優妃 讃良の着物についておもうこと
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2005/04/27(水) 能を見る初心者の条件
先日、能見物の記事を書いたところ、お便りを頂きました。
それで思ったことが「初心者といえども、最低これだけは必要」な何かがあるのではないかと。そして、昨今の現代人の場合は、かならずしも、それを持っていないことも十分にあるんじゃないかと。

ポイント1 話を知っている
今回見た「橋弁慶」は童謡「牛若丸」で有名な話です。私と殿は歳の関係で当然知っていて、お姫さんも、保育園で習いました。
今年の大河ドラマ「義経」を見てる人なら、知ってるかも。
でも、日本国民の全員が、知ってるのでしょうか?
能の演目で多いものに「源氏物語」「平家物語」「義経」ネタがありますが、これらも「知ってて当然」ではなくなってきているでしょう。例えば「安宅(あたか)」、その名を知らなくても「歌舞伎の『勧進帳』」といえば、「ああ」と言う人もいるでしょう。でも「勧進帳ぉ???」という人もいるでしょう。
「能の『安宅』は知らないけど、歌舞伎の『勧進帳』なら知ってるわ」という人には『安宅』は初心者向けです。
これから見に行く予定の『羽衣』もうちの一家は話を知っていますが、さて、世間一般的に天女の羽衣の話は既知なものやら。
というわけで「話を知ってる」という点で初心者向けポイントになるわけですが、知らない人にとっては、このポイントは加算できないという次第。
ポイント2 文語文、古典文がわかる
中学まで出ていれば、「古文」の授業で、何がしかの古典文には触れている筈ですが、英語と一緒できれいさっぱり忘れきっている人の方が多いです。
私の場合、教会で賛美歌歌ったり、大学の合唱団でミサ曲などを歌った経験があります。この歌詞が文語文なんです。(最近は「言文一致運動」とかで、聖書も詩篇も賛美歌も今の話し言葉調に変わってしました。) というわけで、文語文にはちょっと慣れています。
また、個人的に平安女流文学などを読んでいるので、この辺でも慣れがあります。お姫さんも少しは読むので、同様。

普通の人の場合、古文、文語文になった時点で、「外国語と一緒」な感じに「何言ってるかわからない」になるでしょう。私の母親なんかがそうです。賛美歌の歌詞すら意味不明で、能の謡は全然聞き取れません。
ポイント3 動き、舞がある
今回の『橋弁慶』には、弁慶と牛若丸の丁々発止がありました。また、狂言方の出番も動きが多く、それだけで、何をしているのかわかりやすかったです。
そういう意味では、舞中心の『羽衣』『石橋』『土蜘蛛』などはその対象かなと。大学時代に始めてみた能は『小鍛冶』でしたが、前段の話しは全然わかりませんでしたが、後段の相槌を打ちながら刀(?)を仕上げていくところはわかりました。

動きの大きい場合、演者の言葉は短く、動作とあいまって、何を言っているのかがわかりやすくなります。
ポイント4 子方が出てくる
『橋弁慶』で実感。子方さんはいるだけで、飽きません!
弁慶もので、子方のやる稚児がずらーっと並ぶ能など、見ているだけでうっとりしそうです。(この演目名何なのだろう?)
ただ、内部の方のお話では、いい子方さんがいないと、成り立たない演目なので、上演されにくいものなのだそうです。
今回の『橋弁慶』や『烏帽子折り』などは牛若役はシテに匹敵する役なので、まして子方さんを得にくいとか。

といわけで
さて、読まれた方、どこかの年間番組表みて、これらのポイントを獲得できそうな演目がありましたでしょうか?
因みに定期演目の中では私でも全滅です。

これからの能公演の予定演目の例
観世九皐会: 『鵺』『杜若』『大江山』『雲雀山』『鵜飼』
室生会: 加茂、草紙洗 須磨源氏、三笑、六浦、阿漕、枕慈童、半蔀、熊坂、敦盛、井筒、鵺
五雲会: 氷室、歌占、雲雀山、大江山、岩船、経政、柏崎、紅葉狩り、巻絹、女郎花、花筐、舎利、三輪、忠信、班女
銕仙会: 隅田川、熊坂、忠度、一角千人、野宮、車僧、班女、経正、白髪、玉鬘、雷電、三輪、玄奘、
杜若、融、楊貴妃、采女

