優妃 讃良の着物についておもうこと
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2004/05/07(金) PTAに着物で 真空管が着物に負けた?
ここのところ、涼しい天気が続きましたが久々に好天。
立夏も過ぎましたので、堂々と単といたしましょう。
袴はどうしようかと考えましたが、帯なども先に薄くなるし、神職、装束の季では立夏を過ぎれば夏物ですので、この線に従い、袴は夏物の絽としました。
下は本麻の襦袢。母からの譲り物。麻混も涼しいですが、本麻は更に涼しいです。洗えるから夏の着物には最適ですね。

というわけで、本日のいでたち。
白地に花枝の小紋、ちりめん地(の化繊)
海老茶の絽袴(正絹)
袴下帯は薄萌黄の博多のひとえ帯(正絹)
襦袢は白の紋紗(本麻)

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2つめのお題
「真空管が着物に負けた?」

家人の趣味は真空管でオーディオを作ること。
「MJ(無線と実験)」や「ラジオ技術」といった雑誌をご愛読。帰路の本屋の技術雑誌コーナーは電車待ちの格好の立ち寄り場。
ところが、GWの明けた今日、いつものコーナーに行くと、そこは着物の本が占領していたのでした。
「着物の本ってこんなにあるのぉ!!」
あるんですよ。雑誌は少ないですが、ムックや季刊など最近増えています。これから夏に向かっては「浴衣を作ってみよう」といった自作系の本も増えていきますしね。

この本屋、狭い上に駅隣接なので「売れる本」に敏感です。
着物ブーム、特に本に関しては本当にブームのようです。
本だけなら着物を買うよりも安いものね。
浴衣を売るスーパーも増えましたし、リサイクル着物屋も盛況の様子。まだ呉服屋にまで恩恵は行ききってはいないようですが、着慣れた人はきっと呉服屋の戸を叩いてくれるでしょう。

2004/05/06(木) 浴衣
そろそろ浴衣の季節ですね。
行き着けの呉服屋からも「夏物そろえました」「浴衣入りました」のお知らせが入っていました。

最近は浴衣地といっても千差万別です。
古来のものから言えば、正藍の長板中染め、コーマ地注染め。
注染めは紺色以外にも色ものや多色使いのものがあります。
売っているところは意外と限られていて、老舗の呉服屋にほぼ限られています。伊勢型を使う精緻なものは結構高額ですが、注染めはブランド物と比較すれば手に取りやすい金額かと。
色とりどりの浴衣の中ではいっそ藍一色の浴衣はきりっと目だって見えます。この藍はプリント藍地では比肩できません。

多色使いの似たものでは、洋服生地と同じプリント柄が出ています。デザイナー系のブランド物はだいたいこれですね。
精緻なグラデーションなどを使い華やかな仕上がりです。
某呉服屋では「浴衣の次に着るきものは振袖」って言うようで、振袖に比肩するほど華やかな浴衣が出ています。

また、スーパーなどで仕立上がりで下駄や巾着までパックになったセットの中でも格安のものもプリント柄。
裾を返して裏を見ると染めがなく白っぽいのですぐにわかります。洗うとくたくたになってしまい、アイロンかけも難儀な状態です。ただ、くたくたなだけに着心地がよく、金額的に惜しげもないので、ジャージの親戚だと思って家でゴロゴロするのに着るのには結構うってつけです。

また、こういった一応木綿系のものと別に化繊系の浴衣(?)も出ています。一見暑そうですが、スポーツ系の生地を使うなど、吸湿発汗に優れた素材を使い「木綿よりも快適」というものもあります。風合いは木綿系を模したというよりは綿縮みや絹縮み、夏お召しを模しているように感じます。そういう意味では、襦袢を着た方が似合いそうな風合いです。

んで、一番気になる点は「では、何を買うか?」でしょうか。
★お祭りに始めて着る、来年着るかはわからない人
 スーパー等で売っている仕立上がりパックが良いかと。
★昨年着て、浴衣のトリコに。
 パックでなく、単独で売っている仕立上がりから選ぶ。
★もう夏になったら浴衣よぉ!
 そろそろお仕立てを体験してみては。マイサイズの着心地を体感してみて。
★お出かけ用と自宅の普段着用と分けて
 お出かけ用にはコーマ地注染めをお仕立てで。
 普段着にはパックの安物や、昨年の浴衣を下ろして。

