優妃 讃良の着物についておもうこと
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2006/04/09(日) 装束で花見
「装束でxx」と言って、それに相応しいものに「花見」は十分に資格があるでしょう。
梅の咲くのが遅れていたので桜の開花が危ぶまれていましたが、予想に反して、3月後半の好陽気に「例年に比べて早い開花」となり、今日には散りきっているのではないかと、思いきや、さらに、先週の雪も降りかねない「花冷え」に、本日「満開、散りかけ」という最上の状態となりました。

朝、目がさめると、風の音がすごい。これは「春一番」系統の風の強さ
。普通は「春一番」「春二番」位で、あとはうららかな春になるものなのですが、今年は、いったい何番まで吹く気なのかと、いう位、何度も吹いています。
余り、強風だと、戸外での花見が難しくなります。
まぁ、そうしたら、着替え場所に確保した和室で広げましょうか。
雨は降る気配もなく、気温も最適です。

お菓子の類は先日調達済み。当日調達は海苔巻だけです。装束は着物より更に「洗えない」モノですから、飲食物には、気を遣います。
んで、「一口で食べられる のり巻」を選択。
お手拭はチャック付きビニールに入れて、用のないときは袖で擦っても濡れないように。
飲み物はポットに入れた緑茶。各人の入れ物はお抹茶用のお茶碗です。小さい器では、袖で軽くハネ飛ばしてしまいます。こういうおきには、重みと大きさのあるお茶碗が向いています。飲むときも両手で持つので、安全ですし。人数分位のお茶碗はあったりして。
こちらは、茶巾着に格納。最近手に入れた天目風茶碗、桜模様の茶碗、犬のお好きな姫君のために犬柄の茶碗と、今回の出席者のそれぞれに、これが似合いそうと布に包んで、茶籠の中に。
のり巻は段重ねの重箱に入れました。お菓達は、以前にウチのお姫さんに頂いた、四季花を描いた8角形の菓子箱(かつては、煎餅が入っていた紙箱。シャレてる)に入れました。歩籠(ホヨウ:字あってるかな。平安から室町の頃、食べ物を入れて持ち歩くための容器。)みたいで、いかにもな感じ。お茶だけは冷めると困るので、普通にマホー瓶です。

下に敷くのは緋毛氈(といいたいが、緋フリース)。をブルーシートの上に載せて。普通なら1.5m四方のブルーシートで5,6人余裕で座れるのですが、装束の場合は、一人一枚の勘定で人数分敷きます。

中央になる場所に、折敷(おしき)を人数分+1枚敷きます。
これは、以前、箱根細工の職人から入手したもの。一枚板ではないのか歪まないのが便利。自宅でも食卓に敷いてる便利もの。
ここが、食物や飲み物が置かれる場所になります。
平安風に、テーブルは無しです。

男性陣の宴会だと、台盤というテーブルや足つき盆のようなものが出てくるのですが、女性陣の場合は、いや、「女房達の」場合は、足つきのものは使わないようなので、それ風に。(単に「足つき盆がないだけ」ともいう)

会場にした、忍城二の丸跡は、城郭に囲まれているからか、風はないわけではないですが、比較的穏やか。(烏帽子が飛ぶ程度 ^^)

一行は近くの公民館で、白小袖と袴に着替えて、二の丸跡へ移動。
シートを広げて荷物を運び込んだら、まずは

「着付け」

自分に割り当てられた座の上でゴソゴソと着重ねします。
何せ、下仕えがいるわけではないので、シートの敷設、食べ物やご膳の運び込みなんて、自分でするしかありませんのでね。

ここで、下仕えから「姫君 殿方」に変身です。

後は、食べ物を出して、お茶やお菓子は減れば補充しながら、そこに根が生えたようにうずくまったまま、話に興じます。
話している内容は、ときには、平安や文学の話にも行きますが、大方の話題は「最近、こんなことに興味持ってるの」「ウチのお姫さんが・・」「最近買った本が・・」ととりとめもなく、かつ、「らしくない」話題が続きます。
でも、枕草子に出てくる女房達の話題も、当時だからこそ「らしい」と言えるわけで、結構似たり寄ったりなんじゃないかな。「お説法聞くなら、イケ面でいい声の坊さんがいい」だの「どこの公達がいい」だの「誰の着てた衣類がどーの、扇がどーの」って今なら、「ミュージシャンのだれ某が・・」「最新のCDが」「この間のTV番組で」なんて話と一緒なんじゃないかしら。

食事や菓子はこちらで用意してたのですが、お土産に頂いたお菓子はなんと「ベルンのドライケーキ」。この「ベルン」という洋菓子屋さんは、私が子供の頃に住んでいた町の商店街の1ケーキ屋さんでした。なんか、巨大化して、そこは本社機能だけになって、逆にちょっとしたデパートなんかでよく見かけるようになりました。
という子供の頃からの愛食(?)の品でうふうふ。持ってきてくれた人は、そんなことは知らなくて、全くの偶然なのですが。

で、風が吹くと、茶碗の中に桜の花びらやら、なにやら飛び込んできます。指でよけては飲んでいたのですが、最後の方、何かお茶が桜の香りになってきました。「桜の香り」って、花自体にはほとんどなくて、葉も漬け込むことで初めてあの香りになると聞いていたのですが、降る桜の下では、お茶も桜茶に化けてしまうようです。

最後まで、暑くもなく、寒くもなく、良いお日柄でございました。

私の着たのは
羽二重の白小袖、緋の長袴。白足袋
青の単、桜匂いの五衣、赤の表着、(イメージ イタリア国旗)

後半は、蘇芳の単、白の生絹、ニ藍の生絹の単重ね に ニ藍の小ウチギに着替えました。(イメージ フランス国旗)

今回は、気候がよく、また、開花の時期で出歩ける同様の日が少なかったことから、城址にも通りかかる人は、例年に比べて多く、随分と写真を撮られたり、話かけられたりしました。

「次は、どこでしようか?」
装束好き達は、もう次の機会を楽しみにしています。


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