この中だと、見たいなと思うのは「紅葉狩り」「一角千人」。これも「花よりも」の影響。
全然わからないけど、姿の華麗さに見てみたいと思うのは「枕慈童」。でも、この辺はチケット取るかわかりません。

『小鍛冶』で「見れなくはない」と思い、『影清』で「やっぱり能は寝ちゃうわ」と思ったヤツが『橋弁慶』で「おー、面白いじゃないか」と豹変したばっかの、初心者なヤツです。
これから見ていく番組で、感じたことを書いていきたいと思います。

「能って何」を楽に知りたい人に
オススメは成田美奈子作の「花よりも花の如く」今3巻まで出ています。主役の憲人が若手シテで、演じる話の中で、一番の悩みドコロをネタにストーリーが展開するので、アラスジやサワリを知ることができます。
(なもんで、全然初心者向きじゃない「天鼓」なんかも見たいと思ってしまう)
衣装からはいっちゃおうという人には、淡交社刊『演目別にみる能装束』。「衣装が綺麗なら見れる」という私の様なアホーが演目を決めるのに便利な一冊。

2005/04/26(火) 聖アリス帝国
美内すずえの描いた「聖アリス帝国」というマンガをご存知ですか?今だと文庫本にもなっていますので、立ち読みしても面白いです。
あらすじは、聖アリス学園に転校してきた主人公が、学園内で起こる事件に巻き込まれたりする、一種のコメディ的作品。

で、この学校、すごーく校則が厳しくて、イデタチも、制服必須などころか、髪の長さやまとめ方から、ヘアピン、リボン、ゴムの類まで制限がある、「きびしすぎーる」規則のオンパレード。
特待生と呼ばれる生徒達には、その規則が緩和されるので、差が強調される。ネックレスして胸元開けた男子生徒なんて、いるわけないじゃん、と思った当時。いまだと、イケメンの男の子にそんな格好させると、素敵なんだけど。

自分が校則のほとんどない、私服の学校だったこともあって、「こんな学校あるわけないよね。極端にしてるんだよね」と思ってたら
  :
  :
お姫さんの行く学校は、なんと、聖アリス学園バリの服装規定でした。
・学校に来る際には、平日休日問わず、制服を着ること
   (この辺は、制服のある学校では、当然)
・地毛意外で薄い色(茶髪とか金髪とか)に染める、カールは禁止
   (これも当然かと。外国人も生徒としているので、地毛はいる)
・髪形は、男子は短髪(ボーズでなくても良い)、女子は肩までか、それ以上の場合は1つか2つにしばること
   (これも当然なこと。男のボーズ頭や女子の三つ編みオサゲを指定する学校より、ずーっと緩やか)

次なんだな。
・髪留め、ヘアゴムは黒、茶、紺、臙脂を使うこと。リボンは不可。
   (ヘアゴムの色まで指定するとは!聖アリス並み
    水色のヘアゴムを注意されたとか)

・登下校時の寄り路を禁ず
   (もしかして、普通に書かれている事項かも。
    ただ、最寄駅近辺の本屋やハンバーガー屋に立ち寄る生徒は目撃していない。うちの近所の駅構内の本屋に寄っている子は目撃した。何か問題を起さない限りは本屋、文房具屋、CD屋、ファンシー・ショップ辺りに寄り道するのは差し支えないように思う。カラオケ屋などへは、私はやっぱり止めて欲しいと思う)
今日、姫は、帰り路に、いきつけの本屋兼文房具屋でレポート用紙を買って帰って来た。
住宅地内のその本屋、店舗面積20畳程のいかにも「小売店」な店。現在の駅から家への帰路であり、小学校時代にも学童保育への下校路にあたり、ノートなど文房具を調達してきた店。トドメに両親の帰宅が遅いときには、保育園の後に預かってもらったことも数回ある、ほとんど親族並みの店。私としては、この店は着規定対象外かなぁと。

