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2004/06/16(水)
裄
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梅雨期間だというのに、「梅雨の晴れ間」ということで、昨日からピーカンの晴天です。晴れてるだけでなく極限の乾燥状態。洗濯物などにはうれしいですが、着物には嬉しくありません。 季節に合わせれば、まだ「透けない単」の季節。とこどがどっこい、ご当地は最高気温30度を記録しようって状態です。 子供の頃には夏休みに「30度越したら、プール行っても良い」という約束で、午前中は寒暖計をにらんでいたというのに、昨今は梅雨のあけぬのに、この状態です。 既に肌着はクレープ素材、襦袢は本麻か麻混。 綿縮の長板中型だって着てしまいます。
って、今日の話は「裄」。昨今の身長の上昇と共に裄も大きなものが必要になっていると業界で言われています。 実は私の裄も正確には1尺9寸5分。尺幅の反物では作れません。男性用の「ワイドサイズ」という1尺2寸幅の反物が必要です。でも、私の着物でこのサイズなのは喪服だけ。「羽二重」にこわだったところ、男性用の反物しかなかったので、初めてこのサイズで作りました。 普段はお仕立てサイズで1尺8寸、既製品は1尺6寸か8寸です。
洋服だとこうは行きませんね。着物初心者でも駄目らしい。 何かというと、これは「居住まい」で可能になるので。 着物の袖は洋服のように細い筒状ではなく、広いです。袖口に手首を合わせるようにして、肘を曲げておきます。 着物を着た場合、ダラっと手を下げているのは格好よくなく、胸元辺りに手があるのが基本です。当然、肘が曲がります。だから、「肘をまげておく」のは基本姿勢なのです。
しかし、残念なことに、ちょっとやそっとでは、この癖はつかないようです。私は小さい頃から着物を着て出かける度に言われていましたから。どうやら、この辺をもって「着なれ」というようです。
でも、便利ですよ。リサイクル品は往々にして1尺6寸が多いえすが、気にしないで買えるし。既製品でも、柄優先でサイズ不問で買えますから。でも、既製品に関しては、「大きすぎ」に最近は要注意です。細身なので、裄はよくても幅が広すぎで着づらい状態に。私の身幅は7寸5分。既製品だと1尺6寸に対応する身幅です。広すぎる身幅は着崩れのモト。裄が短い方がまだマシです。
「着なれている」というと、着付けがきちんとできるとか、いろいろな帯結びができるとか、着物を季節ごとに沢山持っているとかって印象がありますが、そういうのは全然ありません。 ちょっと前まで着物は正月用の袷しかなかったし、帯はお太鼓、半幅は文庫だけという「知っているうちは入らないよ」って程度。だけど、「袖のとりまわし」と「下駄足(鼻緒のある履物を長年履いていると起こる足の変形状態」だけは、まぎれもなく「長年着物を着ている」という証拠。
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