優妃 讃良の着物についておもうこと
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2006/03/31(金) 着付けの流派は・・
着付けの流派が異なる(お家流)だと、困る点のその2

2.着付けてもらうときに困る:

お家流に従った寸法の着物で着付け師さんに着付けてもらうと、色々と困ったことがおきました。

1)補正後の体型は大きく違う。
私の場合、痩せ型の上にいかり型ですから、もう肉布団でも着たような状態にバスタオルだのタオルだのが巻かれます。
でもって、そういう補正後用の寸法に仕立てられてませんから、「あら、小さいじゃない」なんて声が聞こえてきたりして。
着物には融通性がありますから、多少大きかろうが、小さかろうが、着付けてしまえるものなんですが。

2)帯が短い
お家流とは違うんですが、「京袋帯」という呼び方もある、袋帯なのに長さは名古屋帯という帯があります。祖母のもので、母の結婚式に使われて母に譲られ、今は私の箪笥の中にあります。
関東から東北にかけての着付け師さんだと、この京袋帯の経験がないことがあるようで「なに、これ?」とアセってたりします。
母も私もお披露目の新婦の立場でこの帯使いましたから、リキ入れた結び方をするつもりだった着付け師さんは、かなりアセったようです。

3)小間物がない
着付けの流派によっては色々な小物を用いて着崩れを防ぎます。
流派独特のものを除いても、お太鼓の枕を支える枕支えや、さらにソレに帯を挟むクリップがついたもの、はたまた、胸元がはだけてくるのを防止するための、ゴムバンドの両端にクリップのついたの。帯板にベルトがついていて、帯を結ぶ前に身に付けるタイプの、等は、普通の呉服屋さんの店先でも売っています。襟に樹脂芯を入れるのも今は一般的でしょうか。

持ち込んだ襦袢の襟には、普通に三河芯を縫い付けて、襟をかけただけだったので「なに、このクタクタの襟は」と言われて、こっちは逆に、そういう経験がなかったので、何が問題だったのかわかりませんでした。後になって、グラビア撮影だとか、新婦の着物にはこういった固い芯を入れて、きっちりと張らせるものなのだと知りました。
着付けの流派によっては、小紋や紬でもこの硬い襟芯を使うように指導しているところもあるようです。慣れてしまうと、三河芯だけのクタクタな感じは不愉快になってしまうのかもしれません。

4)腰紐、伊達締めが足らない。
こういうときのために、紐は豊富に持参するので、実際に「足らない」ということはないのですが、普段、長襦袢は付け紐だけで、着物は腰紐1本、伊達締め1本で、着ている私から見ると、ビックリする程紐を消費するものだと。確かに着崩れませんので、礼装には向いています。

当然、着付けは色々あるので、別の着付け師さんにいけば「あぁら、私は、そんなことしないわよ」ってこともあります。
「手結び」といって、器具は使わない昔ながらのやり方に独自のノウハウを加えたタイプの流派とかもありますから。

今後、着付け師さんに着付けてもらう必要はありそうにないですが、あんまり、着付け師さんのお世話にはなりたくないと思っています。
知人や親族の結婚式なら母に着付けてもらえばよいし(って、いつまで、いるのだ?その母親)。
ああ、そのために、娘に、私の着付けもできるように教えておかねば。(をい!)

2006/03/30(木) 着付けの流派は・・・
着付けの掲載されている本を見ると、概略的には同じなのだけれども、些細なところには、いくつか違うものがある。
それは、もとになっている着付け教室の流派の違いだったりする。
衣紋襞の畳み方、お端折りの始末の仕方、襦袢の襟元の始末や紐のかけかたなどなど。帯は「お太鼓」「二重太鼓」であっても、随分違う。

現在、着物を着ている人は、どれくらいが着付け教室による着付けなのだろうか?