過剰反応する殿は、その本屋とても寄り道すべからず、なんて、言っているが、制定された本義を考えれば、そこまであれもこれも、ではないと思う次第。

・携帯の持参を禁ず
  (入学前の説明では「持参は可。校内での使用を禁ず」だったのが入学式の説明で「持参を禁ず」に変更に。
教師曰く、「あれば、見てしまうし、メールなどもやりとりしてしまうから」とのこと。上級生でやらかしたバカがいるのでしょう。随分と自制心のないのがいるものです。
続けて「今まで、持参せずとも、問題はありませんでした」。そりゃー、そうでしょう。ほんの少し前までは、子供に携帯電話持たせるなんてことはしませんでしたから。そして、それで済むお宅の子供が来てたのじゃないかと。
なんせ、生徒の大半はココ大宮に向かって、都内から下り電車でやってくるのです。上り電車で登校する生徒はごく僅か。
「最寄駅を降りたら、バスもなく、自転車か徒歩か親の車送迎」なんて環境に住んでいる生徒は片手で数えられるかもしれません。
しかも、親も共働きで家にはいない。
また、大宮まで来ていれば、都心までも近いので、平日の能狂言やコンサートにも待ち合わせで親子していける。が、ドイツもコイツも、時間通りに来れる保証のない状態。時々刻々と待ち合わせ場所も移動していきます。携帯なしでは、とても無理。
というわけで、週末に購入したPHSはカバンの底に沈められて学校に持っていっています。校内にいる時間帯にかかってくるような相手はいませんし、「インターネットは自腹ね」と脅してあるので、ネットもみません。帰宅して家のPCなら姫は支払い不要。
もちろん、広告メールが万が一来るとマズイのでマナーモード。
PHSは全然広告が来ないので安心ではありますが。

帰宅時間になって、メールがやってきました。「レポート用紙かうので、寄り道するね」と。「どこに寄るの?」こちらも返します。一回10円が何度か行き来して。公衆電話の以前よりずっと低額で、わかりやすくなりました。

先週のように、帰りに東京に行くのに、忘れきって帰宅しちゃう心配もなくなりました。メールいれておけばいいですから。
土曜の午前授業を終えて、そのまま京都に行く予定も入ってきました。携帯の威力はマスマス発揮されそう。

2005/04/25(月) ここは保育園?
各科のオリエンテーションも終わり、やっと授業に入ったようなのですが、ここの学校、意外なことを教える時間がありました。
*体操服のたたみ方:
  制服で通学、勉強するので、体育の時間には体操服に着替えます。
  で、脱いだ制服の畳み方と、体育後の体操服の畳み方を教わったと。
  お姫さんは保育園時代に、着替えを畳むことを教わりましたが、幼稚園卒の私は幼稚園では教わりませんでした。この学校には制服や体操服を畳めない子がいると見られているようです。
*整列の仕方、点呼の仕方:
  少しはやるのは判りますが、何回にも亘ってやってる。
  これもお姫さんは保育園時代。私は小学校時代に習得。
  最近の小学校じゃ教えないみたいですね。
*テーブル・マナー
  高校何年生かでの体験実習の一つです。
  お姫さんは保育園時代に習いました。卒園の謝恩会では、
  フランス料理風なものを席についてナイフとフォークで。
  でも、私は小5で親から、殿は就職後に講習会受講なので
  普通には、知らない生徒の方が多いのかもしれません。
*他
  携帯を持ってると授業中でも見ちゃう子がいるなんて、
  何なんだとか。そういう子って授業中にマンガも読む
  んだろうか?私の学生時代には携帯はなかったので、
  想像のつかない行動です。
  ドラフトのときに休み時間毎にラジオで確認したり、
  公衆電話に走ってた子はいたけど、その子達だって、
  授業中にはそんなことはしてませんでした。

*生徒心得
  色々な規制は、「生徒心得」という形で、生徒手帳に何ページにも渡って記載されています。
  私の学校のは「学則」という一つ規制レベルの高いものでしたが、たった3行が1ページの上の方に書かれてるだけで。
  でも、姫の学校の「生徒心得」に書かれているもののほとんどは、私の学校では「常識」でした。「教師、先輩には敬語」など、書かれてなくても当然でした。何故か、部活の先輩は躾け役でした。各学年が集まる委員会での口調なんかでバレるので、段々と身についていくのでした。

