優妃 讃良の着物についておもうこと
ご感想は掲示板 http://bbs1.fc2.com/cgi-bin/e.cgi/12019/まで
ホームページ最新月全表示|携帯へURLを送る(i-modevodafoneEZweb

2006年3月
前の月 次の月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
最新の絵日記ダイジェスト
2017/01/22 着物買うのに、いくら以上だと「高い」?
2016/11/27 着物を頼むなら呉服屋で
2016/11/26 夏は暑くて、冬は寒い
2016/07/10 はいからさんが通る の 時代の袴
2016/07/09 はいからさんが通る

直接移動: 20171 月  201611 7 6 5 3 月  20159 8 7 月  20149 8 7 6 1 月  20139 8 7 6 3 2 1 月  201212 11 5 3 2 月  201112 11 10 9 8 7 5 月  201012 11 10 9 8 6 5 2 1 月  200912 10 5 3 月  20085 4 3 2 1 月  200712 10 9 8 7 6 5 3 2 1 月  200612 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200512 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200412 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200312 11 10 9 月 

2006/03/03(金) お雛様は・・
本日は、新暦でひな祭りです。

お雛様って、元々は装束を着た姫君や公達の雛型だったのでしょうけど、庶民に波及するに従い、生地が有職生地から金襴になったり、手軽く作る手段として、省略されたつくりになってたりと色々です。
江戸初期に一般的だった女性装束にある「掛け帯」をしたタイプとそうでないタイプがあったり、襟の重ね方が一枚一枚重ねるV襟型と五衣の部分は一気に重ねるy襟型があったり。装束の歴史の中ではどちらもありました。

更に謎が謎を呼ぶのは「ひな祭り」の唄。
「お内裏さまとお雛様」って、男雛が「お内裏様」で帝とか親王を指すのかもしれないですが、「お雛様」って?男雛もちょっと前までは黒地金襴が一般的だったので「親王」のイメージだったのでしょうけど、即位とあいまって、帝を示す黄櫨染という黄土色系の地に桐竹鳳凰麒麟紋のを着ていたり、皇太子を表す黄丹というオレンジに近い濃い黄色のを着ていたり。更にこれがごっちゃになって、黒地の束帯なのに、明治以降の天皇の冠である立エイ冠を被っていたりもします。
また、五人囃子の下に位置するのは「随身」ともいうし、「左大臣、右大臣」とも言われたりします。唄では「赤いお顔の右大臣」と。
通常、左右では左の方が偉いのですが、お雛様だと、若い方が白皙の顔に紺か黒の金襴装束、赤ら顔の年配の方が朱系の金襴装束です。
装束では赤と黒なら黒の方が上の位の衣装です。
とすると若い方が左大臣で、年配が右大臣?
いえいえ、この二人は弓を持って矢を背負った武官姿です。こういう格好は近衛少将とか中将です。大臣が大将を兼務する場合は大臣の方の格好をしますから、武官の格好はしないのです。
だから、やっぱりこの二人は「左右大臣」ではなく「随身」なのでしょう。

女雛の冠も謎のモノ。明治以前の即位の際に礼服(らいふく)を着用する際には、男女共に冠を被るのですが、皇后のソレとはかけ離れたもので、どちらかというと、能楽の天女の冠。ちょっと古いお雛様だと、多少の差異はあれ皆この冠を被っています。どこから始まったんでしょうね。

先日、京都に行った際、1ヶ月程前でしたから、ホテルのロビーに飾ってあったり、博物館で展示があったりしました。
雛人形の店でも品多く扱っていました。

京都だと、老舗の雛人形の店には、必ず「有職雛」という、有職故実に基づいた衣装を着たお雛様があります。もちろん「本仕立て」などといって、きちんと装束の形に仕立てて、人形に着せる方式です。
古いお雛様の中には着替えを持っているお雛様もいます。
リカちゃん人形を着替えさせるような簡便な方法での着替えは無理でしょうけど。
そして、なにより、「有職生地でつくられている」こと。
よくあるお雛様は金襴地といって金糸銀糸を織り込んだ華やかな生地を使います。が、有職生地は意外にも金糸銀糸は一切使いません。それなのに、金襴のお雛様と並べても遜色ないどころか、凛と光輝きます。

装束好きとしては、是非とも欲しいのですが、この有職雛、大方の雛人形とは金額的にも一線を画すシロモノなのです。


 Copyright ©2003 FC2 Inc. All Rights Reserved.