優妃 讃良の着物についておもうこと
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2004/05/31(月) 衣替え直前!
6/1が「衣替え」なので、まだ冬服なのですよね。
といっても、当地の日中は既に30度が予想されている。
自由な服装の小学生は既にTシャツと短パンになっています。
中学生は制服なので、可愛そうに・・・・


と思ったら、半そでの夏の制服で登校していました。
あら、随分と寛容な。揃って、ということは、きっと「x日より半袖のこと」ってお達しなんでしょうけど。


制服って、何が嫌いって、「気温に合わせて服装調節ができないこと」が嫌いです。
東京駅で今頃みかける修学旅行生達、暑いのに黒の詰襟なのもいたりします。それなのに、教師が半そでのポロシャツなんかで引率してたりすると「をいをい」って感じます。
とにもかくにも5/31迄は冬服なんて、とこの土地でも不条理なんじゃないかと。まして、昨今のように4月っから夏日を記録するような状態ではね。

実は、お嬢様学校など伝統ある私立の場合、夏、冬だけでなく、合いの服もあったりします。学校によってはその合いも2段階という細かいところも。
ブレザーとスカート系は着脱とブラウスで可変ですが、セーラー服でそれだと「をを、凝ってる」と感じます。

さて、今日は何を着て行きましょうか。朝っから暑い今日のような日はもう浴衣地ですね。下に襦袢着られるかな。
お日様はフルパワーで気温を上昇させています。
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結局、熊谷は本日の日本最高気温を記録の35度。五月としては、過去最高気温とタイ記録だとか。
日中、さすがの暑さにクーラーをつけました。
帰宅してきた娘が「をー!涼しい」の連発。
そりゃ、最高気温を記録する筈の2時をちょっと回った3時のご帰還。外は35からさほど下がっていない筈。一方、室内は25度で除湿も効いて。
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昼ごはんは、熊谷のドーナッツ屋さん。わりと行き着けのとこ。
ここの店員さんは、大学生などの若いおねーちゃんじゃなくて、年配の奥様です。「コーヒーお替り自由」がすきで3杯位ねばる店。今日は、その店員さんが「いつも、お着物ですね。着慣れていらして、ステキ」と言ってくださる。ちょっと良い気分。
「どちかで習われたのですか?」と聞く。この歳で着物着ているとなると、やはり着付け教室の存在を感じるのだろうか?
「いえ、祖母から」というと、「まぁ!」と。
「親から習う」という世代ではないのは着物仲間からの情報でもわかる。
なーんて、そう言うと、うちの娘はどうなるんでしょうね。今11歳。もう自分で着付けします。余りうまくないけどね。家の普段着としては十分な程度。オトナになる頃にはもうちっとマシになるでしょう。希少な存在になっているに違いない。

2004/05/30(日) 別荘にご招待
夫は自分の趣味のオーディオの会に出席。
で、会の人から福島にある別荘にご招待いただいたと。
もちろん、その別荘でオーディオ三昧しようというわけで。

で、家族同伴。

いつもなら、同伴時には「袴ははかないでよね!!!!」と「!」が5つ位つく勢いでトドメをさすのに、今回は「袴でもなんでもおーけー」と。うーん、どうしたんでしょうね。

2004/05/29(土) え、えす?
着物のカタログを頼んでいたのがつきました。
ここは反物でなく、お仕立て上がりが基本なので、サイズ表がついていました。よくある、S、M、L、LLという分類。
私の場合、裄の割に身幅が狭いので、ぴったりサイズにするには既製のサイズではあいません。なので、裄か身幅&身丈かどちらかに合わせます。裄にあわせると1尺8寸。なかなかこのサイズはないのですが、LLだとこの裄でした。うーむLLですか。
逆に身幅と身丈に合わせてみようかと。私の身幅は7寸。裄は1尺6寸迄なら短くしても大丈夫。身丈は短い方が楽だから155cm位の方が楽。丁度そのサイズがありました。「え、S???」
Sサイズでした。昔の「並寸」と言われた寸法なんですが、今はSサイズになるようです。
あーびっくり。

