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2006/02/24(金)
真のインターナショナルとは
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日本人は、「インターナショナル」と言うと、西欧の文化をいかに習得しているか、を想像することが多いように思う。 背広やドレスがサマになってるか、ホテルで西洋料理を食べるテーブル・マナーが出来るか。もうしょっと進むと「ソシアル・ダンスができる」とか「シェークスピアを知ってる」「西洋史を知っている」といった相手の国の文化をかじっていることも含まれてくる。
相手のことを知っているのは、インターナショナルとしては大事なことである。が、逆に立場から見てみよう。そういった場では、相手は同様に私たち日本のことを知りたいと思うわけだ。
インターナショナルを標榜する人でも「日本文化」を語れない人ってのは、いたりする。片手落ちである。 が、日本の文化は当然全て日本語で、日本独自の習慣なので、例えば英語でこれをどう表現すると、相手に「理解」して貰えるのか。 案外と難しい。
伝統的な「わび・さび」、着物の色目と洋服の色目の違い。振袖は未婚女性のものだとか、男性の着物は地味色ばっかだとか。
色柄からすると、装束の方が外人ウケはいいように思う。二倍織物の華やかな色は、男性でも多種多様。文様自体もシルクロードを渡ってきて変化の比較的少ないものだから、「立沸はペルシャのアラベスク模様から日本でアレンジされていったもの」といった説明ができる。衣類自体が、古今東西の融合の結晶。 でも、装束は別の問題がある。「今は、誰がどのように着用しているのか?」という点。着ている人は着物以上に着ている人は少ない。皇族の神事や神職、一部の結婚衣裳利用を除けば極めて稀少。
ひなまつりも、元は流し雛で、人形はケガレを移す形代(かたしろ)としてのものだし、「桃」もまた災いを防ぐ。なので、説明しようとすると難しい。
3月後半に、我が家のお姫さんは、海を渡ってイギリスに行く。 ホスト・ファミリーへの土産には、ひな祭りの内裏さまを描いた「かわほり扇」に人形サイズの有職生地を使った扇袋を持たす。
英語そのものが中学一年で会話になりえるレベルに至っていないのに、その状態で、この土産をネタに日本を語れるか。 日本語でなら、装束について、歳には似合わないレベルに熟知してはいるのだが、それを「英語で語る」のは、難しい。
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