私は、というと、浴衣に関しては物心つかないうちから着てますんで、永年の堆積物がありますので、現在の着まわし状態は次のようです。
☆一張羅: 正藍伊勢型長板中染め
  昨年購入。ほとんど下に半襦袢着て着用です。
  夏の京都散策や大文字の山焼きで使用しました。
☆買い物: コーマ注染め
  色モノ注染めの出たての頃買ったエメラルド色のと水色
  そして、妊娠中用にと母が縫ってくれた藍染めの3枚。
  縁日、普段の買い物はこれ。縁日はソースつけたりして着物にとっては結構危険な場所なので、見目はよくても惜しくないものである必要があります。
  「洗ったらもう普段着」といいますが、アイロンで熨してやると、結構パリっとなります。
☆家でゴロゴロとか家事とか: プリント柄ミシン縫い
  家でいるなら惜しげのないもの。週に一度は洗濯に行く定めの衣類。きっちり着物畳みにして伸した後、干して、取り込んだ後すぐに畳んでおけば、小じわはともかくそれなり。一度着れば、わずかな汗と体温で皺なんぞ消えてしまいます。

お姫さんは昨年、コーマ注染めのお仕立てものに格上げ。
それまでは、プリント柄の自前仕立でした。
藍地がキリっとしてダーク系好みの気に入りの一品です。

2004/05/05(水) 行田温泉古代蓮物語
カッコ良いタイトルですが、こういう名前の温泉施設があります。いわゆる「健康ランド」のタイプですが、湯が「天然温泉」というところがミソです。
なまじ近すぎで機会がなかったのですが、この休み、食器棚リプレース作戦のためにどこにも出かけなかったので、「ヤスミのシメはココ」というわけで、やってきました。
一昨日のカラオケと同様にここも駐車場は満杯。同じことを考えている世帯は多いということなのか。
入ると、受付の横がお食事処。家族連れらしい一団が何組も食事をしていました。
まずは風呂場へ。男女の風呂はどうやら左右対称に作られているようです。露天風呂エリアも檜風呂、石釜風呂、岩風呂2段と広大な広さ。屋内も4種の湯船があり、サウナもスチームと塩の2種。面白いところでは石のこしかけに湯の流れる「お休み湯」なるものが屋内にも屋外にも。

源泉は33度。一応「温泉」の基準のようですが、追い炊き。
そのままの湯もあります。「冷たい」と感じるものの、入ってしまうと案外と入っていられるのは不思議。薬効があるからなのか。分類上は「単純泉」ですが、多目の成分からすると重曹泉の類とか。お肌にいいお湯です。

借りた浴衣や甚平で寛ぐ人もあり。
浴衣もってくればよかったかな。化繊の着物では湯上りに汗が抜けない。

外に出ると、先ほどの寒さ。
かけながした湯の排水を使った小川がアプローチの脇にありました。腰掛があって、足湯を使えるようになっています。
一人、そこで足湯している人がいました。今日はちょっと寒いのではないかと。

かくして我が家のGWは終わりました。

2004/05/04(火) 格も節気も着付けもメチャで
雨です。「穀雨か」なんて言うとカッコ良いですが、今年は5/5が立夏ですね。
食器棚を買い換えました。以前の食器棚は一過性に買ったつもりが壊れることもなく、つい使い続けて。とはいえ、既にパンク状態で中はギチギチと幾重にも食器が重なり、わずかな段差の手前には落ちても構わないような樹脂食器が仮置きされる状態。
ちょっと良い食器は箱の中。
というわけで、一大決心で食器棚を買い替えました。
今度の食器棚は「棚」ではなく「ひき出し」です。食器のような重いものを入れるようにひき出しにレールがついています。これもレールを3段に組んで一番奥までひき出しきれるのと、途中までしか引き出せないものがありました。
小鉢や小皿を多用する我が家の場合は、奥から引き出すこともありえるので、全部引き出せる式を買いました。

これが来る日、予報では雨の筈が、お日様の照る良い天気。
食器棚のものや周りのものはダンボールに入れて家の中や庭に。
天気でなくては庭置きがかなわないので助かりました。

好天なので、結構暑いし、働くのでシミになる可能性もあるから、麻混の白小袖が良いところですが、家具屋さんが入るので、そういうわけにもいきません。
というわけで、先日、母から貰ってきた白の縮みの黄ばみシミの出たのを普段モノとして着ることにしました。
動きやすいように着丈は短めにし、帯は単の半幅の博多帯を2つに折って、御所風の片結びに。