お茶やお花の場合、なにがしかの流派に連なる教室で学んでというのは、割と普通なように思う。
が、着付け教室が始まったのは戦後、親から子への着付けの技の伝達が断絶した世帯が増えたことに始まるので、比較的新しい。
当然ながら、今もって、「教室ではなく、親から、祖母から教わっただけ」という人もいるわけだし、「本見て、見様見真似」なんて人も朱着物本の充実してきた今はいる。

私の場合は、祖母や母に習った「お家流」というヤツで、娘も私からの「お家流」。
別に他人様からお金を貰って着付け師をしようという気はないので、別に「お家流」で構わない、と思っているんですが、いくつか、憂慮点があります。

1.着物のサイズが違う:
「着方が違う」というのは、着物の寸法にも大きく影響する部分があります。例えば、着丈、身丈。初めて着物を誂える人は、自分の体のあちこちを測って寸法を割り出すのですが、これが、私の場合、着てみると全然合わない大きなサイズになってしまいます。長襦袢などは、10cm以上も長くて、床に垂れています。裄だって、2尺と5分。縫い代のことを考えたら、尺幅(幅が1尺の反物)の普通の反物では仕立てられない勘定になります。
身幅は、身長の割に細身なので、細く仕立てるのですが、補正をかけるならば、あと1寸位広くしておかないといけないようです。
普段、街着程度の着方にバスタオル二枚なんて肉布団のような補正はしませんから、この分も細く仕立ててる次第。

仕立てあがった着物や襦袢を店で着付けると、担当さんも、「このサイズでぴったりなんですね」と納得してくれます。
んで、「着方が違うんですね」と。
最近の呉服屋さんは、着付けサービスをしていることも多いので、着付けが出来ます。だから、私の着方を自分が普段着せ付けている着方が違うのだと判るようです。
ポイントの一つは「襟の合せ方」、次に「腰紐の位置」、そして最後が「裾の位置」のようです。
裾は、「電車移動の場合は短く」が「お家流」のキマリ。
床丈で腰紐を結ぶと、床上がり5cm位になります。
さもないと、裾が擦り切れるのだそうです。披露宴会場で留袖や訪問着を着る場合は、移動なしですから、着付け上がりで、床丈。
街着用の襦袢は、この「床上がり5cm」の状態で見えてこない丈が必要です。実際には、黒紋付でも電車移動の可能性はあるので、手持ちの襦袢は黒紋付用の白地袷から、普段用の柄物迄全てこの丈です。

次は腰紐位置。
長めの着物や袴下の場合は、骨盤のすぐ上、短い着物なら骨盤の位置。
最近、一般的なのはウェスト位置だそうで、位置にして10cm、身丈にして、20cmの差異が生じます。
補正の肉布団があれば、ウェスト位置にギリっと締めても、辛くはないのですが、補正なしでウェスト位置に「崩れないようにぎっちり締める」と、出先で貧血起こすように事態になります。
ウチのお姫さんも、腰骨位置派。某呉服屋で、反物当ててもらったときに「腰紐下にして下さい」と言って、店員が「随分、ハッキリいう子ですね」とビックリしていた。成人式向けの着物を当てるといっても初心者が普通なその店では、十やそこらの子供が自分で着付けできるなんて想像しえなかったに違いない。
襟の合せ方で、裄と丈が異なるなんて、言われて見るまで気づきませんでした。襟はぴったりつけず、ゆったりと合わせます。広襟がここで有効に効いてきます。後ろ襟は半分に折ってるけど、前は広げて。
瑣末には、長襦袢には伊達巻を巻かないのも多少影響してるとか。私は胸紐一本しか使いません。

この積算が、「本当にこの寸法で着られるんですか?」と仕立て屋が聞き返してくる寸法になる次第。

裄の差は簡単。私の寸法は「手を横にまっすぐ上げて」の寸法。
最近は、「45度に下げた」寸法。洋服の場合は「下に下げた」寸法。
手は下に下げる程、長い裄を必要とします。
瑣末なとこでは、この計り方で私のは「手首骨の手前」ですが、「手首骨が隠れる」だと5分(約2cm)違います。
これは、着付けでなく、ウチ流の「仕立ての主義」ですね。

