優妃 讃良の着物についておもうこと
ご感想は掲示板 http://bbs1.fc2.com/cgi-bin/e.cgi/12019/まで
ホームページ最新月全表示|携帯へURLを送る(i-modevodafoneEZweb

2006年12月
前の月 次の月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
最新の絵日記ダイジェスト
2017/01/22 着物買うのに、いくら以上だと「高い」?
2016/11/27 着物を頼むなら呉服屋で
2016/11/26 夏は暑くて、冬は寒い
2016/07/10 はいからさんが通る の 時代の袴
2016/07/09 はいからさんが通る

直接移動: 20171 月  201611 7 6 5 3 月  20159 8 7 月  20149 8 7 6 1 月  20139 8 7 6 3 2 1 月  201212 11 5 3 2 月  201112 11 10 9 8 7 5 月  201012 11 10 9 8 6 5 2 1 月  200912 10 5 3 月  20085 4 3 2 1 月  200712 10 9 8 7 6 5 3 2 1 月  200612 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200512 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200412 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200312 11 10 9 月 

2006/12/03(日) ファミリーセール
行き着けのチェーン店系呉服屋さんの中には、店員とお得意様向けにバーゲンセールを行う店があります。
以前に高級品展示会で並んでいた作家モノも、買い手がつかないままお蔵と行ったり来たりしていると、ここにやってきてしまいます。
もちろん、このフェア専用にも職人さんを呼んでいます。
当然のことながら、こっちはセール価格じゃないのよね。

いつもの担当さんと高崎店からの応援だというオバちゃんとの2人を従えてゴー!
担当さんは、着物の情報に疎いから別にもう一人付くのかもしれないけど、それとて、私のテキではありません。逆にかるーく講釈垂れてやれば、相手の話を聞くより早くその場を抜けられます。
そんなこんなで作家コーナーを通り抜け、お蔵入り商品の箱に行き着きました。
今回は90周年記念だとかで、「9x円」に因んだ商品付けをしています。
まずは「足袋 2足組 900円」化繊の足袋カバーですが、安くて便利。
次は「プレタ化繊仕立て上がり着物か半幅帯を2点で9千円」
プレタは余り置かない店なのですが、今回専用の入荷でしょうか。仕立て上がりは小売では1枚9千円が目安なので、気に入った柄があれば狙い目。幸いにも、2枚見つけたので、着物2枚ということで。
お蔵入りの反物達の箱の中からは、赤ワインで染めたような薄い葡萄色の絽の夏襦袢の反物が出てきました。
絽襦袢でこんな綺麗な色のを見るのは初めてです。
薄漂や薄緑はよく見ますが、薄紅系って珍しい。しかも、安易なら薄ピンク色なわけで、このようなひとつ捻った色なんて。

さて、最後、お勘定場に行く前に「捨て」作業です。
最初の方のコーナーで物色してた濃き色の無地や、手書きの加賀友禅の半襟なんかをここで破棄!
結局、先の絽の襦袢反物と化繊着物2枚、足袋に。
つーまーり、お買い得品だけって状態。
担当さんは、絽の襦袢より色無地の反物の方を買って欲しかったみたい。なんか利益率が違うのかな。

そんな状態で、カレンダーまで貰って帰ってきたのでした。

2006/12/01(金) 広襟 撥襟
着物には、広襟、撥襟(ばちえり)、棒襟という種類があります。

着るときに襟を半分に折って着るのが「広襟」
最初から半分に折って縫い付けてあるのが「棒襟」
半分に折るのだけど、裾の方が若干広くなるように縫ってあるのが「撥襟」。三味線の撥に似ているからこの名前があります。

一旦広襟に仕立てた後に撥襟に縫い付ける仕立て方もあります、

男性や子供の着物は大概、棒襟です。
成人女性の小紋や訪問着といった「染物、垂れ物」の類は広襟が一般的です。
同じ成人女性向けでも 逆に、普段着に属する木綿、ウール、銘仙、浴衣では、撥襟が一般的です。

但し、これは「一般的な仕立て」であって、地方により、家の風習により、はたまた、個人の好みにより、違っています。

一般に、広襟は、襟がふんわりとなるので、礼装用の見栄えが良いのだそうです。
体型的には、ふっくら体型の場合の胸元の納まりを良くするにも向いています。
また、逆にノッポの錨肩さんの場合、肩が張っているので、合わせが少なくなりがち。これを広襟の裾を広めに出すことで胸元の合わせを補います。

一方の撥襟や棒襟は、最初っから襟がとじつけてあるので、手軽です。
ですから「とにかくひっかけて着てる」という室内着や普段着には便利というわけ。
もっとも、慣れてしまうと、広襟だから面倒臭いという感じはしないんですけどね。

そう、私んちは、浴衣からウールの普段着、銘仙に至るまで、全て広襟で仕立てる主義です。
母方譲りの錨肩体型は、棒襟や撥襟では、動いているうちに胸元が崩れてくるからかもしれません。
重ね襟や重ね着すると、上が撥襟着物だと、よく時代劇の江戸時代の女性がしてるみたいに、下の襟がひろーくV地に見えているあの状態になっちゃう。
意図的にやる分には良いですが、白無地の半襟が広広と見えてるってのは、なかなか恥ずいものです。
しかも襟の縫い目に沿って縦シワが生じている。
広襟は、胸下位置でもう全開になるほど広げています。
広襟なら、撥襟のように胸元が開く心配はありません。
というわけで、普段着だろうが、浴衣だろうが、広襟希望なわけ。

男性は棒襟が一般ですが、撥襟にすると、腰のところで、脇に回る量がちょっと増えますので「納まりがよくなる」と言われています。
この辺も体型や行動パターンの都合で向き不向きがあるでしょう。

はたまた、最近発見したのは、道中着に使われる、襟とオクミを続けて仕立てる方法。「続きオクミ仕立て」とも呼ばれるようですが、店によって通じないので「道中着襟のこの形」と指定するのが一番確実でした。
オクミから襟に続いていますから、襟は広襟です。
身幅自体は、胸元辺りのオクミと襟のある部分では狭くなるわけなんですが、この分は、縦シワになっちゃう分らしく、どう着崩れても、いつもの着物のような縦シワは生じません。
この仕立て方は、「着物の仕立て方・頼み方」で細身、錨肩、胸薄い人向きの仕立て方として掲載されていました。
試してみたら、ナイスでした。

「襟先がないと、お端折り部分の引っ張りが弱くなる」ということなのですが、着崩れ自体が起きにくいからなのか、余り気にしなくても大丈夫でした。
って、まだ軽い生地でしか試していないので、重い縮緬なんかだとどうなんでしょうね。

そして、この仕立て方。縫うパーツと縫い代本数が普通の着物よりも少し少なくなるんです。
自力で仕立てるには、ちょっと楽。
襟先をビシっと直角にするのも仕立て師の腕の見せ所ですが、自作のときには、そんなことしなくて済む方が楽だしね。

体型によって襟の形は向き不向きがあります。
自分の体型に一番着易い襟を選んでみてください。

意外と着付けが楽になり、着崩れしにくくなることに気づくでしょう。


 Copyright ©2003 FC2 Inc. All Rights Reserved.