)で仕立ててしまうこともありました。誰かに譲る際にも便利な方法。
ところが、最近の若い人と中心に、女性の平均身長の伸びは目覚しく、とても従来の「並寸」では、着付けで調整しようもないところまできてしまいました。
でも、着物はまだまだ「買ってから仕立てる」ので、着る人に合わせて仕立てて貰えます。
「お仕立上がり」とか「プレタ着物」といっても、所詮は同じように仕立てるしかないので、出来合いだから安いということは実はないのです。「お誂え」でも、安価な「海外縫製、ミシン仕立」を頼むことは可能なのです。

「えー、でも、仕立上がりと同じ反物を後仕立てで頼むと高いとこ あったんだけど」と思うでしょ。
実は、「ある一定のサイズで仕立てる」のと「一定ではないサイズで仕立てる」のでは、仕立にかかる時間が違ってくるのです。基本的に、「仕立賃」は「仕立にかかった時間」で計算されます。だから、時間のかかるモノは高くなるのです。
いつも慣れているサイズの場合、どこで反物を切れば良いか知っています。ところが、それより長かったら「足りるかしら」と一旦考えなくてはなりません。小紋でも柄がかさならないような配慮がありますので、違う場所で切ったら、柄が変なとこに出たりしないかとかも考えます。
至極稀に「3サイズのどれか固定な条件で仕立て代が廉価」というのを見ることがあります。仕立師さんの仕事を回すために呉服屋組合と協力して行うセールなのですが、「仕立て代を安くする代わりに短時間で仕立てられること」が条件になります。決まったサイズなら今書いたような、配慮は不要ですから、どんどん切って、さっさと縫い始められます。
また、慣れた仕立師さんになると、「縫う長さを覚えている」なんてのもあって、慣れたサイズはそうでないサイズに比べて同じ場所を縫うのでも速さが格段に違うのだとか。

さて、「仕立てる」までで、結構書いてしまいました。
まずは「仕立上がりでも、後仕立でも、結局値段は同じ」ってとこで、今日の分は終わり。


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