この裄だと、手を下に下げると10cm以上ずっぽりと出ます。
が、「着物を着て、手をだらりと下げているのはみっともない」と躾られました。「出て当然」なのだと。

昔は、みんな、着物を着てたんですから、お教室で習うわけではなく、親や祖母から習うのは当たり前のことでした。多分、こんな、家々の違いは普通にあったんじゃないかと思います。
誰のが正解、誰のが間違いってわけじゃなくて。
といっても、「あの人の着付け、ステキ」とかいって、聞いたり、真似たりして、取り入れることもあったでしょう。
裾丈、お端折り丈なんかも、同様に長くしてみたり、短くしてみたり。
母方の祖母やその姉、母とその姉は細身ですから、並寸を長身で着て、ほっそり系を上品に見せる着付けが上手。上方出身だから、なおのこと洗練されていました。
父方の祖母は、ふっくら系。関東の農家出身なので、ちょっとヤボったい着方だけど、安定した着方で楽そうに着てました。私のお端折りが長めなのは、同居してた、この祖母譲り。

「わが道を行く」なウチのお姫さんも、きっと着付けは教室では習わないで、引き継いだ着方で行っちゃうんだろうなぁ。
どこまで、つないでいけるのかな。

2006/03/29(水) お花見 告知
【装束で花見】開催

期日:4月9日 11時〜17時 (雨天時は室内にて開催)
場所:忍城跡
参加資格: 自前装束持参の方
参加費:  千円余程度(着替え場所代+お昼代、お菓子代)
着替え場所:あり

交通アクセス: 高崎線にて行田駅下車
    新宿発9:43の湘南新宿ラインで、10:53行田着
    上野発9:49の東北本線に乗り、
     赤羽で10:00発の湘南新宿ライン(上記)に乗り換え

    この湘南新宿ラインは、小田原8:16, 戸塚9:02, 横浜9:13,
大崎9:31, 渋谷9:37, 池袋9:49, 大宮10:13です。


申し込み: 「内緒話」より、お申し込み下さい。

湘南新宿ラインの時刻をご覧の通りに都内より遠く離れた鄙つ方です。
よろしければ、お越し下さいませ。

2006/03/28(火) 着物における柄や色のルール
洋服、和服を問わず、「時節にぴったり」「参加場所にぴったり」な色柄を身につけていくのは、最高のオシャレです。
春と秋はどちらも「合い」という中間の衣類ですが、マネキンが着ている服を見ると、秋は、落ち葉や収穫のイメージから、茶、黄、ボルドーといった色が中心に置かれます。
一方、春はというと、桜のピンク、若葉の薄緑、清流の薄水色といったやさしい、ふんわり系の色が並びます。

じゃあ、道行く人が、春になったら、春色の服、秋になったら秋色の服着ているかとういうと、通勤電車で回りを見回して貰えば一目瞭然。そんな人に目がいっちゃう位、他の人は無頓着なモノを着ています、
洋服の場合は、バッチリ決めた人を「オシャレな人」とみなし、そうでない人は「普通の人」と見ます。

ところが、

着物の場合だと、「バッチリ決めてて、普通」で「そうでないのは、非常識な奴」と思い込んでいるケースも多いようです。
洋服に照らしてみれば、判るように、着物だって、「バッチリ決まってる」のはオシャレで粋な人であって、そうでない人は「普通」なんですよ。季節にバッチリな色だの、柄だのって持ってるってことは、既にそれだけの着物の在庫がある証拠です。
なけなし、数枚の着物と数枚の帯を組み合わせている時点では、「運良くバッチリ合う」機会でもなければ、「普通」の範疇なのは当然。

が、洋服もそうなのだけど、着物の場合は、「柄」という大きな問題があって、本当に季節限定の柄があります。「向日葵(ひまわり)の図柄は冬には使わない」とか、「紫陽花は開花時期前後」とかです。
花には季節があり、花を見ることで人は季節を感じます。
同様に、着物に描かれた花の図柄からも人は季節を感じるわけです。
もっとも、日本には「吉祥柄」というのがあって、梅、牡丹、桜、菊などは一年中問題ないとも言われます。一枚の着物の中に四季の花が入っているようなタイプは完全にそういう目的で描かれます。
吉祥花の代表は四君子、掛け軸でも一年中使える柄です。
はたまた「名前に藤が入ってるなら、一年中藤文様はOK」なんてのもあります。藤原さんとかですね。橘さんとか桜井さん、菊池さん達は、季節と無関係にこれらの花をあしらったものを着ることができます。同様に「家紋、女紋に入っている」というのもあります。
果ては「見に行くお芝居にちなんで」「展示会にちなんで」まで。
そういう方たちは、行った先で「まぁ、心憎い取り合わせですこと」と賞賛されるのでしょう。
こうなると、通りすがりの着物姿を見て「あれ、季節でもないのxxの花の着物?」なんて、到底判断できそうにありません。
判定することすら無意味でしょう。

