優妃 讃良の着物についておもうこと
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2006/05/10(水) 若いから着れるもの、歳いって着れるもの
着物のTPOはなかなか不可解なものがある。
ときには「どこから、そんな話を聞いてきたのだろうか?」と思う程、自分の知っている習慣とかけはなれたものもあったりする。
自分の習慣が必ずしも正しいとは限らないが、「違う」と思うことに間違いはない。

そんなネタの一つが「それは独身の着るもの」とか「年配になってから着るもの」といったもの。
「振袖は独身の着るもの」と言えば、大方の人は納得するだろう。
海外において、外国人の多い(日本人の少ない)ような場合に、既婚女性であっても振袖を着用するというケースはあるようだが、日本国内で日本人同士の場での着用では「独身に限る」とか「20代一杯」といった辺りは、誰もが納得するところだと思う。

「??」と思うのを上げると次のようなもの。
・不祝儀で色無地の着物は隠居(おおかた60歳以降位)してから
・丸組みの帯締めは独身に限る
・更紗は年配になってから
・女袴は、師範学校卒業式の卒業生か、学校全般の卒業式での女性教師に限る。

特定の地方、特定の集落内、とある一族といった中では、世間一般とは異なる習慣があったり、昔からの習慣が残っていたりします。
こういうのは、きっとそういった習慣なのだと思います。
それを守るべき集団の中では、その習慣は尊重すべきであり、そことは別の集団に参加する場合は、必ずしも遵守義務はなく、そして、絶対にそこに参加する他人様をそのモノサシで計って非難してはいけません。
って、守ってる人間自体は「世間一般にそういうものだろう」と信じてたりすることもあるので、ウッカリ口にしちゃうことがあると思いますが。
「卒業式の袴」は今じゃ、教育学部だけのものではなくなってきていますから、「学部限定」は、個人的な感覚でしょう。
「卒業式以外にも着られるか」「既婚が卒業式以外に着られるか」は、「着ない方がいいと思うわ」とアドバイスする人が多いでしょう。
その理由といえば「誰も着ていないから」程度でしかない筈なんですが、日本の場合は、この理由でかなり確実な理由だったりすることも多いのも実際です。
ちなみに、男性の礼装の袴姿も、公家と武家以外での着用が可能になったのは明治10年だそうです。太政官令にて告知されました。一般庶民にとっては、男性の袴だってものすごーく歴史が浅いんです。

私としては納得してるけど、昨今の色柄を見ると、必ずしもそうじゃなくなってきてるなって思うものは
・赤や暖色は若いうち(30代位まで)、寒色は年配になってから
・濃い色は若いうち、薄い色は年配になってから
・鮮やかな色は若いうち、渋い色は年配になってから
・大きな(厚みのある)お太鼓枕は若いうち、薄いのは年配になってから

現実的に、40歳を過ぎた辺りから、大方の人は、顔の造作も薄ぼんやりとしてきて、強いコントラストのある色よりもふんわりとした色が似合うようになってきます。従来の草木染め系の寒色系が似合うようになるのもこういった頃合です。
私自身も寒色系の顔映りがイマイチだったのですが、最近やっと似合うのが出てきました。そんな年頃(?)なんでしょう。

紫式部日記でも、お祝いの席に着用していた装束が「ちょっと鮮やかすぎて、若作りっぽくなってしまって、やだわ」旨を書いています。
平安時代でも、濃い色、赤形を中心とする色は若い人のもので、40歳もすぎれば、薄漂(うすはなだ)など色の薄い寒色を好んで着用しました。

とはいえ、最近の合成染料系の鮮やかな色の寒色は、七五三の着物から成人式の振袖にまであふれています。こういった色柄は年配のものではなく、若い人のものでしょう。

「更紗は年配」という説も、更紗は地味な色柄や寒色の色柄があるので、その辺から「年配向き」と見る方がおられるのだろうと。

ただ、個人の個性というのもありまして、歳の割に年配柄の顔映りの良い人や逆に、歳の割に華やいでおられる方など、色々といるわけですから、色柄は歳に合わせるのではなく、当人の雰囲気、顔映り、好みに合わせるのが良いと思います。

うちのお姫さんは、キリっとした傾向の上にピンクだのパステルだのが嫌いですから、黒地とか紺、赤でも蘇芳に近い濃い色のとかを好みますし、似合います。濃い色が似合うのは若さもあるでしょうけど、寒色の似合うのは当人の個性でしょう。
家だったら、「色柄より防寒」とばかりに、裏の紅絹ばかりが赤い地味地味大島地の綿入れ着物だとかも平気で着ています。
なんというか、見慣れてしまうと、それもそれなりって思えてしまう。

お太鼓帯の枕は、私なんか歳からするともう薄くしてもよさそうなものなんですが、母から「みっともないから、そんなちっさいの使わないの」と言われています。どうやら、身長とのバランスのようです。
歳がいってばーちゃんになると、昔の人は小柄な体が更にちっさくみえるようになってくるので、大きなお太鼓がアンバランスなんですね。
ところが、イマドキの40代なんて、まだ、「老人」なんてはるか遠い年代ですし、しかも、私はかなりの長身。ちっさい枕ではアンバランスという次第。
まぁ、こんな話が常識だった頃には、40歳を越えた168cmもある大女しかも、仕事してる影響からか、昨今の化粧品の効果か、少しは若く見えるらしい、なんてのは想定外でしょう。
化粧すれば、パステル系の似合う顔からコントラストの強い色の似合う顔に変身できますし。

昔並に結婚年齢の早いうちの近所では、40歳をいくつか過ぎれば、もう孫のいる年齢です。


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