優妃 讃良の着物についておもうこと
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2006/03/30(木) 着付けの流派は・・・
着付けの掲載されている本を見ると、概略的には同じなのだけれども、些細なところには、いくつか違うものがある。
それは、もとになっている着付け教室の流派の違いだったりする。
衣紋襞の畳み方、お端折りの始末の仕方、襦袢の襟元の始末や紐のかけかたなどなど。帯は「お太鼓」「二重太鼓」であっても、随分違う。

現在、着物を着ている人は、どれくらいが着付け教室による着付けなのだろうか?

お茶やお花の場合、なにがしかの流派に連なる教室で学んでというのは、割と普通なように思う。
が、着付け教室が始まったのは戦後、親から子への着付けの技の伝達が断絶した世帯が増えたことに始まるので、比較的新しい。
当然ながら、今もって、「教室ではなく、親から、祖母から教わっただけ」という人もいるわけだし、「本見て、見様見真似」なんて人も朱着物本の充実してきた今はいる。

私の場合は、祖母や母に習った「お家流」というヤツで、娘も私からの「お家流」。
別に他人様からお金を貰って着付け師をしようという気はないので、別に「お家流」で構わない、と思っているんですが、いくつか、憂慮点があります。

1.着物のサイズが違う:
「着方が違う」というのは、着物の寸法にも大きく影響する部分があります。例えば、着丈、身丈。初めて着物を誂える人は、自分の体のあちこちを測って寸法を割り出すのですが、これが、私の場合、着てみると全然合わない大きなサイズになってしまいます。長襦袢などは、10cm以上も長くて、床に垂れています。裄だって、2尺と5分。縫い代のことを考えたら、尺幅(幅が1尺の反物)の普通の反物では仕立てられない勘定になります。
身幅は、身長の割に細身なので、細く仕立てるのですが、補正をかけるならば、あと1寸位広くしておかないといけないようです。
普段、街着程度の着方にバスタオル二枚なんて肉布団のような補正はしませんから、この分も細く仕立ててる次第。

仕立てあがった着物や襦袢を店で着付けると、担当さんも、「このサイズでぴったりなんですね」と納得してくれます。
んで、「着方が違うんですね」と。
最近の呉服屋さんは、着付けサービスをしていることも多いので、着付けが出来ます。だから、私の着方を自分が普段着せ付けている着方が違うのだと判るようです。
ポイントの一つは「襟の合せ方」、次に「腰紐の位置」、そして最後が「裾の位置」のようです。
裾は、「電車移動の場合は短く」が「お家流」のキマリ。
床丈で腰紐を結ぶと、床上がり5cm位になります。
さもないと、裾が擦り切れるのだそうです。披露宴会場で留袖や訪問着を着る場合は、移動なしですから、着付け上がりで、床丈。
街着用の襦袢は、この「床上がり5cm」の状態で見えてこない丈が必要です。実際には、黒紋付でも電車移動の可能性はあるので、手持ちの襦袢は黒紋付用の白地袷から、普段用の柄物迄全てこの丈です。

次は腰紐位置。
長めの着物や袴下の場合は、骨盤のすぐ上、短い着物なら骨盤の位置。
最近、一般的なのはウェスト位置だそうで、位置にして10cm、身丈にして、20cmの差異が生じます。
補正の肉布団があれば、ウェスト位置にギリっと締めても、辛くはないのですが、補正なしでウェスト位置に「崩れないようにぎっちり締める」と、出先で貧血起こすように事態になります。
ウチのお姫さんも、腰骨位置派。某呉服屋で、反物当ててもらったときに「腰紐下にして下さい」と言って、店員が「随分、ハッキリいう子ですね」とビックリしていた。成人式向けの着物を当てるといっても初心者が普通なその店では、十やそこらの子供が自分で着付けできるなんて想像しえなかったに違いない。
襟の合せ方で、裄と丈が異なるなんて、言われて見るまで気づきませんでした。襟はぴったりつけず、ゆったりと合わせます。広襟がここで有効に効いてきます。後ろ襟は半分に折ってるけど、前は広げて。
瑣末には、長襦袢には伊達巻を巻かないのも多少影響してるとか。私は胸紐一本しか使いません。

この積算が、「本当にこの寸法で着られるんですか?」と仕立て屋が聞き返してくる寸法になる次第。

裄の差は簡単。私の寸法は「手を横にまっすぐ上げて」の寸法。
最近は、「45度に下げた」寸法。洋服の場合は「下に下げた」寸法。
手は下に下げる程、長い裄を必要とします。
瑣末なとこでは、この計り方で私のは「手首骨の手前」ですが、「手首骨が隠れる」だと5分(約2cm)違います。
これは、着付けでなく、ウチ流の「仕立ての主義」ですね。

この裄だと、手を下に下げると10cm以上ずっぽりと出ます。
が、「着物を着て、手をだらりと下げているのはみっともない」と躾られました。「出て当然」なのだと。

昔は、みんな、着物を着てたんですから、お教室で習うわけではなく、親や祖母から習うのは当たり前のことでした。多分、こんな、家々の違いは普通にあったんじゃないかと思います。
誰のが正解、誰のが間違いってわけじゃなくて。
といっても、「あの人の着付け、ステキ」とかいって、聞いたり、真似たりして、取り入れることもあったでしょう。
裾丈、お端折り丈なんかも、同様に長くしてみたり、短くしてみたり。
母方の祖母やその姉、母とその姉は細身ですから、並寸を長身で着て、ほっそり系を上品に見せる着付けが上手。上方出身だから、なおのこと洗練されていました。
父方の祖母は、ふっくら系。関東の農家出身なので、ちょっとヤボったい着方だけど、安定した着方で楽そうに着てました。私のお端折りが長めなのは、同居してた、この祖母譲り。

「わが道を行く」なウチのお姫さんも、きっと着付けは教室では習わないで、引き継いだ着方で行っちゃうんだろうなぁ。
どこまで、つないでいけるのかな。


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