優妃 讃良の着物についておもうこと
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2006/12/01(金) 広襟 撥襟
着物には、広襟、撥襟(ばちえり)、棒襟という種類があります。

着るときに襟を半分に折って着るのが「広襟」
最初から半分に折って縫い付けてあるのが「棒襟」
半分に折るのだけど、裾の方が若干広くなるように縫ってあるのが「撥襟」。三味線の撥に似ているからこの名前があります。

一旦広襟に仕立てた後に撥襟に縫い付ける仕立て方もあります、

男性や子供の着物は大概、棒襟です。
成人女性の小紋や訪問着といった「染物、垂れ物」の類は広襟が一般的です。
同じ成人女性向けでも 逆に、普段着に属する木綿、ウール、銘仙、浴衣では、撥襟が一般的です。

但し、これは「一般的な仕立て」であって、地方により、家の風習により、はたまた、個人の好みにより、違っています。

一般に、広襟は、襟がふんわりとなるので、礼装用の見栄えが良いのだそうです。
体型的には、ふっくら体型の場合の胸元の納まりを良くするにも向いています。
また、逆にノッポの錨肩さんの場合、肩が張っているので、合わせが少なくなりがち。これを広襟の裾を広めに出すことで胸元の合わせを補います。

一方の撥襟や棒襟は、最初っから襟がとじつけてあるので、手軽です。
ですから「とにかくひっかけて着てる」という室内着や普段着には便利というわけ。
もっとも、慣れてしまうと、広襟だから面倒臭いという感じはしないんですけどね。

そう、私んちは、浴衣からウールの普段着、銘仙に至るまで、全て広襟で仕立てる主義です。
母方譲りの錨肩体型は、棒襟や撥襟では、動いているうちに胸元が崩れてくるからかもしれません。
重ね襟や重ね着すると、上が撥襟着物だと、よく時代劇の江戸時代の女性がしてるみたいに、下の襟がひろーくV地に見えているあの状態になっちゃう。
意図的にやる分には良いですが、白無地の半襟が広広と見えてるってのは、なかなか恥ずいものです。
しかも襟の縫い目に沿って縦シワが生じている。
広襟は、胸下位置でもう全開になるほど広げています。
広襟なら、撥襟のように胸元が開く心配はありません。
というわけで、普段着だろうが、浴衣だろうが、広襟希望なわけ。

男性は棒襟が一般ですが、撥襟にすると、腰のところで、脇に回る量がちょっと増えますので「納まりがよくなる」と言われています。
この辺も体型や行動パターンの都合で向き不向きがあるでしょう。

はたまた、最近発見したのは、道中着に使われる、襟とオクミを続けて仕立てる方法。「続きオクミ仕立て」とも呼ばれるようですが、店によって通じないので「道中着襟のこの形」と指定するのが一番確実でした。
オクミから襟に続いていますから、襟は広襟です。
身幅自体は、胸元辺りのオクミと襟のある部分では狭くなるわけなんですが、この分は、縦シワになっちゃう分らしく、どう着崩れても、いつもの着物のような縦シワは生じません。
この仕立て方は、「着物の仕立て方・頼み方」で細身、錨肩、胸薄い人向きの仕立て方として掲載されていました。
試してみたら、ナイスでした。

「襟先がないと、お端折り部分の引っ張りが弱くなる」ということなのですが、着崩れ自体が起きにくいからなのか、余り気にしなくても大丈夫でした。
って、まだ軽い生地でしか試していないので、重い縮緬なんかだとどうなんでしょうね。

そして、この仕立て方。縫うパーツと縫い代本数が普通の着物よりも少し少なくなるんです。
自力で仕立てるには、ちょっと楽。
襟先をビシっと直角にするのも仕立て師の腕の見せ所ですが、自作のときには、そんなことしなくて済む方が楽だしね。

体型によって襟の形は向き不向きがあります。
自分の体型に一番着易い襟を選んでみてください。

意外と着付けが楽になり、着崩れしにくくなることに気づくでしょう。


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