とはいえ、行った先でも「あれ、いまの季節には合わない柄だわ」なんて思われないためには、着物の手持ちが少ないうちは、特定の季節を感じる柄は使わず、帯や、帯揚げと帯締めの取り合わせで季節を演出している方が良いと思います。
「なけなしの訪問着が、菜の花柄なんですぅ!」では、秋にはちょっと気がひけるかと。

私の訪問着は、桃色(薄紅よりは濃いが、紅梅程は濃くない)の地に紫のぼかしが入り、更にその上に金のスプレーが彩雲のようにたなびく。
春なら白地の帯に萌黄の帯揚げを添えて、「桃の重ね」で春風。
秋なら、黒とか金茶の帯に海老茶の帯揚げで、菊をイメージの秋風。
正月は、黒の正統派に紅梅色の帯締めもきりりと梅をイメージ。
特定の柄がないので、なんとでも見立てができるわけです。

呉服屋に行くと、季節にちなんだ柄を描いた染め帯なんか見ると「いいなぁ、帯なら季節限定でもいいし」なんて思うのですが、でも、気に入った柄なら、季節不問に着用したいので、いいなぁと思いつつ、いつも買わないできている優妃でした。

菜の花の帯、雛人形飾りの帯、若紅葉の帯、トドメにクリスマス柄の帯。目にだけ残る記憶。

2006/03/27(月) 某呉服屋新装開店
この週末、某呉服屋の新装開店でした。
これに合わせて、お客様に来て頂こうということか、2月に特別展示会がありました。
このときには、特に着ていくアテがあったわけではないのですが、丁度、4月2日に、機会ができました。となると、「出来たてのを着ていきたい」と思うのは当然のこと。
が、行ってみたら、「すいませ〜ん、まだ出来ていないのです」と。
当日、採寸迄済ませた人のは出来上がってたようなのですが、私の場合は、後日、着物を持ち込んでこれを採寸して貰ってから仕立てに回ったので、やはり遅くなったようなのです。

しかし、「7時以降は電話OKでしたよね」って、
「日中に携帯にかけるように」と毎回言ってるのに。
この担当は、覚えないのだな。

この日は、開店セール目玉の「105円コーナー」で足袋と腰紐を買いました。3本組のウール腰紐が105円はお得。襦袢の背抜きに縫い付ける紐がいるので、これは嬉しい。親や祖母が作ってくれた手持ちの襦袢には、手頃な紐がなかったからなのか、寝巻きの紐とか、謎の端切れといったとんでもないものが付いているものもあります。
これを一気に一新いたしましょう。

しかし、足袋や腰紐の300円程度の買い物に、A4版の「お買い上げ伝票」をつけるのは、やめて欲しいな。ここのレジってそれしか出ないのかしら?しかも、名前、住所、電話を書かせる。
他の呉服屋ではチェーン店系でも、お仕立てが伴わない売上には、こんな大仰な伝票は使わない。単なるレシート。
それとも、この店では、お仕立てのついでにしか小間物って買わないのかしら?いや、そんなことはない、夏場には仕立てあがりの浴衣を扱うもの。やっぱり、変!

