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2004/05/14(金)
袴の話
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袴が好き。 帯しなくて良い、歩くときに裾の開くのを気にしなくてよい。 ホントは不調法なんだけど、足組んで座ってもおかしくない。 短く履いて、靴をはけば、洋服とおんなじ歩幅で闊歩。 身丈の短い着物だって、いっそ袴下には着やすい。
という袴。普通に考えると、卒業式によくみかける「女袴」位しか思いつかないと思うけど、実はもっともっと種類がある。 例えば、神主さんの穿いている袴。あれは「差袴(さしこ)」という。形状はほぼ同じなのだけど、紐の部分が倍位太い。そして、後と前の長さの差がない。これは帯の締め方が違っていて、後ろを張るようにはかないから、その分短くする。 女性神職さんは「捻襠切袴(ねじまちのきりばかま)」といって、襞(ひだ)を折らないタイプの袴を穿く。襞を折らないのは平安装束の系統に属します。こっちは切袴、長袴とあるけど、一番大きな違いは、紐が1本なこと。前述の袴達は前部分を結んで、後部分の紐を前にもってきて結ぶという二本立て。 一方、装束の袴はつながった一本。そして、一番、帯幅が広い。 襞のない袴は畳むのが楽。女袴はこの中で一番襞が多いので、一番面倒。
着心地を云々するなら、この帯幅の広さがポイント。細いのだと、別に袴下帯を結ばないと細くて苦しいけど、袴紐自体が太いなら、この心配はない。平安時代なんて、しばっているモノといえば、この袴の紐と裳の腰紐か細長のあて帯しかないのだから、現在の着物の一枚着る毎に紐で締め付けていくのに比べて苦しくないのは当然。 トイレの便を考えると、行灯式にできる襞ありのが便利。 後腰だけを落とす方法でも可能なので二紐式でも、慣れれば。 一番厄介なのは、一紐な平安式。 これは平安時代から、袴はすっぽり脱いで用を足したという。
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