そういえば、昨年、法事用に日本橋三越で買った仕立上がりの二藍の無地絽が裄1尺6寸でした。Sサイズだったんですか。どうりで店員が気にしたわけだ。

写真は別の時期に買った1尺6寸の出来合いの。

2004/05/28(金) 会社のOB会
以前勤めていた会社のOB会がありました。
学校みたいに、在職の人を「在校生」、退職した人を「卒業生」と呼びます。
転職を繰り返している人、随分と偉くなった人、上の方では年金生活に突入して悠々自適な人。学校とは違ったOB会はまた面白いです。

そして、本日の衣装。気温は若干涼しいようですが、蒸しているので、袷を着る根性はない。といって、まだ5月なので、薄物というのは、マジな席には気がひける。って、そんな着物の季を熟知しているような人間達じゃないですが。

というわけで、「紗袷」のつもりで、下に絽の紫の無地、上に紺地の紗紬の小紋を重ねました。襦袢は本麻の紋紗。
なかなか涼しいし、襟が2つ重なってて、ちょっと面白い。
下は海老茶の絽の袴に深緑の帯揚げを見せて。

足元は白足袋にパール台に水色の鼻緒をかけたエナメル地。
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そして、行く前に日本橋三越に寄り道。
東京駅で降り立つと、まずは有楽町よりにある八重洲ブックセンターに。目的は「かさねの色目」。持ってたんですが、行方不明に。平安装束のかさねの色合わせをするには必須だし、いくつあっても良いので、買うことに。
そして、今度は神田寄りに向かってトコトコと八重洲口を歩く歩く。知る人ぞ知る、三越前の駅は八重洲口の神田よりからすぐなのです。
途中、エクセルシオール・カフェでコーヒー・タイム。
ソファの席を確保して、「かさねの色目」を楽しみつつ、サンドイッチとコーヒー。「本日のコーヒー」はガテマラ。

そして、三越へ。お目当ては、最近充実したという「シルック着物」と「ゆかた」です。確かにここは揃いが良いです。
高いけど、生地がそれなりなので。「化繊は暑い」というけど、ここのは正絹並です。
今回は夏塩沢の反物を購入。先染めの生地はなかなか精緻な柄。
仕立上がりが欲しかったけど、塩沢はなかったので。
そして、絽ちりめんの風呂敷も購入。
いかにも呉服屋の番頭という印象の男性に対応いただきました。

次は浴衣売り場で。最近は洋服系のブランド浴衣が出ていますが、三越は扱わないようですね。浴衣系に絞って。
三尺帯もオトナ向けのいいのが出ていていいですね。
京都の草木染という三尺はいい色で。まさに「かさねの色目」の色で。着物はこういう鮮やかな色を使わなくなっているので、思わず惹かれます。
生地ですが、「浴衣はコーマ地」という既成概念が崩れて、初心者向けのは縦に織縞をつけたものが主流になっているようです。少しは涼しいのかな。今年はラメ糸を織り込んだのが登場。
もうほとんど振袖の木綿版って位鮮やかなものまであります。

でも三越のプライドは竹仙などを扱っていることでしょうか。
正藍の色見てしまうと、プリント浴衣なんてメじゃない。
「両面染め」という裏表別の柄で染めたのも粋。
去年購入した長板中型染めの今年柄もありました。伊勢型の点描柄はやっぱりいいですねぇ。
絹紅梅などもみまくり、見つけたのがなんと「絵羽柄」!
一見、総柄にしか見えない青海波柄。実は下に行くほど大柄になっているという凝ったもの。普通に方で染め分けした総柄の絵羽もありました。浴衣で絵羽柄なんて、ステキですね。
しかし、絹紅梅といっても、綿の比率が少ないのだとスケスケです。これは下に襦袢が必。
そして、茶道具売り場に。茶巾入れで装束布を使った綺麗なのを見つけて購入。単なるビニールケースよりずっとステキ。
ついでに、麻布の茶巾も購入。こういうのに入れるのはいつものサラシやガーゼを切ったのでは気がひけます。

