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2005/03/16(水)
ブランドで着物を買う人
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春の気配がいよいよ濃く、暖かな日。 着物の展示会のお誘いも繁く来る今日この頃。 「美しい着物」など着物の雑誌も春の号の特集の一つは「紬を着る」。結城紬をイチオシなのは「きもののやまと」。特に産地特定ではないが、「さが美」は東北地方全般から仕入れ。
しかし、「西陣」でも「本場結城紬」でも「本場大島紬」でもなんでもいいけど、これらのブランド名で売り込む店も店なら買う人も買う人。「実は本物じゃなかった」と知って、悔しがったり、怒り狂ったりすることもあるらしい。
反物の真価は、その反物を見ればわかること。どこで織ったの染めたのなんてのは、後からついてくる付随情報に過ぎない。 綺麗すぎる染めや織りは機械織りや機械染め。といって、ずれまくった染めも見苦しいが、それも味わいとかで機械染めでもわざとずらした模様に染めることまである。織りは織りでモドキもあれば、正式に商権(?)を譲ってもらったもの(例えば、赤城紬は、今は新潟で織られている。明石上布も新潟産で知られているが、名前の通り、最初は明石で織られていた)
でも、手描きだろうが、草木染めだろうが、逆にプリントだろうが、そんなことって後からついてくるもの。「自分が気に入った」かどうかの方がずっと重要なのだと思う。 「どこの産地の逸品を着てきたかで張り合う会」なんてのがあったら、それなりに保証のあるものを調達する必要があろうが、趣味で着るなら、目利きにナンクセつけられようが、「それが何か?」で済ませれば良い。 例えるならつまらないデザインのダイヤよりは、シャレたデザインのキュービック・ジルコニアの方が似つかわしいようなもの。 お財布と相談すればまして、どちらが良いか自明。
「結城(の周辺の)紬」でいいじゃない。「村山大島」でいいじゃない。 まして初心者なら、高額な本物でなくて、手ごろなモドキを「判って」買うのは、いいことだと思う。
写真は村山大島。かなり精緻な柄だけど、見る人が見れば、柄が村山だという。「ツヤのある平織りの絣の織物」って意味では一緒なんだけどね。
最近は多少目が利くようになって、「あ、これいいな」と思うと 山の中で一番高いのだったりする。とはいえ、「結城紬に見えるけど安すぎ」と思ったら「結城 周辺で織った 紬ですよ」なんてのもある。あんまりアテにはならない。が、「気に入った」という点では、後になっても「失敗した」とは思わない。
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