2006/03/26(日) 礼装は、洋装も和装も大変
某サイトで、「生まれて初めて、着物を着た。しかも、結婚式の新郎の立場で、紋付袴姿」という話が出ていた。着た当人の感想は「きつくて、苦しくて、あれは、数寄者や趣味人の着るものだと思った」と。

実は、礼装というのは、洋装和装問わず、かなり、辛いものです。
着物を着慣れている人でも、礼装の着用回数が複数になる人は稀です。
でもね、洋装の礼装の着用回数も実は稀なんですよ。
男性の場合は、タキシードにしろ、燕尾服にしろ、背広を着慣れているなら、かなり近しいですから、辛さは緩和されます。
が、これが、「工場の作業ラインで働いていて、行き帰りも作業服のまんま」という人にとっては、ワイシャツやネクタイですら「うぇ〜」なんです。
まして、女性の方は、新婦ともなれば、打ち掛けを回避するなら、ふんわり広がるお姫様ドレス。このドレスは、普段着ているどんなものとも異なります。着慣れているのは、演劇関係者位なものでしょう。
もちろん、このドレス。かつてのコルセットとまでは行きませんが、ロング・ブラとか、3in1という、胸下からウェストにかけてボーンの入った下着を着用します。下は、場合によっては2枚も3枚ものチュールのペチコートを重ねて着用します。この下着の経験者も決して常識ではありません。その上に、ドレスの裾の扱いは、普通の洋服とは全然違います。
「長く裾引く、トレーンのドレス、その上に更に長く引くウェディング・ベール」なんて、うっとりものですが、こんなものを着た日には、打ち掛けどころの騒ぎじゃありません。
持ってみればわかります。イマドキ、ウェディングドレスを正絹で作ることは稀で普通は化繊。化繊は同じ程度の正絹よりも重い。つまり、ウェディング・ドレスは、とっても重いんです。
慣れていないとこの重さに振り回されてしまうわけです。
つまり、打ち掛けに匹敵する洋装は、着心地も打ち掛けに匹敵する大変さがあるというわけです。

「そんな、すごいドレスじゃなくして、髪型も普段のをちょっと良くした位なら楽だもん」というなら、着物だって、打ち掛けじゃなくて、お振袖にする、訪問着にするという選択肢があります。訪問着なら、文金高島田でなく、普通に軽くまとめただけで格好がつきます。
だから、軽くするなら、洋装でも和装でもどっちも軽くなる。

でも、問題はあって、洋装の場合は、軽くすれば、普段ちょっとめかしこんだ格好に近く、洋装で暮らしている大方の人には経験アリになりますが、着物の場合は「ちょっとめかしこんだ格好」程度でも経験ない人は随分いることなのです。
「訪問着に袋帯をお太鼓に結んで」「振袖にフクラ雀」といえば、チョイと前なら正月には着てたんですが、今や、そんな家庭も既にレア。

こうなると、和装は軽いレベルでも敬遠したり、経験して「もう、こりごり」なんて話になりやすい次第。

着物には「草履」という大敵もいます。「着物を着たことがない」人ってのは、「草履や下駄も履いたことがない」ことも多いです。
となると、「ハイヒールを履いたことのない女性が結婚式でハイヒールを履く羽目になった」のと同様に「一歩歩く都度に激痛が・・・」なんて人魚姫のような事態になるのでした。

2006/03/25(土) 花見のロケハン
良いお天気です。ここんとこ、土曜日の天気がよくて,日曜日の天気はイマイチというのが続いているように思います。
今日は、お花見のロケハンをしました。
花見のできる場所はいくらでもありますが、人が多くて立てこんでいるとこは、着物や装束で花見をするには不向き。
「花はたっぷり、人はぽっちり」な場所が最適です。
ここ数年、そういう条件に適った稀有な場所を使っています。

まずは隣接の博物館にご挨拶。いつもの通り、
「あそこは、博物館でなく、公園に属しますので、特に問題ありません」と。

問題の場所の桜は、まだ蕾も固く、色の片鱗すら見えません。
まぁ、今日、そんな状態では、花見の頃には散ってしまいますから、これくらいできっと丁度良いでしょう。

次はお着替えの場所。公民館に行って、空いているか確認。ここがダメなら他の公民館をあたらないと。着替え後、車で移動するので、多少の遠近は大差ないのです。
幸いにも、一番近いとこの茶室が空いていました。茶室は、水屋など分けて使うので、小間に仕切られているので、男女別に着替えるのに最適なのです。