  私の学校は「規則が少ない」ので、有名な学校でしたが、お姫さんの「生徒心得」のほとんどは、「書かれてなくても、常識的にするもの」でした。実際には、「してはいけないこと、しなくてはいけないこと」は沢山あったんです。でも、それは「規則」ではないので「タシナミ」とか「常識」として行っていました。
私の学校以外な何故、こんなにもコマゴマと書き記すのでしょうか?また、なぜ私の学校はかかなくても、実行できているのでしょうか?不思議です。

私の学校では、髪をカールさせるのも流行りました。昨今なら茶髪だっているでしょう。軽い化粧やアクセサリ着用もしてました。私服なので、色々な格好がいました。教師の話しでは、ミニスカとルーズソックスも流行ったそうです。
でも、私の母校特有の傾向は「頭の良い子ほど派手である」。
下の方は勉強に手一杯で、気の利いたファッションのコーディネートだとか、髪染めや化粧に使う時間がないんです。そして、定期試験が近づけば、さすがの上位ランクの子も地味になっていく。結構「勉強優先、時間が余れば、おしゃれに使う」傾向でした。他の学校には余り見られない傾向だとか。何でそうなるのかは、全く判りません。強いて言えば、「オシャレや趣味は現実逃避の手段ではない」なのかもしれません。普通、勉強が出来ないとおしゃれや趣味にウツツを抜かします。うちの母校は、そういう子は少なくて、「やることやってから」が多い。私立ですから、下限でも、そうひどいレベルではないからとも言えますが、それなら、他の進学系私立だってそうな筈。不思議。

2005/04/24(日) 大宮におでかけ
今日も良い天気です。
これでは、単に絽の襦袢でも暑そうです。
というわけで、「周りが眉をひそめても、倒れるよりマシ」と初夏なイデタチで行くことにしました。
(某病気療養中にて、暑いと、めまいを起したり吐き気をもよおしたりします。)

行き交う人の洋服も、いわゆる「四月後半の服」ではなく、5月も後半か6月かという状態。着物だって、気候に合わせて何がいけない。

というわけで、本日のイデタチは、薄鼠地に明石縮み風の長い矢羽柄を黒鼠で描いた、化繊プリントもの。明石縮みほどは透けない「夏物」というよりは「初夏前単」か「初夏向け薄物」といった雰囲気。これに松葉の袴。そろそろ袴も絽を出して良い感じです。足元は白足袋に黒エナメルの草履。

目的はお姫さんのPHS購入でしたが、ついでに両親の分の機種変更もしてしまいました。
殿が「社員グレー」(単なるシルバーだけど、いつだったか、携帯のコマーシャルで見てから、我が家ではシルバーを「社員グレー」という)、姫が紺、私がダークレッドこと蘇芳。

そして設定ができる間に、西部の上のジュンク堂(本屋)に行きました。池袋や新宿の店は行ったことがあるのですが、大宮は頻繁に行っている割にそごうのある方ばっかりに足を向けているので、初めて着ました。
ジュンク堂は、図書館並の品揃えが好みなところ。

先日見たお能の関係からは、「謡本『橋弁慶』」「対訳で楽しむ『羽衣』」
着物関係は「日本の美術『小袖』」
装束関係は、平安時代の文化関連の選書。装束が載っている巻を。

こんだけかったのに、更に、そごうの上の三省堂書店で
「泉鏡花」の文庫本マンガ版
「姫君の条件」(全然、能とも装束とも無縁のファンタジーマンガ)
「あさきゆめみし ガイドブック(?)」(「あさきゆめみし」のガイドブック。「源氏物語」に対する「源氏物語必携」にあたります。って国文学の人でもないと「必携シリーズ」知らないかな)
「遥かなる時空の中で3 源平早分かりブック」
TVゲーム「遥か3」関連本ですが、「義経」ブームも兼ねて、源平合戦のわかりやすい解説本です。
「遥か1」のときには「平安まるわかり」が出てました。

そして、アニメメイトに行って、携帯電話に必要な「脇見ガードシール」や「携帯シール」を購入してきました。
ブロックシールは「鋼の錬金術師」からロイの練成陣模様。
外に貼る方は、表は「遥か」の友雅、裏はロイの練成陣。

