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2005/02/23(水)
帯の種類
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天気は良いですが、冬恒例の強風が吹き荒れております。
本日は帯のお話。 「帯は何をしていったら 良いのでしょうか?」なんて話も着物の種類にならんでよく聞くお話です。
まず、形態からすると「丸帯、袋帯、京袋帯、名古屋帯、半幅帯、細帯」などがあります。浴衣にする兵児帯なんてのも、以前は「子供のものか、男の普段着」という感じでしたが、大人の女性向けのも出ています。
細帯: 女性で使う人はひどく少ないでしょう。男の角帯(かくおび)にあたります。半幅のさらに半分ですから2寸幅かな。 普段着に締めたり、袴下に締めるには格好の幅です。 帯ってしてるだけで「きつい」という印象がありますが、これは2寸幅(約8cm弱)ですから、楽なんです。 夏の単物や、木綿の単帯を半分に折って細帯扱いにしているものもあります。 半幅帯: 「浴衣の帯なんかしめちゃって」と勘違いしている方も多いです。浴衣の帯も確かに半幅の仲間ですが、名古屋帯や袋帯の様な織りや柄のものを半幅に仕立てたものもあります。「小袋帯」といって、最初から半幅の袋状に織ったものもあります。当然、こんなものを浴衣に締めたりはしません。 浴衣のは、普段向けの単の帯です。そりゃ、浴衣着るのは夏で、しかも普段ですから。普段向けの夏の単の着物を着る場合には同じ帯です。博多献上の単とか、夏献上(柄は同じで透けてる紗織り)のはどっちも使えます。 逆に袷の帯は、冬の袷着物用。名古屋帯並みのものなら、華麗な変形結びでお太鼓以上の華やかさを出せます。 名古屋帯: いわゆる「お太鼓結びにする帯」で、一番多く出回っているものじゃないかと。「正装用の帯は袋帯」といわれていますが、袋帯並みの織りの帯も出ており、喪服の黒無地は袋帯でも名古屋帯でもどちらでも良くなっています。 種類も多いです。八寸名古屋は、織り帯で、端の縫い代がありません。普段用、街着用などに用います。織りの中でもざっくりとした粗い織り方が特長です。綴れや博多献上もこの仲間。 夏のは、結構格高く見える羅等でも、八寸だったりもします。 九寸名古屋は両端5分を縫い代として幅8寸に仕立てる帯。袋帯並みの織のものは袋帯と同格に扱えます。見て「趣味っぽい」「素朴」というイメージのあるものは略装などに、なだらかに移行します。 名古屋帯は仕立方や柄付きでも様々。端から端まで柄のついているのが「全通(ぜんつう)」、胴回り1巡目になる部分が無地の「六通(ろくつう)」、お太鼓を結んだときに胴前とお太鼓部分にのみ柄のあるのが「太鼓柄(たいこがら)」。 また、仕立方は次のようなものがあります。胴部分を半幅に縫い閉じる「名古屋仕立て」、名古屋帯といえば、普通はこの仕立て方になります。胴部分を綴じずに裏をつけて仕立てる「開き仕立て」、我が家では「袋名古屋」と呼びますが、余り一般的ではないようです。背の高い若い人の場合、半幅の4寸よりも若干太めの5寸位に締めるとバランスがよくなります。開き仕立てはこういうときに向いています。また、完全に平たくなりますので、畳んでしまうのには楽です。最後が、お太鼓の手の部分だけを半幅に縫っておく仕立て方。呼び名は不明です。張りのある羅や紗の八寸名古屋は、手先を縫い綴じておいた方が納まりが良いです。 また、九寸名古屋の開き仕立てでも、こう仕立ててあるのも、頂きものの中にありました。 ちょっと珍しいのでは「引き返し」、裏地にあたる部分が、表地の最後につながっていて、これを仕立上がり線で折り返して、かがります。太鼓部分の裏地があるのは割と見かけます。これが全長分あったのは1本だけ。 夏物は帯も単ですが、お太鼓部分に引き返しのある八寸帯もあります。これをかがっても良いのですが、かがらずにおくと「二重太鼓に見える」といい、これを「袋名古屋」と呼ぶ人もいます。 名古屋帯は短くて二重太鼓が結べません、一方、袋帯は二重太鼓にしないと帯が余る程長いですから。 袋帯: 正装用帯の一番一般的なもの。名古屋帯のように全通、六通があります。六通の方が多い用です。 裏にも柄を織り出して「リバーシブル」なんてのもあります。 キラキラとラメ糸や金糸銀糸を使う織物が多いですが、有職柄などを主にラメ糸を使わないものもあります。有職柄は、平安時代に主に着用されていた装束に使われていた紋や地紋を使うもの。今でも「有職モノ」といえば、ラメ糸を使わないのが基本です。 でも、糸の配色の関係なのか、金銀を使っているようなイメージがあります。有職柄は、下は大島、紬類から上は留袖までに使える、異様に適用範囲の広い帯です。メチャ高いですが、「帯一本で、普段着から訪問着まで着まわしたい」人にはオススメ。 そして、袋帯といえば、成人式や結婚式。超絶技巧の結び方をするには、せめて六通の袋帯が必要です。 丸帯: 明治時代から大正にかけては、礼装帯は丸帯だったそうです。袋帯を開いたような幅約70cmの広い幅に織ります。 袋帯と違うことは、「裏にも柄がある」こと、そして主に、裏表に通しで柄を描くのが基本なことでしょうか。 今でも、京都の舞妓さんの帯は丸帯で、しかもだらり用に長く織られています。それは、重いのも当然。 最近では、これを裏表に切り離して二つの帯にしてしまう人もいるとか。 滅多見かけないといいたいところですが、某チェーン店では、留袖や振袖用に常備されています。
写真は自力で仕立てた、有職柄六通名古屋帯。開き仕立てにしてあります。見た目の割りには柔らかいので、本来ならば芯を入れるものですが、芯なしで仕立てています。なので、異様に軽く、また、結ぶのが楽です。 キラキラしていますがラメ糸は入っていません。
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