今日の準備はここまで。

後は、人数が確定したら、お菓子の注文をして、お弁当の予約とか、飲み物の調達とか・・・

うふふ、お花見の準備って楽しい。

2006/03/24(金) 夏物準備
低気圧も通り過ぎたと思ったら「関東は気圧の谷にあって風が強いでしょう」との天気予報の通り、春三番の強風が吹き荒れています。
赤城降ろしの強いこの地方では、冬場から風は強く、自転車では前に進めない程にもなります。
今日は、車でも、横風が来ると、ハンドルをわずかに取られるは、信号待ちしてると、横揺れするは、となかなかのツワモノです。

南の方では桜の開花宣言も出て、梅が遅れた割には、他の花は順調で、我が家でも梅の散り敷く中を沈丁花が先、向かいの家の辛夷(こぶし)が赤く光りと、本来なら順番な花たちが一気に咲き揃っています。

こうなると、そろそろ「夏物どうしよう」なんて話も各サイトに出てきます。
盛夏の着物はずっと先の話でも、4月後半の羽織の生地は夏物の着物に使う紗とか紋紗。粋な人は昼の花見は紋紗の羽織で季節を先取りするとか。(花見は夜はまだまだ寒いので、洋服ならスキーウェアを着込むとかのレベルですが、昼間は結構暖かですからね)

着物に手を出す人は、
入門:   浴衣
第二段階: 冬物に化繊の袷か木綿
第三段階: ちょっといい感じの浴衣
 
ときて、「浴衣じゃない夏の着物」に入ってくるのかなぁと。
オデカケ系なら、シルックの夏お召し風辺りがオススメで、普段着系なら、綿絽、綿縮など綿素材。藍の単色染めなんかだと、いかにも「着物」って感じです。
もうチョイ上が「綿紅梅」「絹紅梅」。ここまでが大きくは「浴衣」の範疇で、襟をかけないと浴衣になります。
もう一つの選択肢が「麻」、「越後上布」に代表される、上等な麻生地は、江戸時代でも、盛夏の女性の衣類でした。これは高値の花として、小千谷縮の機械高機織の無地や縞なんかは、かなり手軽な価格です。

夏の着物に欠かせないのが、下着類や小物類。
下着も麻や麻混に慣れてしまうと、もう快適!
洗い換えを考慮して枚数を稼ぎたい場合は、着物売り場のソレでなく、オバサン下着の売り場の麻混楊柳地のシャツやズボン下、ペチコートがねらい目。そして、もっと安いのが紳士モノ。前ボタン開き半袖下着は男性モノでは割と普通にお目にかかれます。

襦袢も長襦袢も半襦袢も麻地がサイコー!
自力で作る気があるなら、お召しには洋服地の綿紗がねらい目。
ハリがあって涼しいし、当然洗濯が効きます。
どーして、ないのかしら、綿紗の襦袢。
襦袢さえ麻や綿を使っていると、化繊の絽や紗も比較的快適です。
逆はダメ。化繊の下着では上が化繊は論外、麻や綿でも暑い。

帯板も夏はメッシュ。但し、夏こそウェスト回りにはタオル必須。
面白いことに、ここの吸湿性を良くしておくと、体感気温が比較的下がります。汗のかきやすい場所なので、汗を吸わせて肌はサラサラにしておくのがいいみたい。「おぼろタオル」というガーゼ地のバスタオルかスポーツタオルが吸湿性も肌触りも最適。

優妃のより盛夏な室内着は、「夏こそ袴!」
下着は肌襦袢なしで麻半襦袢の上だけ。下は麻か綿楊柳のステテコ。
おなかには、おぼろバスタオルを巻いて。
(昔かから、お腹冷やすのはダメで、夏でも、ウェストなしのワンピースは着られない私。)
着物は麻混の白小袖か浴衣、膝より上になるように短く着付けます。
で、麻混の袴を穿く。
膝から下は麻の袴の一枚っきりですから、もー涼しいったら。

もっと暑いときなら、襦袢なしで、綿楊柳のシャツにすぐに白小袖で、袴。親には「下着姿」と言われ、さすがにこれでは買い物にすら行きません。
でも、関東一番の気温を叩き出す熊谷気象台のある土地ながら、この格好ならクーラーなしで過ごせます。なんてエコな私。
地球環境にもお財布にもやさしい。

