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2006/11/22(水)
着物の防寒対策
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今日はちょっと暖かくてショール位で済んでいますが、月曜日なんて、ビシビシに寒くてもうコートをひっぱり出してきました。
こうなると、化繊の着物は寒いんですよねぇ。 同じように見えて正絹の着物はやっぱり暖かいです。
東京の場合、正絹の長襦袢に正絹の袷の着物なら、肩先程度を被うショールがあれば1月位まで寒いと感じることはないです。 2月は日によってさすがに寒い日はあるかな。
「防寒」というよりは、塵除け目的な羽織や道行を重ねても暑くはありません。 結婚式や七五三といった訪問着以上でのお出かけなら道行を着用していきたいものです。
無難路線は「留袖までOK、小紋、お召し、大島でも可」という朱〜牡丹色の織り紋無地の道行き。リサイクル屋でも沢山出るので、安く買い叩かれるとか。サイズが合うならラッキーもの。 不祝儀用は、黒とか鼠、寒色系を利用します。上の赤系統のは×。
道行は移動途中での着用衣類なので、到着地では脱ぎます。 葬式や七五三の祝詞などで、寺社殿に上がる場合、ふきっさらしで寒いことがありますが、こういった場合も脱いでるのが基本です。 故人を送る際に外に並ぶときも道行やショールは着ません。 女性の正装は帯付き(羽織などを着ない姿)なので、羽織は通常は不可なのです
京都なんか「底冷え」しますから、行きすがらだって、道行にカシミヤのショールした位で全然不十分です。
こういうときには、着物から下で防寒対策するしかありません。 かなり効くのが「着物の二枚重ね」です。正絹の袷を二枚重ねるとかなり暖かいです。昭和の始め頃までは盛装の着物は2枚重ね3枚重ねとしていましたが、元々は防寒対策でした。 下に着るのは、白か江戸小紋や色無地等表地とケンカしない色柄のものを。 喪服の場合は、重ねるなら下は白と決まっています。さすがに白の着物を持っていることはないと思うので、こういうときは長襦袢を二枚にします。化繊の仕立てあがりの白襦袢でも重ねてると効果あります。 リサイクルの正絹白襦袢は安いので、あればめっけもの。
葬式は11月から2月の極寒期に比較的多いので、白襦袢は一枚余計に用意しておくと便利です。 街着着物でも着物でなく、長襦袢を着重ねるのもアリです。
東北地方とか、ビシビシに寒い地方だとか、着重ねできない場合の対策はこんなのもあります。
・長袖シャツを着ておく ・袖がゴムで縮めてある肌襦袢を着る。 肌襦袢は、袖なし、半そで、5分袖とあります。 この5分袖の袖口がゴムになってるは結構効きます。 ・ネルやメリンス肌襦袢を着る ・裾よけをメリンスや正絹鬼縮緬のにする。 ・洋服用5分丈防寒ズロースをはく ・レッグ・ウォーマーをする ・足袋を二枚重ねて履く 上からはく方は足袋ソックス、足袋カバーかワンサイズ上の足袋で
長襦袢は、化繊よりはメリンスの方が当然暖かです。 サイズの合わない小さいのでも、上にサイズの合う化繊襦袢を重ねれば、着物としての体裁は整うので、リサイクル屋で見つけたら、小さくてもゲットしておくと便利です。 着物を沢山持っている人でも長襦袢は余り数持たないことが多い上に下に着ているものなので、いたみやすく、リサイクル市場にも出回り難いのですが、出ると安い金額で出てたりします。私は500円で2枚ゲットしています。
先の2月の京都は、着物の二枚重ねに長羽織でレッグ・ウォーマーで行きました。以前は、着物一枚に道行にショールで死にそうに寒かったのですが、今回のいでたちでなら大丈夫でした。
東北地方だと、やはりこんなんじゃ足らないので、地元の方はウールやビロードの着物用コートを持っています。着物着て、羽織着て、コートを着ます。これでかなり暖かいです。
最近は、冠婚葬祭も室内の暖房完備のところで行われることも少なくありませんが、従来の家で行う、寺社で行うというところも少なくありません。冬場の着物姿で寒くないように、場に合わせて工夫して下さい。
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