優妃 讃良の着物についておもうこと
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2006/10/10(火) 訪問着とは何ぞや
以前は、10月10日は「体育の日」で休日でしたが、最近の三連休化によって、昨日の移動しています。
でも、この日って、「晴れの特異日」として選ばれた日なので、移動しちゃったら、意味ないような気がします。
私のいた中学校では、10月の8,9,10日が文化祭だったのですが、10日が晴な確率は確かに高かったんですが、その前の8日とか9日とかって結構雨天だった記憶があります。そういう特異日です。
ちなみに、一番晴の確率の高い日は11月の3日なんだそうです。
明治天皇の誕生日であり、今も文化の日として残る祝日で、三連休化の影響を受けずに常に3日なこの日、実に縁起が良い日のようです。
ちなみに私の祖母の誕生日でもあり、今年生誕百年を迎えます。
親族で赤坂の料亭に集まるように計画中ですが、着物を着ていく予定。雨だったら、やーよね。

って、このような場に出るには格としては「訪問着」辺りが適切です。
同じ「生誕百年」でも「ナントカの理事長の」とかって、ホテルとかで組織で祝うような場合だと、また違ってきますが、今回は、親族だけ、しかも、長男夫妻、次男夫妻、長女夫妻に孫達夫妻とひ孫達って、チョー内輪だけの会ですから。
でも、場所は「赤坂」、昼とはいえレッキとした「料亭」のお座敷です。お部屋も一番良いお部屋を用意してもらいました。
Gパンを含めたカジュアル路線では来てほしくないっうか、そんな格好で来たら、思わず回れ右したくなるような門構えです。
「女性は留袖か色留袖、男性は紋付袴でおいでください」といったって、ひけを取らない場所です。

で、「訪問着」というカテゴリ。意外にも新しいものなのだそうです。
紋付、留袖などの「礼装」と「普段着」の中間の、「訪問時に着用するための着物」として想定されたものだとかで、今のように「絵羽付け、衿から肩や袖に柄のあるもの」とまで狭くなかったそうです。
格の高い小紋も江戸小紋も型染め友禅も付け下げもみーんな「訪問着」だったというわけ。
「お正月の元旦に着る着物」とか「お年始に着る着物」と考えれば、さもありなんです。成人式までの私の一張羅は型染め友禅かなんかの小紋柄でした。
今のお姫さんの着物も2尺袖の小紋。古典ぽい花柄の総柄小紋は、ちょっと見、総柄の絵羽柄にも錯覚します。十代の娘の着物としては、十分に「訪問着」ランクです。

「付け下げ」も、元は、「付け下げ小紋」という、上下方向のある柄を、肩を中心に、後ろ身頃も前身頃も上向きにするように配置する染め方を意味したのだそうですが、戦時中に「絵羽つけは贅沢だから禁止」というので、一計を案じた某呉服屋が、絵羽にしないで反物のまま絵付けする技法としてこれを採用したのが始めだとか。元々は「縫い目で絵がつながっていないから判断できる」というものでしたが、昨今のは、衿と身頃、身頃と袖、オクミから前裾後ろ裾と綺麗に柄をつなげられるものもありますので、仕立てあがった着物での区別は呉服屋でも困難だそうです。さすがに、びっしりと絵付けされた絵羽を付け下げで再現するのは無理なので、つなぎ部分の柄は比較的シンプルになりますが、そういったシンプルな絵羽付けの訪問着もあるので、結局は決定的な区別になりません。

ところで、最近は「絵羽付けの紬」だの「絵羽付けの大島」という織物系の絵羽柄の着物があります。「絵羽付け」といっても、織る時点で絵柄をつけるわけですから、正確には「付け下げ方式」です。
通常の通し柄の紬類や大島に比べると華やかで華麗なので、フォーマル・シーンに着れそうな印象がありますが、これは×。
「訪問着としても着用いただけます」というのは、お友達と美術館に行ったり、会食したり、というインフォーマルな「訪問」に使えますョって意味で、礼装に準ずる衣類としての「訪問着」には含まれないのです。

さて、何を着ましょうか。祖母の記念の日ですから、祖母が成人式に選んでくれた柿色の江戸小紋にしましょうか。一緒に合わせて誂えたた錦織りのお太鼓柄の名古屋帯なんて、イマドキ珍しいものを結んでみるか、それとも、帯は先ごろ手に入れたばかりのおニューの袋帯にしましょうか。
お姫さんのは、いつもの振袖にしましょうか。たまには袴でなく帯を上げましょうか。
あ、髪も上げたいな。久々に結ってくれる美容院に話をつけておかなくては。既に腰まである長髪は自力ではどうにもならない。


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