2006/03/22(水) 学校崩壊、青田買い
昨日の新聞:
「学校が荒れる」とかといえば、クラスの落ちこぼれが原因と言われてきた。が、新聞によると、「受験ストレスを抱えた子が学級であばれて、授業にならない。当人は塾で範囲はクリアし、とどめに有名私立に合格していった」と。学校にだけ学業を依存している子に大したとばっちりを食わせていったという次第。
中学受験位でストレス溜まるような子は、先行き危ない気がする。
私立でやってく、ってのは、さらに長期戦。
知力、体力、精神力全て必要なんだから。
「受験ジャーナル」なんて、進学塾のCMを兼ねた広告誌では、「ブランド校のみ志望で玉砕する子が増加」なんてのも。中学受験させるなら、子供の頭のレベルの把握と見合った学校の選択って大事よ。
無理な目標はホント、辛いだけだし、よしんば入学できても、さらに辛い状況が待っているだけなのだから。
悪いことに、親の時代よりも受験戦争は激化し、親の母校に入れないどころか、当時ハナにもひっかけなかった学校まで偏差値上昇。
学校選びは容易ではない。

そうかと思えば、有名私立に複数校合格した子の携帯には女の子からのデートのおさそいが引きも切らず。なんでも、「将来有望な男の子には、早いうちにツバつけとけ」ということだとか。たかが中一にねぇ。
まぁ、有名私立行くような子は大方、大学には進学する。大卒で就職するのは、高卒や中卒で就職するよりは当然有利。
が、思うに、それ以上の「有望性」は保証できない気がするのだな。
なんせ、有名私立校卒の子だの、それどころか、東大卒の子だって友人にはいるが、「大卒で正社員で就職」というとこまでは確かだが、「大臣か社長か医師なら院長か」なんてのには程遠い。

そもそもさぁ、早いウチからツバつけたこと位しか取り柄のない当人は、「末は社長か大臣か」って男に釣り合う女なの?
「親は個人病院の病院長。結婚相手には将来の病院長を保証」なんて女性なら、幼馴染なら、なおのこと有利だけどね。
会話って、話すペース、話題が似通っていて成り立つものだから、デキる男と話せるってのは、デキる女でないとダメなんじゃないかと思ったりするわけ。

「中学受験。中高一貫私立校経験」な私は、同じ経験者と話すとホっとする部分がある。同窓会は言うには及ばず。
(って、面白いことに、殿は、高校で地元有名公立進学なので、この条件は満たしてない。私には、結婚の必須条件じゃないらしい。でも、このせいで、たまに意見がぶつかる。)

知人の東大卒の男性の奥さんって、みんな大卒。もちろん御茶ノ水大学やら有名私立やら。幼馴染でなくったって、男が社会人になって「将来有望」ってのが判ってから、相手を選んでも十分いい男が狙える位の女性達。

中一位から女の子に追いかけられて、いい気になってる子なんて、勉強がおろそかになって落第するかもしれないんだし。
大学までの彼女の座を独占できてても、野心のある男程、家柄のいい子に乗り換えること位、平気でしそうだし。
しかも、有名私立か校ら有名大に進んだ男性の大半は、いいとこ正社員で主任か課長留まりなのだ。中一の青田買いなんてリスクの方がよっぽど大きい。
いい男を捕まえたかったら、自分がいい女になることに努力をした方がいいと思う。
「女は馬鹿がいい」なんて言う男もいるけど、「阿呆には阿呆は勤まらない」(シェークスピア「十二夜」)なのだよ。男が望む「馬鹿」って、そういう意味だから。

2006/03/21(火) 平成復元 源氏物語絵巻を見る
今日のカテゴリはやはり「装束」でしょうか。
殿の会社は祝日は休日扱いではないので、いつものように出勤していきました。
姫は渡英中だし。
一人で、五島美術館に出かけることにしました。
絵巻物を見に行くのですから、ちょっと気張ってみましょうか。
というわけで、袖丈1尺5寸の黒地塩瀬に手書き友禅の飛び柄地の着物に、紅梅色の縮緬帯、萌黄の袴としました。