前の携帯と形状が違うので、お洋服を作ってあげなくては。
2つ折りタイプなので、ちょっと凝ったこともできそうな。
ワクワクなしばらく。

2005/04/22(金) のうのう講座
さて、お能の日がやってまいりました。
気になるのは、本日、箱根のオリエンテーリングから戻ってくるお姫さん。「学校についたら、連絡するのよ」と言っておいたのですが、覚えているのやら。
殿は殿で「オレも行くだったっけ?」と会社の午後の予定を確認してTelしてくると。
幸い、殿の方は会議の予定もなく、おそらく、飛び込みの依頼は全て蹴って、やってきました。

そして、お姫さん、綺麗さっぱり忘れていて、家の最寄駅まできて電話してきました。「すぐに、電車に乗って大宮まで戻ってこい!」

なんて、どっすんばったんとやっていたので、「自由席の整理券の配布は5時から6時です」なんてのには、全く間に合わず「開演6時半」にも、間に合わない状態でした。
「最後んとこ、一方通行で入れないから」というタクシーの運ちゃんが降ろしてくれたとこは、場所不明で、そこから迷う。
6時40分程にやっと到着。

矢来能楽堂というのですが、住宅地の中に、住宅な顔して並んでいる。灯りのついた表札に代わりに「矢来能楽堂」と光っているので、判る程度の。手前が家元のお宅。奥が能楽堂です。

舞台の周りの椅子席は指定席。今回の自由席は、その後の桟敷です。前二列は座布団、その後3列が椅子ですが、靴を脱いで桟敷に座ります。開場に遅れたので、バラに座るしかないかと思ったら、座布団席の二列目が「取って置きました」と言わんばかりに3つ空いているのです。しかも、正面位置の。
殿は胡坐、お姫さんは平安女性風の片足立て、私は正座で観覧。

今回のは普通の能の番組とは異なり、「のうのう講座」というものでした。最初に解説があり、弁慶の衣装の着付けを見せて、休憩を挟んで「橋弁慶」が上演されました。
「橋弁慶」は能の謡(うたい)の稽古では最初に行うやさしいものだそうです。
成田美奈子作「花よりも花の如く」で、主人公の子方時代に演じた際の話しが描かれていたので、所作もちょっとは知っている。

登場人物はシテが弁慶、子方が牛若です。他に狂言方が二名、ワキが1名。地謡は4名。お囃子は小鼓、大皮、笛。

最初は、弁慶と侍(?)が「昨今、五条の橋は物騒だ」という会話をします。地味なスタート。
次の場面は狂言方が2名で「五条の橋で斬られかかった」と大騒ぎします。
最後の場面は、しずしずと子方の牛若が刀を手に薄衣を被って登場。子方は振袖なので、白と紅の横段に花を織り上げた衣装がかわいい!しかも、子方サイズのちっちゃいとこもまたラブリー!!
よくある「京の五条の橋の上・・・」と歌われる話では、悪役は弁慶ですが、この能では、辻斬りなのは牛若の方。
そして、今晩限りで寺に上がるので、辻斬りは今日が最後と出てきた次第。

弁慶が着替えて登場。噂に聞く五条の辻斬りをやっつけてやろうと。そして、牛若と丁々発止の場面。
やがて、弁慶は、牛若に負けて、家来にして下さいとかしずいて、終わりになります。

話は判りやすいし、ダイナミックな所作で、初心者にはとても嬉しい判りやすさ。

学生時代に見た、上野文化会館での能、熊谷会館での能に比べると「実際の能楽堂」の方が舞台まで近いし、判りやすい番組だったので、楽しい夜となりました。

「羽衣」のチラシが入っていたので、お姫さんは「次、これ行きたいなぁ」と。羽衣の話しは簡単ですし、天女の舞が主なので、これも初心者には見やすいもの。

さて、本日の着物:
白と萌黄の白鷹お召しに、黒地に前は薄紅で観世水、太鼓には赤童子を描いた名古屋帯をしました。観世流のお能にうってつけ。
羽織はすける紗の長羽織。こういう時期のものです。
足袋は白、草履は白オパールの台に花田色の鼻緒。

帯の写真はちょっと待ってね。これは見せたいので後日撮影してアップします。

2005/04/21(木) クロネコってば!
昨日の雨も上がって、朝方の湿気ていた空気もお日様に段々と乾燥されてきています。

明日、能に行く予定で、随分と前に申し込んだのですが、一向にチケットが来ないので、問い合わせたところ、「クロネコ便は表札に出ていない所には配達しない」ということで、戻ってきてしまっていたのだそうです。更に、入学手続きや何やらで出歩いていたので、電話も通じず(留守伝に入れておいてくれれば良かったのですが)。トドメに、何故、メールまで未着に?