2004/05/26(水) 病院と着物
ちょっと具合の悪いところがあって、病院に行った。
問題は、いつも着物と着ているが、診察の際に問題にならないか。
というわけで、心配なので、洋服にしました。
といっても、カントリー・スタイルなので、着物と大差はないような。帯がなくて、あわせがボタン留めなくらい。
あ、超久々にブラジャーしました。

結果なんですが、腹を触診して、目の下アカンベして、脈とって。採血検査。
というわけで、結果的には着物着てても大丈夫というか、着物の方が楽だったんじゃないかと。

というわけで、次回の来院時は着物にしようと目論む私。

2004/05/25(火) 暦と着物
また暑くなってきましたね。
この時期、着物は週毎に着るものが変わるので、一年中着物で暮らそうという人間にとっては厄介な季節です。
地球温暖化と都市型ヒートアイランド現象による酷暑期間の長期化と逆に室内のクーラーによる対応によって、マジメに守ると暑すぎるは寒すぎるは、という気もするし、その決め事、東西に広い日本の中で本当に一律だったのかと思うとなおのことうそ臭く。想像するに、そういったことを定めた場所の気候に沿っていたのではないかと思われます。
一つは江戸城と江戸屋敷のある江戸。もう一方は千年の王城京都。京都は葵祭、祇園会、送り火が衣替えの基本日程。一方、江戸は三社さまや神田明神、山王さまのお祭りが基本です。

『奥女中袖鏡』という江戸時代の書があります。これはきっと江戸を基本としたものでしょう。
旧暦4/1(新暦では今年は5/19)から5/4: 絹綿を入れない絹地袷
旧暦5/5(新暦では今年は6/21)から8月末: ひとえ
旧暦9/1(新暦では今年は10/14)から9/8: 絹綿を入れない絹地袷
旧暦9/10(新暦では今年は10/22)から: 絹綿を入れた絹地小袖

更にひとえ期間は暑さに合わせて次のように着かさねます。
初夏; 絽or縮緬のひとえの下に羽二重の襲ね
暑く: 絽or縮緬のひとえの下に上布の襲ね
更に: 絹縮のひとえの下に上布の襲ね
酷暑: 越後縮のひとえの下に上布の襲ね

四月一日を「わたぬき」とも読みますがこれは更衣の時期として4/1から着物の絹綿を抜いたものを着用するからです。
現在の着物の季では紗袷はいつだの、夏塩沢はいつだのといいますが、この時代の「ひとえを重ねる」の方が毎日の寒暖にも対応でき、着用時期が長くて済みそうです。
特に「紗袷」はもったいないものといわれるものの一つですが、紗の単と絽の単を重ね着してたら、暑くなればそれぞれ一枚で着れば良いので使用期間が長くなります。

さて、一方の京都の更衣。「満佐須計装束抄」という室町時代に書かれた装束に関する着替えのタイミングは次の通りです。

4月: 薄衣の五衣、生絹(すずし)の単衣、菖蒲、藤、躑躅、橘
     生地は薄くなりますが冬と同じ袷仕立
5月: ひねり重ね五衣に生絹の単衣 撫子、菖蒲
     袷でなく単仕立にしたものを袖と襟の部分で一枚にあわせたもの。
6月: ひとえがさね
     重ねる枚数が減り、ひねり重ねにしたものを3枚
7/7から: ひとえがさね(6月に同じ)、柄は秋の七草
8/1〜8/15: ひねりがさね(5月に同じ)、柄は菊、紅葉、ススキなど
8/15〜9/8: 綿いれぬ生絹の五衣
9/9〜9月末:綿入れた生衣の五衣
10/1〜五節: 練絹に綿入れた五衣、菊や紅葉柄
五節〜3月末: 練絹に綿入れた五衣、祝い柄、梅、桜、山吹、

