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2006/04/23(日)
花や風物と季節感
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優妃の住んでいるところは、まるっきりの田舎です。 場所によっては地平線までずっと田んぼだったりします。 近所には鉄剣で有名になった稲荷山古墳があり、弥生時代からの穀倉地帯です。今でも「関東地方」に限れば、随一の米穀産地らしいです。
というところなので、割と自然に恵まれています。 戸建の家も増えてきていますが、昔ながらの田舎屋もそこかしこにあります。 戸建と田舎屋の違いは建物そのものではありません。結構建替えて今風の家になっちゃっている所もありますから。違いは「庭の広さ」です。昔からある家は当然ながら、かなりの広さを持つので、必然的に庭も広いのです。ここに築山などを築き、四季折々の草木を配置します。
そんななかを通ると、「ああ、もう木蓮が咲き出したな」とか「ドウダンツツジがそろそろだ」なんてのが一目瞭然です。 桜は今は八重桜や山桜など、遅咲きの色の濃いの。 もうそろそろ藤が房を伸ばしてくる時期でもあります。 また、垣根の樹木が真っ赤なのも今。若葉が赤いのは紅葉だけではないと気づいたのも、ここに暮らすようになってから。
こんなのを見ていると、着物の柄を見ても、花や樹木を配したものは、いつ頃が頃合なのかというのはおのずとわかってきます。
都会って、やっぱり、そういった季節感に欠けますねぇ。 勤務地の赤坂では、今、通りやビルの前栽に配した木々が若葉を伸ばしたり、ツツジの赤い花を咲かせたりはしていますが、四季折々全ては揃いません。ツツジが終わると秋の落葉まで代わり映えのしない光景になります。 ビルの中なんか、一年中室温さえ大差ない状態だったりして。 こういう中に暮らしていると、細かい四季の移り変わりに鈍感になってしまうのも いたしかたないことなのかと。
着物の柄で「いつから着ても良いですか?」「いつまで着られますか?」という話題を見ることがありますが、実際にそういった花を見ていれば、「そろそろだな」から「もう終わりか」って頃合は自明なのです。それは着物の柄かどうか以前の話なのだから。着物にその「季節」を写し取ってきているだけ。
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