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2005/03/17(木)
絣は ずれてるのが好き
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絣とは、経糸、緯糸、もしくはその両方に糸括りをして染料を染ませないものを織った先染めの織物を指す。 現在一般にいう「そめもの」「おりもの」の区分の「おりもの」はこの先染めのものを指す。絣でなくても先染め糸なら「おりもの」に区分するので、無地や縞もある。 (平安時代には「おりもの」と言えば、染物よりも格上な十二単に使う二倍織物などを指した。但し、この意味でもおりものは、一定以上の地位にあるものにのみ許されたので、武士や町人など、公家から見て下位のものには許されなかった。 だから、武家社会、町人社会の中で花開く着物文化では、許された技法、染めや縫い取りを中心とした手法になったのだと思われる)
糸は、縮緬などを織るのと同じ生糸を使うものと、真綿から紡ぐ紡ぎ糸を使うものとある。真綿の手紡ぎ糸は高機や機械機にはかからないので、特別な処理をした上でかけるとか、経糸には生糸を使うといったものもある。 生糸を使うのは大島紬。昔は紬糸だったからこの名があるが、今は紬糸ではない。 真綿の手紡ぎ糸の代表は本場結城紬。同じ土地では経糸に生糸を使った機械機で織る紬もある。東北地方には、紬が様々に沢山ある。もちろん南にいけば、琉球や八重山の紬もある。 紬系でないのに「おりもの」に属するのが「お召し」。「西陣お召し」「白鷹お召し」「塩澤お召し」当たりが有名。貴人の普段着だったから「召」の名がある。最初は無地や縞だったそうだが、絣の技法を取り入れてこちらも精緻な絣柄のもある。
大雑把には、同じ店で同じ組合の反物を比べると、無地や縞に比べて絣柄は倍の金額になる。 これは絣をする職人の手間賃と織る際に絣あわせをする織り手の手間賃の加算分。絣柄は綺麗だが、おかげで敷居が高い。 儲けが大きいからなのか無地や縞は余り置かれていないので、ちょっと見、絣紬はべらぼうに高く感じる。
って、前置きが長かったが、絣柄。プリントしたかと思う程、きっちり柄のあったものよりも端がずれているタイプの方が好き。 例えば、矢絣なら、端がきっちり斜めに一線のように揃うよりも、ギザギザになる方が好き。 丸を描くなら、周りがギザギザな感じで月が雲に薄隠れしてボケているようなのが好き。 大島紬、結城紬、白鷹お召しなどは、ぴっちり合わせるタイプ。 銘仙はズレてるタイプ。化繊の銘仙風プリントで、そこまでこだわりに端をギザギザに描いているとこは、面白い程。こういう方が好き。
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