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2006/04/07(金)
着物屋さんの人事異動
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しばらく顔を出さなかった某チェーン店に行ったら、見知らぬ男性が。。 「店長さん、代わったのかしら」 と思っていたら、その店より、「新しく、担当にさせていただきましたxxと申します」と、また見知らぬ女性からのお手紙。 ここしばらく、あの店では人事異動がなかったのですが、この春に異動があったようです。女性社員も代わったようです。
というわけで、新規に覗いたような顔をしてでかけてみました。 会社帰りなので、着物とはおよそ無縁なスーツ姿で。
店に入って、「春小町」シリーズの新作(腰紐、伊達巻、帯板を同じ柄で仕立てたシリーズで、春のは、桜柄)を物色してると、女性店員が寄ってきました。 「着付け教室に通っていらっしゃいますか?」 ん?この質問タイプは初めてです。どういう風に展開するのでしょうか? 教室に通った経験はありませんので、ここは意地悪く 「いいえ、お教室に通ったことはありません」と答えます。 だって、ホントだもーん。
どうやら、彼女は私を「着物に興味はあるが、自分では着れない人」と判断したようです。さて、話はどう進むのでしょうか?
化繊のコーナーには、もう夏着物の新作が出ていました。今年は随分早い入荷です。これなら、夏羽織やコートを作るのに十分間に合います。着物は6月からですが、羽織やコートは5月になれば紗地ですもの。 しかも、新生地のが出たようです。以前よりも透け感の強い生地。新作だからか、化繊なのに反物で2万円します。うーん、これはいい感じ。
畳のある逸品コーナーには「色紋付」と称するものが出ていました。 女性の場合は「色無地」って言った方がわかりやすいですね。 白生地から好きな色に染めてくれるタイプ。八掛と共色で染めて、仕立てて10万円弱は、まぁ手ごろなところ。 地紋は紋意匠縮緬で、夏の水面が風に揺れて波立ったような波紋風。八掛はウロコ模様地紋。 「上等な生地です」というけど、そんなに重みのある生地ではありません。まぁ10万円なら、こんなものでしょうか。大伯母のとこから着た紋織りの色無地はもっと重い生地でした。 ウロコ模様は、33歳の女性の厄年の際に身に付けていると厄除けになる文様なのだと。「蛇やアヤカシを意味するのでよくない」って聞いたこともあるのですが、そういう風に取る考えもあるんだなと。
「色無地はお持ちですか?」 おや、持ってるという想定で聞いているのでしょうか?持っていないだろうという想定で聞いているのでしょうか? 勿論正直に 「朱鷺色(ときいろ)のと鶸色(ひわいろ)、濃き(こき)のを」 と答えます。 ※ 朱鷺色:薄紅色のこと。上越新幹線の「MAXとき」用車両の帯が今このトキ色に塗られています。 鶸色:薄緑色のこと。 濃き:平安装束の色目で「濃き」と言えば、紫。厳密には「古代紫」とも呼んだりする赤紫系の紫
らしくない風体の女が古風な名称で色をあげたのは聞き違えを生じました。
「ときいろ」ならぬ「黄色」に聞こえてしまったようです。 「濃き」は単に形容詞で、「黄色の濃いの」という風に。
ひっこんだレジ場に篭もっていた店長が、助け舟を出して着ました。
「月にどれくらいお着物をお召しになるのですか?」 この客は成人式にしか着物を着ない人物じゃなさそうだと感じてきたようです。 「毎日」 「は? どんなお仕事をなさっているのですか?」 あ、そーか、毎日着物着るのは仕事な人か 「いえ、帰宅したら、着物を着るんです」 「あ、なるほど。」
「こちらのお店には、どれくらい前からいらしているのですか」 「もう10年位かしら」 「以前の担当は、誰でしたでしょうか」 「店長さんだったわ」
「さようですか。わたくし、2月より店長になりましたxxと申します」と名刺を出してきました。やはり、異動があったとのこと。 新しい店長さんは、そんな話をしながら、紙袋をひっぱりだして、なにやら見ています。引継ぎ資料でしょうか。
大宮そごうの同系列店もなくなったのかと思ったら、階を移動して健在との情報も得たので、今日は収穫。 このチェーン店に回る化繊反物は、どこでも同じわけではなく、店によって違うので、なるべく多くの店を回って一番気に入ったのを選ぶようにしてるので、この情報は貴重。この熊谷店は割とグラビアに載る様なタイプ、吹上店は古典系、大宮店は和系スタイリッシュな揃えに思います。
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