優妃 讃良の着物についておもうこと
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2005/07/20(水) 身丈と裄の寸法
本来なら今日が海の日。「三連休制度」だと、祝日と休日が同じくならないので、なにやら、祝日に対する敬意が薄れそうな気分。
本日から、熊谷の「うちわ祭り」の始まり。
京都の祇園さんと似たようなもので、神さんは、八坂神社から「お旅所」におでましになるのも同じなら、初日には縁日の「えの字」もないとこも同じ。山車は関東の武ばったところを反映し、熊谷直実など、武将を2m程の人形にして屋根に飾る。
山車の中で奏でるお囃子は、それぞれ、微妙に違う。
通りでぶつかると「叩きあい」といって、フォルテッシモで奏でる。しばらくすると、どちらかが相手のリズムにひきずられる。ひきずられた方が「負け」で道を譲る。「勝ち」の方は引き続きお囃子を続けて意気揚々と進む。

さて、今日のお題は「身丈と裄」
着物を買うなら、お誂えなら「ぴったりしたもの」、プレタでも、近いサイズのものを買いたいもの。
ところが、洋服と違って、体型でサイズが決まるとは限らないところが着物の不思議。

まずは「裄」。昔は「手を横に上げて、2尺ものさしではかる」だったが、いつの頃からか「手を45度に下げて」測る。当然、裄の長さは違ってくる。それどころか、「手をまっすぐに下げて、手首まで」という洋服並の測り方でないと、満足できない人もいる。
また、どちらにしても、一見、小柄な人でも、肩幅がある人などは、意外にも裄が長い。私よりも20cmも小柄な人が、私よりも裄が長いものを着ていると聞いてビックリしたことがある。

次に「身丈」。お端折りの位置によって、端折る量が異なる。高めなら多く、腰位置なら少ない。
着付けの本を見ると、ウェストで上げた上に更に、長い分をたくし上げるように説明している。マイサイズで仕立ててそんなに余るのかと、不思議だが、身長と同じ身丈で仕立てると、大方そうなるような着がする。
また、「からだの奥行きの厚さ」によっても、身丈は異なる。
薄い人なら、体の線に沿った長さと、床から肩までの高さはほぼ同じだけど、厚みがあると、高さよりも長くなる。

さて、私のマイサイズ。呉服屋で測ってもらうと、すさまじく巨大なサイズになる。
身丈4尺4寸(167cm)、裄2尺5分(78cm)
反物は通常1尺幅なので、キングサイズでもなければ仕立て不能。
一方、私の仕立てに出すときのマイサイズは
身丈4尺2寸(160cm)、裄1尺8寸5分(70cm)、身幅7寸。
余るのか、内揚げが入ってくることが多い。2寸くらいだから、4尺4寸になっても大丈夫なようにという心づもりなのか。

更に、お下がりやプレタ用の寸法は
身丈4尺〜(152cm〜)、裄1尺7寸(66cm)か1尺8寸(68cm)

私の着丈は135cmなので、4尺もあれば十分お端折りも取れる。
逆に身長通りだと、端折る分が30cmもあるので、かなり大変なことになる。

そして、お誂えのときには、必ず聞き返されるし、リサイクル屋では、「合うサイズはありません」と門前払いされたりしたこともあった。

なんで、そんな、身長に合わない短い着物の方が良いかといえば、ティーンの頃は母のお下がりしかなかったから。
母も164cmという、当時としては、えらく背の高い女性だったが、祖母は「そんな鬼のようなサイズ、頼めるわけないじゃない、みっともない」と並寸で誂えていた。当時は、相手の身長に限らず並寸で仕立てるのはそう珍しいことではなかった。
そんなのを着ていれば、その身丈の着物に慣れてしまうわけで、逆に、本来のマイサイズは、長くて着辛いという状態になってしまう。

ま、でも便利なことは沢山ある。
祖母のお下がり、伯母のお下がり、リサイクル屋の着物。柄が気に入れば、まずサイズを心配することはない。
150cmあったかという小柄な祖母、ふくよかな大伯母、洋服のお下がりは全く無理だが、着物なら全然問題なし。仕立て直しもせずにそのまま着ている。

気にしないといけないのは、襦袢。裄の違う着物に合わせてそろえる必要がある。襦袢はまずお下がり品にならないから。
並寸だから、既製品でよかろうと思うと、最近は、既製品のサイズがL寸中心になってて、「お取り寄せになります」なんて状態。
通販やネットショップで「M寸、L寸は即納します」とあっても、「S寸は割り増しです」ということすらある。「並寸」と呼ばれたサイズは今は「S寸」になる。

今は、背の高い人も増えて、身丈170cm以上、裄80cm以上なんてのを探す人も増えてきて、ワイド幅とか、クィーンサイズといった若干広幅の長尺の反物も出ている。
でも、着物にはまってくると、手紡ぎ手織りの着物にも憧れるようになり、そこで「仕立てられません」ということに遭遇する。

着付けなんて慣れだから、長い着物に慣れてきた人は、短い着物が着づらい。腰紐の位置は意外とずらすと不快なもの。
ちょっとウェスト位置に腰紐を結んだら、どうだろうかと試してみたのだが、なんと、生まれてこのかたできたことのない「アセモ」が生じて、かゆい目に遭っている。うそのような事態。

背の高い人は、着丈や裄に関しては「標準算出通り」で行くか、若干並寸に寄せるかは、考えてみることをオススメ。
後々、色々と不便なことが起こったり、便利なことができなかったりするので。

私のマイサイズなのは、黒紋付だけ。女モノの上等な羽二重がなく、男物(ワイドサイズ)を使うのをいいことに、裄2尺5分で仕立てました。襦袢も専用だからできること。

写真の着物と羽織は大伯母のお下がり品。
裄が1尺6寸しかないなんて、ちょっと目気付かないでしょ。


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