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2006/10/02(月)
たかがシキタリ、されどシキタリ
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10/1が日曜だったので、更衣の初日。雨です。 冬服に着替えても寒い位。
秋になると、婚礼シーズンともなります。 10月、11月辺りってのは、一年のうちで、一番「お日柄の良い日」なんじゃないかと思います。 雨季ではないので、雨に降られる可能性は梅雨よりは低い。 他の節会も少ない。 着物なら袷が使えるので、着るモノに比較的困らない。
とはいえ、イマドキ、常識的に留袖だの振袖だのを、年頃に合わせてきちんと持っているとは限らない。 結婚するモノの親ともなれば腹を決めてレンタルや購入も考えるんですが、友人だの、微妙に遠い親戚なんて縁だと「手持ちの着物でどうにかならないかしら」とも考えたいところ。
まず、セオリーなお話。 両親だの親族扱いで出席する場合の既婚女性の着物は黒留袖です。 伯母とか従姉なら色留袖なども使えます。 長襦袢は白。帯揚げ、帯締めも白を使います。 紋は五つ紋。 独身女性の場合は振袖。 友人ならば、色留袖や訪問着、訪問着に等しい付け下げも可。 柄は吉祥柄などがより相応しい。 帯は袋帯か、袋帯に等価な錦糸遣いなどの名古屋帯。 襦袢は薄紅など、礼装用の薄色系統のもの。 帯揚げ、帯締めは、着物にあう華やかなもの。
更に、冠婚葬祭の慣習は、「その土地の風習」「その親族の風習」といったものが大きく影響します。 「妊娠中でもない限り、着物で出席すべきである」とか「先に嫁に行ったことを明らかにしないために、同年代の友人の立場で出るなら既婚でも振袖を着る」といった、一般的な冠婚葬祭マナーより限定された慣習を持つ場合もあります。親族はまずこの慣習に従うのが妥当ですし、慣習によっては、友人という立場でも制約を受けます。 夫の実家では葬式でしたが「家族以外は黒紋付は着ない。色無地は御隠居さん」というのもありました。 こんな風に、「着物を着る」ということ自体が格付けされていることもあります。
更に、「今回の事情」というのも出てきたりします。 夏の式などに多いですが、「両親も黒留袖は着ないので、他の出席者も留袖は控えて欲しい」なんて話など。
うかつに呉服屋なんかに相談すると、待ってましたとばかりに、高価な着物を買わされてしまうこともありえるので、バッチリとTPOに合わせせないといけないというわけではないですが、とはいえ、無視しまくって「手持ちのものなら何でもOKでいいじゃない」とばかりに、黒留袖にピンクの襦袢を着てたり、大島など紬を着てしまったり、バッチリ季節外れな「季節限定柄」の着物を着てしまうのは、やっぱりナンだなぁと。
礼装に着物を着るつもりならば、袷の季節ならいつでも問題のない吉祥柄を一つは持っていた方が良いです。 昨今は、大方の礼装は「吉祥柄の着物に、錦糸の袋帯か名古屋帯」があればことたります。婚礼なら既婚未婚を問わず、友人の立場でも親族の立場でも「まぁ、訪問着でも大丈夫でしょう」になります。 子供の節会の付き添いも卒入の付き添いも、訪問着は一般的に使われます。(厳密には「ジミ目の付け下げか色無地」だそうですが、そういう人を私は見たことがありません) いつも同じ訪問着を着ていても、特に何も言われないのは「一張羅」という考え方があるからなのでしょうか。洋服とはこの辺が違います。 ちょっと前なら、こういう着物は婚礼時に親が見立てて持たせてくれたものですが、今はそうとも限らず、好きな柄優先で買い揃えていたりして、肝心のオールマイティな柄を持っていないこともあるようです。 滅多に着ない礼装ですから、どうしても後回しにしがちなんですよね。 いっそ、結婚の最初の頃のことなら、腹決めて、訪問着を誂えるのも一手です。上に書いたように、着用機会はそれなりにありますから。
もっとも、式や宴自体も、伝統的な「挙式」「披露宴」形態から離れた「レストラン・ウェディング」だの「ガーデン・ウェディング」「洋館ウェディング」といった新式のものが登場して「何着ていけばいいの?」と頭がぐるぐるしちゃうのもあります。 こういう式形態の場合は、招待状にドレスコードを書いておいて欲しいものです。
ちなみに、ドレス・コードに「平服でおこしください」とか「インフォーマルで」と書かれていたら、普段着を着ていってはいけません。 「タキシードやイブニングドレスじゃなくていいですよ」って意味なんです。Gパンなんかで行ってはダメです。 洋服なら、フォーマルではないけど、うんとオシャレなワンピースとかスーツにステキなブラウスを合わせるなど。 着物なら小紋に織りの帯か気の利いた塩瀬の染め帯を合わせる辺り。 (一張羅の訪問着に、若干シンプルな帯を合わせるか、同じ袋帯でもお太鼓にスッキリ締めるなどでも、OKです) 男性は、背広に気の利いたネクタイ。 結婚式でも最近は稀にあります。友人中心の二次会などにはかなり多いです。 レストランを借り切っての友人向けの二次会とかならゴマカシも効きますが、ホテルで内輪のみの披露宴を会食形式でなんて状態だと、回りがおめかししている中で一人だけGパン姿ってのは、メチャ恥ずかしい状態ではないかと。 (ウチは、会社の同僚向けに、河原でバーベキュー・パーティでお披露目の「二次会」したので、このときはホントに「普段着で」でしたが)
親族は特に写真撮影があるので、記録が残ってしまい、結構後々まで口の端に上ることも多いので、要注意です。 逆に、きちっとした格好や行動でいると「こういうときにはキチンとできる人だ」と普段のいい加減さを大目に見てもらえるなんてこともあります。下手なとこで努力するより、身内での株を上げやすい機会です。
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