食器棚がきて、食器を入れて、とやっているうちに、なんと夜の8時をまわってしまいました。
天気予報の雨が遅れて、夕刻から降り出していました。
今夜は9時過ぎから「よみがえる源氏物語」がTVで放映されるので、是非見たいと。慌てて買い物に出かけました。
いつもなら、着替えるのですが、その時間も惜しく、そのまま。
スーパー2軒をハシゴして帰ってきました。

TVを身ながら、家人が言うに「スーパーでオバさんが、見てたよ。しかも、もう一人の人に袖まで引いて何やらコソコソと」と。「気づかなかった?」って、見られるのも、何か言われてるのも慣れっこなので、今更気にも留めないし、今日の様にアセって走り回っているときにはまして。

何を言っていたんでしょうか?
4月だってのに、しかも綿縮みを襦袢も着ずに着てた とか
雨降る寒い日なのに、素足に下駄 とか
随分とツンツルテンに着付けてるわね とか
帯なしで伊達巻だけなんじゃない とか
  (夏モノの単の博多織は色も薄いので半分に折ると伊達巻に見える)
はたまた、帯を細く結ぶなんて とか
シミのある古着を着てるなんて、お下がりかしら とか

はたまたこれ以外なのか。

いや、どーだっていいですけどね。傍目が分かるような行動で陰口きく方が無作法ですから。
寝巻き起き巻きみたいなジャージを引きずって買い物に来るようなのだっていますけど、ああもあからさまな態度の人はいません。やっぱり、着物だと、期待度が高くて、こだわってしまうのか。

2004/05/03(月) 着物でカラオケ
家族でカラオケに行きました。
ゴールデンウィークは割引が低いです。この辺ではカラオケってのは、家族やカップルの楽しみの場のようです。
夕食後の9時過ぎに行ったというのに駐車場に困るほどの混雑状態。受付してみれば「10分ほどお待ちいただけますか?」とまで。盛況のようだ。

昼は暑かったものの、夕刻になるとまだ春の寒さ。
下は麻の襦袢ですが、上は袷の化繊で。帯は紬の染め帯。

今日は2階の個室。ここは扉に曇りガラスがはめ込まれており、中に誰かがいるか位は特定できます。
通路の向こうにトイレがあることもあって、逆に通る人も見えたり。が、何故か、間違えてなのか扉を開ける人がいました。それも何人も。余りに多いので、故意なのかと気になった位。

多少はお互いの曲がもれ聞こえているみたいなので、ひっきりなしに続くアニメ曲の連発に「隣は何をする人ぞ?」と気になったのかな?学生時代、合唱をやっていたこともあって、うさ晴らしには、複式呼吸のフォルテッシモ。

蝶々夫人の着物姿で「歌えるのかな?」と思ったことがありますが、複式呼吸の場合、影響ないですね。逆に帯が姿勢制御してくれるので、楽なくらい。

2004/05/01(土) 装束や着物の自作
今日は結城紬について書こうと思ったが、書き込みがサーバのアクセス不調でチャラに。
面倒くさいので、話題を変えます。自作のお話。

着物のサイトでは自力で「お仕立て」「サイズ直し」「洗い張り」「丸洗い」といった話題が出ます。
装束もそういった話題は当然に出ます。しかし、着物のように一般的にお仕立てを教える場所や本が存在しないので、「できるかどうか」の判断からして難儀するようです。

挑戦するとしたら、浴衣や木綿、ウールなど、扱い易い生地で、子供のものなど小さいサイズのものから始めると比較的とっかかりやすいです。子供のものは所詮、1,2年で着れなくなるので、所詮、出来に不出来があろうとも、文句も言わないで着てくれる上に、後腐れなく処分できます。