という見事な不運の重なりによって、キャンセルされてしまっていたのでした。

幸いにも自由席のチケットが残っていて、こちらを取り置きして下さるとのこと。あー、助かりました。

黒ネコってば、融通が効かないこと。今後注意です。
郵便メールは「xxさま方」でちゃんと着くのに。


着てくものだって決めてあるんですもの。
形見の着物の山の中に黒地に能装束姿を人物を描いた帯。
能観賞に行くのでなくて、何処に来ていけというような帯。
着物は、「美しい着物 春号: 舞台を見に行く着物」によるとお召しなんかが良いと。お気に入りの白鷹お召しで行きましょうか。単仕立てなので、この時節向きです。

愚痴垂れはお姫さん。着物を着ていく予定(なんせ2月の後半に申し込み)だったのだけど、明日は学校の行事、箱根でのオリエンテーションがあるので、その荷物を抱えての帰宅日。とても着物までは積めません。「今回は制服で行け」と。

そう、お姫さんは昨日から2泊3日の箱根行きです。
行きの服装は制服、ハイキングには体操服を用いるとか。
んで、毎回興味津々の「寝巻き」は今回の指定は「Tシャツの遣い回しは禁止」とだけ。意気揚々と白小袖を持参していきました。

2005/04/20(水) 結城紬の
ネタは昨日のお話。
下駄コーナーの裏は「結城紬グッズ」コーナー。
洋服の上に着られる、上っ張りとか、作務衣、細かいところでは、ブックカバーとかトーとバッグととりどりに。
その中に申し訳なさそうな顔をした結城の反物達。
3反程は掛けられて、その前には雑駁に積み上げて。

で、何が「雑駁に」なのかというと、伝統手工芸品な「本結城」も何のシールも貼られていないのも、一緒くたに積まれている。
無銘なのは、高機の機械で織ったものだという。
「紬」シールは貼れる筈なのに、「結」のいざり機ものを出すこの工房は「結」じゃないものには、全くシールを貼らない。
イマドキの反物といえば、伝統シールでもなんでもないブランドシールなどまで貼るものだから、何にも貼られていない反物は、なにやら新鮮というか、江戸時代っぽいというか。

問題は「積まれているのを見ただけでは、区別がつかないこと」
聞くと、全く同じ工房の中で、いざり機も高機手織りも高機機械織りも行われているのだと。
だから、染の色も同じなら、柄も同じ雰囲気。当然なこと、染も絣括りも同じだから。開けばシールで一目瞭然だが、見ただけでは無理!
触れば、機械織りは、糸のハリが強いのでシャキっとした感触があるが、糊を落として小物に仕上げたものを触ると、「わからーん!」(小物は当然、機械織りの結城を使う)
機械織りでも100亀甲もする凝った絣括りをしてあると、40万円なんて値が付いている。絣括りも織り並の技巧だものね。
機械織りのくせして、経糸にまで玉糸の入ったのまであって、じっくり見ても、わからない。(玉糸が緯糸だけなのが機械織りのチェックポイントの一つ。いざり機のは経緯共に玉糸を使う)

街角ですれ違う人のを「あら、いざり機の結城ね」とか「機械織りだけど、いい柄ね」なんてわかる人って、やっぱりスゴイと思う。結城を扱う商人や職人さんは、わかるのだそうな。
経験ってスゴイと思う。

私の持つのは、「結」物を織る会社の機械織りの結城。
織りは機械だけど、絣は「結」と同じ手括りだという。
糸括りが一箇所飛んだので不良品の二束三文。
(糸括り1箇所といっても、繰り返し柄なので、7箇所に難点)
でも、形見でやってくる着物達の絣のズレに比べると、無視して仕立ててもいいんじゃないかと思ったりする。

