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2005/08/28(日)
京都のお茶屋というところは
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京都に行っていたのはもう一ヶ月前のことになる。 日記に書くには、詳細すぎるお話をいくつか。 今日は「お茶屋」の話。
滞在中に、ある人の紹介で「お茶屋」に行くことができた。 しかも、祇園甲部の。 花見小路に面している筈のその店は、ひどく判りにくかった。 地図を片手に行ったのに、なぜか通り過ぎてしまった。
戻りながら行くと、店舗と店舗の間に提灯だけを燈した、個人宅にしか見えない家がソレだった。提灯に店の名前が書いてあるっきり。縦桟の玄関扉もぴったりと閉じられている。 「これ?」 「これしかないよね」 よく見ると、玄関の扉の上に茶屋営業の許可札なのか、2x4cm程の金属プレートが打ち付けてある。「お茶屋」なことは間違いなさそうだ。
意を決して、引き違い戸を引いた。 更に奥にもう一枚引き戸。 そこを開けると、良い旅館のような玄関があった。 最初の扉を開けたときに、合図があるのか、既に数人の女性が手をついて待っていた。
思わず、引き腰。
後で聞いた話では、それは「仕込みさん」という、舞妓さんになる前の修行中の女性達だった。 この店は、場所を提供する「お茶屋」と、舞妓芸妓を提供する「置き屋」を兼ねているのだった。
この日の場所は「お茶屋バー」。待合に使ったりもするというが、そこだけで飲んで帰っても良い場所。 雑誌で、そういった場所を紹介していたりするので、このエリアだけは、もっと入り易い場所なのかと思っていたが、1階とはいえ、先のように玄関をくぐって、上がった奥の部屋である。 本式のお茶屋の場合は、「お茶屋バー」といっても、まさに「敷居が高い」。
かるく弧を描くカウンターが部屋の一隅を占めており、その奥に竹などを植えた中庭風のしつらえが見えた。 店の女将さんと舞妓さん、仕込みさんが立っていた。
舞妓さんの着物は黒地。この季節だから絽。下の襦袢も緋地の絽。透けたり、袂から覗くところがうっとりするような艶やかさ。帯は絽か紗か、これも見頃な夏の丸帯。 京都の着物産業のモデル役でもあることがよくわかる、季節に合わせた一級品の取り合わせでる。 つまみ簪は7月の祇園さんに合わせた団扇。このイデタチがあってこその大きなもの。
仕込みさん達は次の春頃に舞妓さんになる予定だそうな。 川惣氏の「黒椿」で見た、お披露目だけの姿なども見てみたいと思う。気の利くあの仕込みさんはいい舞妓さんになるだろう。
こちらのイデタチは、私と姫が浴衣姿。殿は洋装。 帰りに店の名の入った団扇をくれました。 いつかは、舞妓さんの名の入った団扇をもらえるようになりたいものです。気に入った舞妓さんが出来るといいな。
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