駅に行くと、折りよく、湘南新宿ラインが来ました。まずはこれに乗って渋谷を目指します。
渋谷駅でお昼をして、東横線に乗ります。この駅構造もなくなる予定だとか。
混んでいると思ったら、次の駅の代官山で大勢降りて、カラッ!
以前はほとんど乗降のない駅でしたが、今は注目のスポット。
自由が丘駅で大井町線に乗り換え。ここは乗り換え駅で交差していた関係から早くから立体交差駅となっており、幼稚園の時代から変っていません。でも、こちらにも「駅改良工事」の文字が・・・

上野毛駅で降りて、お屋敷街の間を抜けると五島美術館に着きます。
空いていると判りにくい道ですが、「らしい人」が並んで歩いていくので、丸判りでした。

入り口に「1時間待ちです」と貼り紙がありました。指示に従っていくと、外縁にまで椅子が並べられ、座って待つことができます。
年配の参観の多い五島ならではの配慮のようです。
持参してきた「よみがえる源氏物語」を見ながら、どの辺を注目してみようか、なんてやっていると、1時間弱はあっという間に過ぎました。
行列の最後の部分は立ち並びなのですが、反対の壁はグッズ売り場。元絵の絵葉書、今回復刻の絵葉書、原寸複製品などが壁に飾られています。何買って帰ろうかと、ここでも楽しく。

「行列は、順番通りにご覧になりたい方のものです。必ずしも、お並びになる必要はなく、好きな順序でご覧になって構いませんので」との案内者の言葉。
アドバイスをありがたく受け取って、行列には並ばずに、逆順で、隙間から覗き込む方法を取りました。
飾られているのは、元本のデジタル複写、以前の複製絵、今回の複製絵の3組で一つになります。これが全19組。また、五島美術館所蔵の原本や紫式部日記絵巻も公開されていました。

今回の複製画の特徴は、「科学的分析によって浮かび上がった文様の描き込み、貝殻粉(なんと言うのか)を利用した生地の質感の表現」など、原本が描かれた当時ほどこされていた技法を適用したことではないかと思います。

平安時代の暗い寝殿の中でほのかな灯台の明かりに浮かび上がる美しさには必要な技法かと。
が、場内は暗いものの、絵は明るく照らされて、そういった雰囲気は感じられません。ちょっと不満と思ってたのですが、ひょいと思いついて、目線を下げてみました。斜めに掲示された絵巻は、立って見ると、丁度真正面に見るようになります。
これを、斜めに見えるように目線を絵巻の下端まで下げます。
床に置いた絵巻を座った状態で眺める視点にあたります。
おお!銀色に光り輝く部分が浮き上がってきました。
二倍織物の浮き織り部分の絹の艶、透ける桜重ねも「薄ピンク」の単色でなく、「白地の表から紅の下の衣が透けてる」ように変ります。末摘花を訪れる源氏の足元の秋草にびっしりと置く露。うわー、うわー、一気に幻想の世界に。

お土産には、大型版の絵葉書一式と、元絵のレターセット。
レターセットといっても裏面一面にプリントしてるので、そのまま飾ってもいいようなもの。元からある定番品なので、五島美術館分しかないのが残念。
復刻絵をクリア・ファイルにしたのもあって、これも一枚。
今、会社で使っているのは、京都で買った、若紫の巻の絵だけど、この仲間が増えました。

この美術館はお庭もポイントです。坂というか崖に建てられた敷地なので、庭のここそこに急勾配の小道が走っています。一番下は池。
ここが五島家の別荘であった頃は、そのまま多摩川の岸まで何もなかったんじゃないかなと思います。
今は、住宅やマンションが立ち並び、川は全く見えません。
暖かな日差しの中、しだれ桜が満開でした。

そうそう、東京で、今日、桜の開花宣言が出ました。
梅が1ヶ月も遅かったので、桜はどうなるかと思っていたのですが、なんと、例年よりも早い開花とか。見頃は4月の9日辺りとか。
今年の一年生も桜の下で入学式を迎えることができそうです。

3月絵日記の続き


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