上布は木綿が庶民に一般的に普及する一方で上等な織にした麻布が上流階級に流行りました。平安時代は麻は庶民のもので貴族達は絹をもっぱら使用しました。夏は生絹(すずし)という練らない絹で仕立てたものを着用しました。これは麻のように張っており、薄い地なので涼しいのです。
冬場は練った絹を使いますが、生絹の方が練らないで済む分作りやすかったのか、「生絹に綿入れ」という着方があります。
7/7が祇園会(ぎおんえ)です。これを機に「残暑」に入るので、暑いものの柄は秋草に。五節は今の勤労感謝の日にあたります。
天皇は今年取れた米を奉げて新嘗祭を行います。
神様達はここでお山にお帰りになって春の紀元節までお休みなんですが、人間達はここから正月をはさんで紀元節までお祭りシーズンとなります。なので「祝いに着るもの」と「正月前後に着るもの」は同じです。(祝いでない、初春用もあります)

2004/05/24(月) お献茶
神社にて神様にお茶を差し上げることと「献茶」と言います。
昨日、源氏物語の夕べにて、献茶させていただきました。

茶銘 詰め:蓬莱の昔 一保堂
主菓子:菖蒲饅頭 (鶴屋吉信)
干菓子:菖蒲のヒスイに流紋の有平糖 (同じく鶴屋吉信)

お茶碗:幸菱 天目台のせ
棗: 赤蓋

お献茶は茶道以外にも煎茶道その他でも行われていますし、お茶道でも流派やささげるの神社との絡みから色々な作法となるようです。

今回は、神前にお茶をお供えした後、参列された方々にお茶を一服づつ差し上げました。
儀式ですので、お茶の量は少なめといたしました。
お茶碗1つで回したので、時間がかかりました。
次回は数茶碗を用意しようと思います。

2004/05/23(日) 皐月源氏(2)
こちらが優妃のお支度。

今回は重ねまくりの一式。皐月源氏は初夏の頃合で暑いこともあるのですが、今回は非常に涼しく、装束にはうってつけでした。

下から

麻の半襦袢

羽二重の白小袖(但し化繊)

緋の長袴

躑躅(つつじ)のひとえがさね
  蘇芳の幸菱のひとえ
  白生絹無紋のひとえ

菖蒲(しょうぶ)の三つ衣
  薄色の藤立沸のひとえ (薄色:薄い紫)
  牡丹色の繁菱のひとえ
  萌黄の菊桜のひとえ

二藍の藤立沸の小うちぎ 当て帯

「つつじ」「しょうぶ」とある通り、今の季節の重ねです。

全体を比翼仕立にするとか、少しずつ上の衣の小さく仕立てることで均等に重ねを見せる仕立て方がありますが、これは全て同寸で仕立てられています。従って、あちこちの重ねで見える幅が不均一になっています。
蘇芳と白生絹は単衣仕立てなので、一番長くて5尺あり、このため、後に裾が見えています。
襟下の部分が一番綺麗に全色見えています。

2004/05/22(土) 皐月源氏
「源氏物語の夕べ」という装束を着て楽しむ会があります。
京都の装束店レリコ様の主催。
これが東京は王子の神社にて行われました。

開催日は23日の一日きりでしたが、写真の掲載関係上、22日分の日記にも掲載します。

実際には22日には着用する衣の仕上げをしていました。

こちらは泰の君の勇姿。作成者曰く「ブルーハワイの直垂」。
裏が鮮やかな青で表が白の三重襷紋。南氷洋のようなイメージです。

2004/05/20(木) 習い事
和もの関係では「習い事」は色々ある。
まずは、着付け、そして和裁。
立ち居という面では、茶道、華道、香道、小笠原流なども。

優妃はこのどれも、門を叩いたことがありません。
にも関わらず、着物を着て、着物を縫い、花をいけて、お茶を点てます。
車の運転と異なり、「免許なくして行うべからず」というものではありませんので、なんら問題はないわけですが。

もちろん、全部独学や本というわけではありません。
着付けと和裁は仕立もしてた祖母から。
茶道、華道は何枚かは許状を持つ母から習いました。
着物の立ち居は同行することの多い母から。

といっても、お稽古のように順序立てて習ったわけではありません。だからところどころしか知らなかったりします。

でも、それでも済むように思います。
茶は点てて飲むだけ、花は長持ちさせて、それなりにまとまっていれば良い。着付けは小物が落ちてこなければ良いし、和裁は裂けてこなければいい。

自分で楽しむ分にはそれでいいのかなと思う今。

5月絵日記の続き


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