最近は正規の和裁系の仕立本のほかに洋裁の技能でできる型紙と縫い方の本やパターンも売られているので、楽です。

さて、一方、装束のほうはというと、こういうパターンや仕立本からしてないのが現状です。唯一あるのが「時代衣装の縫い方」という本ですが、高額で興味本位に手にできるものではありません。しかも、素人向きではない説明がズラズラと。
私はこの文章を理解するために和裁本を買った位です。
仕立て方は和裁と同じではないのですが、和裁を知っている人が著されたようで、和裁に例えて縫い方を説明しているところが多いのです。
更に困るのは「このサイズって、身長何センチ用?」というもの。着物もそうですが、多少の融通は効くものの、何十cmもの差に対応できるわけではありません。昔の人は小柄だったようですが、貴族の中には結構長身の人もいたようです。逆に大人とは思えない程小柄の人もいたようです。源氏物語にも「衣にうもれるほど」と女三の宮を評しており、かなり小柄な人だったようです。実物でいっても、明治の宮様方の装束を展示会等で見ることができますが、サイズがバラバラです。
この「身長や身体サイズから割り出す裄丈」については全く情報を得ることができません。
存在しないかというと、そんなことはありません。今でも狩衣や衣冠を製作している場所、つまり神社ご用達のお店にはちゃんと換算方法があるのです。でも企業ノウハウですから、教えてはくれません。そして、着物も「着付けや着る場所で寸法は変わる」んですが、装束も同じ。
もっと問題なのが生地。前述のお店は専用に生地を織って使っています。生地だけを売ることは、まずありません。
装束に関しては、全然お手上げなんですね。

でも、着物でも、反物ではなく、洋裁用の生地を使う方法があります。普段着には安上がりな洋裁生地が使われたらしく、ちょっと古い洋裁本には90cm幅や144cm幅といった広幅の反物から裁つ方法が紹介されています。

装束も生地にこだわらずに「形が同じもの」を作ると腹を決めれば、先の「時代装束の縫い方」を参考に縫っていくことができます。
私が装束に手をつけたのはこの「自作」が先でした。なんせ、売っているとは思わなかったので。狩衣、直衣、指貫、ウチギと縫いましたから、寸法の配分も分かってきました。

それは決して「売っているもの」とは同じではありません。しかし、洗濯できる生地、アイロンの可能な生地は気楽に普段に着用することが可能です。平安装束の良さは使われている生地の美しさだけではなく、その形状の着心地のよさ、居住まいの気楽さにもあります。「あんころ餅を落とした」「ジュースを垂らした」なんてことに一喜一憂するようでは、着心地を楽しむことができません。これは着物も同様です。高価な友禅振袖しか持たない人は大抵着物が嫌いです。

決して上手ではない、いや下手な部類に入る私は、それでも、謎の洋服類を作り続け、子供の着物を縫い、そして装束の縫製に至りました。「自作できますか?」という質問に関して、答えに困るのはこの「裁縫経験はいかほど?」という辺り。
洋裁経験があり「型紙図があれば作れる」という人なら、なんとか「類似形状のもの」が作れます。
更に和裁経験が「浴衣くらいなら」というなら、細部の仕上げもそれっぽいものが可能でしょう。
コスプレをする人だと、だいたい、コレくらいの技能があるので、自作派でもだいたい「類似形状」のものを着てます。
生地は大抵、紋織りのサテンか木綿が入手しやすい生地。

私は化繊の着物反物を利用しています。色柄が装束に少しは近いし、広幅よりも反物幅の方が長い身頃の場合は楽だから。
そして、この量使うと、案外と化繊反物は広幅よりお安い。
トドメは、洋服地をより必要量に対応する重さが軽い。
最初に作った直衣は洋服地のジャガード織りでしたが、直衣と単衣と袴の生地を買ってもらった総重量はなかなかなものでした。
これ全部身につけるかと思うとゾっとしたものです。

装束の自作は例えて言うならば、「憧れの高級ブランドのスーツの型紙が雑誌に掲載され、それを近所の生地屋で100円/mの生地を買って作った」ようなものです。高級ブランドのスーツは生地からして別注品で縫製も上等です。それを安物生地で自作したら、普段着以外の何者でもありません。本物は結婚式にすら参列できるようなものでも、自作物の方は3900円の安物スーツで済ます方がまだマシって状態です。
でも、私はこれの自作もしました。カッティングが優れていますから、普段着にも最適なんですもの。額が額だから醤油こぼしたって怖くないですしね。

自作例:
狩衣はチャイナドレス生地白地に濃紅梅色の梅柄
   裏地は洋服の裏地生地で羽二重織り
指貫は一般のサテン生地
単衣は着物の綸子の蘇芳に桜柄。

あんころ餅とメロン味シロップ付きのクレープをこぼしました。


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