|
2006/10/03(火)
誰が決めた1尺3寸
|
|
|
昨今、着物の袖丈は1尺3寸が一般的です。下手すると「そうじゃないのは非常識」なんて言われかねないことすらあります。
この寸法は、並寸(着物の仕立ての標準寸法)において、「身長の1/3」とかから導き出される寸法なので、並寸でない場合は、差異が生じる筈なんです。
はたまた、そもそも「身長の1/3」だって、どこから決まったのやら。
主婦の友社が過去の掲載記事を着物を中心にまとめた本を見ると、戦後の親の世代の着物でも、結構袖の長い着物が出ています。「主婦の友」のですから、対象は既婚婦人の筈。1尺7寸でしょうか、2尺あるでしょうかって長さです。
ちなみに、現在でも、京都の芸妓さんの私物の着物の袖も結構長いです。これは「美しい着物」最新号 秋号で見ることができます。
そういった昔の写真でも留袖とか、黒紋付の写真だと、1尺3寸程度ですから、その辺の習慣が訪問着や小紋の仕立て寸法にも波及しちゃったのかもしれません。 私の訪問着系統は1尺5寸と若干長めにしてあるのですが、黒紋付は1尺3寸です。母親に妙に力こぶで指示されました。
袖丈といえば、振袖も、昨今は大振袖ばっかりですが、以前は、大振袖は花嫁衣裳に用いるもので、普通(?)に着用する振袖は、今で言うなら中振袖丈でしょうか、2尺から3尺位のものも多かったようです。 なんか、袖丈に関して、画一的になり、選択肢が減ったという気がします。
|
|
|