2005/04/19(火) 下駄をすげなおして
最近はお姫さんの登校のため、6時起きです。
朝方は寒いくらいの気温だったのに、気温はドンドン上昇して、10時ごろには「初夏?初夏って言っていいよね」という気温に。
洋装の人は、半袖のTシャツなんか着ちゃって、もう夏夏しています。
着物はねぇ、季節にキマリがあるから、まだ長着は袷、羽織を紗の単にすると「先取り、粋だねぇ」なんて言ってもらえるでしょうが、既にそんな格好では暑くて倒れます。

というわけで、今日の着物は、絽の長襦袢に縮緬の衿をかけて、単のお召し、袴は冬物の単。まだ透ける衣類を身に付けるわけにはいきません。(って、大胆にソレくらいしたって、この気候なら許されてもいいんじゃない、って思うョ、ホント)

八木橋デパートに寄ったところ、以前下駄を買った店が出ていました。丁度その下駄を履いていたので、これ幸いとすげなおしてもらいました。前の部分は、履いていると、どうしても緩んできてしまうのだそうな。ギリギリと裏から引っ張って、直してもらいました。前がぴったりして歩きやすくなりました。
一般的なのか、初心者向けなのか、私の場合、普通にすげてもらうと、ぶっかぶかです。前も脇もぎーっちりひっぱり込んだ形にします。履きなれていない人には指も通らないきつさです。
足の形状に合わせて加減できる下駄や草履は便利です。
靴もそうですが、履物は人に貸すもんじゃありませんから。

2005/04/17(日) コンサートに着物
金曜の夜のこと、突然なった電話は「コンサート行かない?」と。夫の趣味の会の会長さん。
新交響楽団というアマチュアとしては、異常に長い経歴を持つ楽団。芥川也寸志が創始者であり、指揮者だったという。
エグモント序曲、シューマンの4番、ブラームスの2番という難局をこともなげに演奏する。アマだけあって、管の出だしがちょっと「ぷぁー」と頼りなげに出たり、ヴァイオリンの連続音が、ボワボワとすることがあるとしても、全体から見れば、プロ並の音。

来るのは、団員の家族とか友人とかが多いのでしょうか、年配の夫婦などが多く見られました。昼のコンサートということもあって、衣類は普段着をちょっとオシャレにしたタイプ。
着物も数人いました。一人は薄紅地の小紋に染めの名古屋帯。一人は青鼠地の織物系。当の私は二藍地に白と萌黄の糸で十字絣を織り出した風通お召しに、濃萌黄のつづれ帯、松葉の袴、足元は白足袋に黒エナメルの草履。

コンサートに興奮した殿と私は終演後、銀座に出て山野楽器でCDとスコアを調達。一足先に天賞堂に行ってた殿は中古売り場でイギリス製の列車を見つけて。ホーンビィというイギリスのメーカーは日本では販売されていないこともあって、中古市場に出るのも稀な品物。今日は運が良いようです。

さて、お姫さんは? お留守番でした。帰宅してみたら、人の布団の上でくかくかと寝てりましたとさ。

2005/04/10(日) 装束勉強会
本日は装束の勉強会でした。
例年ならば、4月も初旬ですから、まだまだ袷も着られる、冬の装束の着付けも暑くない頃合ですが、今年は何なんでしょうか、5月か、という初夏状態。
化繊の袷に松葉の袴としましたが、微妙に暑く、練習時の困難さをうすうすと感じる。
行く途中には、豊島園があります。車内には、コロコロ・カートなど大きなバッグを持つ人が、妙に多く、更に、袴姿のこちらをひそひそと見つめています。集まってみると、袴姿で来た会員は皆、同じ視線に遭ったと。
実は、豊島園では、コスプレ大会があったのです。こちらも、ちょっとは荷物を抱えているので、「あの人もかな。何のコスなんだろうか?」と見つめられていたようでした。

んで、勉強会での着付けは、予想通り、肌着に襦袢なしで、単の白小袖着ただけでも、その上の装束を着付けると、相当暑かった。さりげなく、着る側は避けて、着せる側に回ったのに、水分補給は一日で1Lに達した。そして、会後の打ち上げのビールを2口で飲み干してしまいました。うー、美味しかった!!

本日の着物は、化繊黒地の小紋に正絹つづれ帯、松葉の袴。

4月絵日記の続き


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