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2006/02/25(土)
綺陽会の宴会
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装束の会である「綺陽会」には、海外にも会員さんがいらっしゃいます。インターネットというのは便利なものです。 その方が、日本に帰国しているというので、早速に宴を開きましょうと。今日がその日です。
待ち合わせ場所は「新宿、紀伊国屋書店前」
土曜の夕刻です。似たような待ち合わせの人と、本屋に出入りする人で、入り口はごったがえしていました。 「こんなんで、見つかるかな?」と心配してたら、見たようなトンビの黒マントのひるがえるのが目の隅に留まりました。 無事合流。心配なのは、顔を知らない海外会員の方。合流できるかな。 「じゃーん!」と綺陽会で出版した本を取り出します。 赤の目立つ装束の波打つ本は絶好の目印。 袴姿が3人も揃って、この本抱えてれば、きっと目出つでしょう。
しばらくして、同じ本を抱えた方がこちらに近づいて来られました。 無事合流です。
今回、男性は全員洋服でしたが、女性のうち3名が袴姿でした。 この会は、お稽古以外に博物館を回ったり、宴会をしたりするときに、女袴姿を推奨しています。お装束が袴姿ですからね。袴の利便性はよーく知っています。 私は松葉色の無地、他2名は黒無地でした。うち一名はショート・ブーツ、他は草履に足袋です。 私ともう一名は、京都の幾岡屋さんで買った二月のかんざし「薄紅の梅」と「白水仙」をそれぞれつけていました。舞妓さん御用達のこの店のつまみ簪は秀逸です。髪型は、どちらも、日本髪でなく、高めに結んだポニーテールなので、かんざしはポニーテールの根元に2人ともさしていました。
1次会が終わり、二次会の店を物色しながら、移動し、交差点に至ったとき、「皆いるね」「へ?」「走れー!」、点滅してる青信号を駆け抜ける。「もー!何させるんですか」、一番後ろを走ってきた海外会員の方が「袴って、ホントに走れるんですね」と。 袴の利点の一つに、洋服と同様の歩幅での移動があります。走ったりもまぁできます。まぁ、お嬢様は、洋服でだって走るもんじゃありませんけど。かつて「袴姿ははしたない」なんて言われたのは、この辺に起因するのかもしれません。
暖かい日でしたので、正絹の長襦袢と長着なら、羽織も不要でした。 化繊だと羽織かコートの一枚。 洋服勢は男性で言うなら背広着てコートでした。 正絹の強みはこんなとこにもあります。手入れが面倒なので、「暖かい」なんて理由だけで、着ようという人は少ないでしょうけど、正絹もちはこういう点も享受できているわけです。
楽しい時間はあっという間に終わり、慌てて、電車に飛び乗る。 新宿駅構内を、ホームを、滑るようにかけぬけていきます。 なんか、後ろで、「あ、卒業式!」なんて声が聞こえたような。 夜遅くなので、駅からはタクシー。 この時期におきまりの「もしかして、卒業式ですか」とタクシーの運ちゃん。 まぁ、松葉の袴の上は、黒紋付にみまちがいそうな黒地塩瀬に加賀友禅のとび柄小紋、1尺5寸の少し長めの袖。
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