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2005/06/06(月)
反物って余る?
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「男の着物大全」で回答したものですが、面白いので、こちらにも掲載。 呉服屋さんによっては「あまり布でそろいの草履やバッグを作りませんか?」なんて広告がありますが、そんなに生地って余るものなのでしょうか? 私は端の商標を書いた10cm程度の部分位しか戻ってきたことがありません。よくて、半幅のが10cm位。これは、衿の生地が長くて余ったからでしょう。
さて、ちょっと計算してみましょう。 例えば、身丈160cmの女モノの着物を作るとします。 裾の縫い代を1寸(約3.8cm≒4cm)とすると、164cm必要です。身頃は左右前後ありますからこれが4倍です。 オクミ2本と衿+共衿で1本になります。オクミは身頃ー20が目安。 144cmになります。これが左右2本で倍必要になります。 袖は通常50cm。これも縫い代4cmで左右前後で4倍です。 164x4+144x2+54x4=1160cm この時点では12mの反物では40cmあまることになりますが、身丈が1cm増える毎に身頃とオクミが1cmづつ増えるわけですから、6cmずつ余り布は減っていきます。縫い代を各1cm増やすと10cm減ります。 40cmなんて、縫込みを4cm余計にするか、身丈を6cmばかり長くできるだけなのです。
また、小千谷縮をはじめとして織物の類は昔ながらの11.5mのもあります。私の小千谷縮は11.5mでした。 これだと、縫い代2cmに減らして、身丈160cmで余り布全くナシという状態になります。 内上げは男性の場合は12cm位ですので、身丈148cmが標準。少なくとっても済むので、156cm位までは対応できるんじゃないかと。
そうそう、単仕立の場合は居敷当て(45cm)と肩当(50cmx2)も必要です。居敷当てでなく、腰下全体を二重にするとなると、もっと長く要ります。透けない場合は胴裏やサラシも使えますが、透ける生地では共布が望ましいです。
大方の場合、反物が何mあるかは確認しないし、書いていないことも多いですが、1着ができる長さに織るのですから、本来は余りは出ないものです。
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