優妃 讃良の着物についておもうこと
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2004/07/13(火) チェーン店呉服屋の変身
今、急に起きたことではないが、気がついたら、チェーン店の呉服屋が変わってきていた。

チェーン店といえば「振袖屋さん」と言った方が正しいほどに、振袖と訪問着と留袖『しか』売っていなかった記憶があった。
小紋の反物すらなく、化繊なんて「本部の方にはありますが(って、取り寄せる気はないようだ)」ってお話で。

しばらくして、世に先行するように浴衣を扱うようになった。
意外にも世間もどんどんと追いついてきて、いまや、本来着物を扱わないようなカジュアル・ショップにまで浴衣は並ぶ。
このとき、チェーン店は「浴衣屋さん」と変身する。

でも私は「浴衣屋」にも「振袖屋」にも用はなかった。
訪問着も幾枚か手持ちがあるし、着ていく場所もない。

ところが、チェーン店は更に変身した。街着にできるような小紋や、更に待望の化繊を置くようになった。
流行に合わせて昭和風や銘仙風のブランドも置くようになった。

もう一方方向の変身は「織物の買い付け」である。
振袖は一生に一度しか買わない。(二枚以上買う人間はチェーン店じゃ買わないだろう)根回しもリピートも効かない商売である。
その店を気に入ろうが気に入るまいが、二度とは来ない客である。となれば、ゆっくりと時間をとってお客様との関係を築くよりも手っ取り早く「諾(うん)」と言わせてしまえる店員の方が評価されてしまう。そして、着物嫌いのお客様を生成する。

これが、どこかで「二枚以上買っていただけるお客様の獲得」に変わっていたらしい。こうなると、街着である小紋や紬の品揃えが必要になる。
チェーン店というのは本部に仕入れ部隊を持つこともできる。
問屋や商社に頼らずに、仕入れ担当が日本各地を回り、顧客の希望する品を入手してくることができる。
そんなこんなで、行き着けのチェーン店で、各地の織物を目にすることができるようになった。

今、小売ー問屋ー製造元 の間で切れてしまっている「お客様が買いたいもの」情報がチェーン店では確実に製造元に届くらしい。
製造元は案外と情報に餓えている。別の店だが、展示会のときは製造元の人間も出てくる。実はその店ではその製造元の品しか買わないのだが、結構要望も聞いてくれる。「買わないかも」と言っても、「いえ、そういうものが「欲しい」と思われるなら、他の人もきっと欲しがっているでしょうから」という。

以前、「縮緬の半幅帯が欲しい」と言ったら、次の展示会までに作ってくれた。他の人にも評判がよくて、私が来る前に売り切れてしまうところだったと、数点隠しておいてくれた。

今はまず入手不可能になってしまった「女モノの『上等な』羽二重の黒紋付」を誂えてくれたのも、老舗の呉服屋ではなく、チェーン店だった。

今、チェーン店はなかなか面白い。


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