優妃 讃良の着物についておもうこと
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2004/09/12(日) 白鷹お召しと綴れの帯と
白鷹お召し、山形県のほぼ中央、「置賜(おきたま)地方」と呼ばれる地域、西置賜郡白鷹町で織られているもので、年間生産量は非常に少なく、60反/年とも言われています。呉服屋の店頭に並ぶことも少なく、「即、着物系博物館行き」という説もあながち嘘ではないのかも。
大島紬、結城紬と並ぶ高級紬系着物ですが、「お召し」の名の通り、経糸に生糸、緯糸の地糸にお召し糸、絣糸に生糸を用います。お召し糸とは強撚をかけた糸のことで、織りあがりにしぼが立つのが特徴です。縮緬よりも塩沢紬の感じに近いでしょうか。しゃきっとした織物です。
亀甲絣、十字絣などのこまかい子絣柄を板締で染めるので、見事な絣模様が逸品の程を示すものながら、これが着物の高額化でもあります。

ひょんなことから、白鷹お召しを手に入れることができました。
絣なしの緯糸だけで縦縞模様にしただけのもの。同じお店でも、ほんの簡単な飛び絣や亀甲が入るだけでポンと1.6倍のお値段。
絣の染めと織りの手間は単に織る手間とほぼ等価であることがわかります。でも、この白鷹お召しの地質が好きな私としては、ほぼ半額で入手できるこれは千載一遇の機会!
先に4棹もの着物が来るという話をしたばかりなのに、手を出してしまいました。反ものは白と萌黄の縞で遠目には薄い抹茶色のように見えます。仕立ては単。これで初夏は4月から、秋は10月でも着られるのだとか。
更に、個人的にちょっと面白いシカケをたくらんでいます。名づけて「ウソツキ袷」八掛けを別に仕立てておいて、着るときにチョンチョンと重ねて縫いつけ、袷にしてしまおうと。
八掛けの色が、色々な色が合うんですね。しかも、色によって季節感が出せる。秋ならば朽葉を、冬には濃蘇芳や濃紫、春には桃色を重ねて、共色の萌黄も、5月には藤色、更初夏には白か薄香色で涼しげに。これは何と決めてしまわずに季節によって換えて行こうと。

この日、この店では綴れの帯の機(はた)を運び込んでの実演もしていたんです。実際に織っておられる当人も京都よりいらしていて。そして、話の流れで「あ、織りますよ」という話に。
着物の染めや描きをお願いすることはありましたが、なんと帯をお誂えで「織ってもらえる」とは!
呉服屋の旦那の言うに「織元が来ていたからできた。色のニュアンスを伝えるのは難しいから」と。織元も「同じ色でも、どんな人が召されるかで、色の染め順に気を遣える」とのこと。

この日は着物でなく、夏の水色の無地木綿のワンピースを着ていました。およそ着物の色ではないです。私のイメージはどんな風に見えていたのでしょうか。

織ってもらうのは、幅は男の角帯、長さは女性の名古屋帯の長さ。実際に締めてみて、長さを決めました。男の角帯よりは1尺5寸程短いです。こんなとこもお誂えの醍醐味。
ちなみにお値段は「織り上げた分(既製品)と同じお値段でいいです」とのこと。
二色ぼかしなのですが、陰萌黄と薄香にしました。ボカシの加減が角帯は幅が狭いだけに意外と難しく、「2,3本作る羽目になるかも」と。職人さんはこういう依頼は嬉しい一方、「うぐぐ、これは難しいゾ!」と頭でグルグルするのだそうで。それをお客様の思った様に仕上げるのも醍醐味。
色の細かいアドバイスは大旦那がしてくれました。この大旦那の配色センスはもう絶品です。帯見本の色の中には萌黄もいくつかあったのですが、ちょっと渋目の色がよかろうと。
この大旦那、私には、ちょっと渋目の色を選んでくれます。でも、着ていて全然ババ臭くないんです。不思議ですね。

「お時間かかりますが、よろしいですか?」「どれくらい?」「2,3ヶ月程」
なんだ、半年とか1年とか思ってしまいました。装束の生地などは、いい緯糸がかかるまで待つので半年とか平気で経ってしまいます。2,3ヶ月なんて「早期ご予約会」程度じゃありませんか。

モノはそのまま仕立てに回ってしまったので、手元にはありません。白鷹は10月後半のお仕立て上がりなので、仕立てあがったときにお目見えいたしましょう。


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