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2004/04/21(水)
呉服屋めぐり
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所要があって東京に出た。 一旦出てしまうと、やはり呉服屋はチェックして歩きたくなるもの。 所要がメインなので、久々にスーツ姿。東京の気温は夏日を記録しそうな勢いで暑かった。着物の季ではまだ袷だが、単でも暑そうな日だった。 渋谷: 春に仕立てた着物の支払いに行ったのだが、行ってしまえば、色々と見せてくれる。来週が法事だという話から、「喪服帯が終わったら、こんな帯はいかがですか?」と縮緬地に家紋をロウケツ染めしたものを見せてくれた。夏に向かって塵除けコート用にと透ける紗に柄を織り込んだレースのような反物もあった。白生地だが、白のままだと目立ちすぎるので染めた方が良いとのこと。こんなコートを着て歩いたら、さぞかしステキだろう。 来週になると夏物に変わりますので、またお越しをと。 銀座: 銀座最大の本屋ブックファーストに行ったのが運のツキ。 このビルの階下には数軒の呉服屋が入っている。
一軒目の店は早や夏物が広がる。透けの強い紗が欲しいといったところ、見事な縦縞の黒紗が出てくる。「襦袢の柄に凝るのよ」というので、縦に織でグラデーションした襦袢を重ねて見せてくれる。見事に浮かんでくる。普通の横絽を重ねると格子状態。上品をいう意味では襦袢は紗が縦絽が合うようだ。 手放しがたかったのが夏帯。白地の小葵紋地に臥蝶丸が薄花田、萌黄、朽葉で浮き織りされている9寸帯。6.6万円という手ごろさにも食指が動きかける。 そして、自分の担当氏に初めて会う。若い女性であった。なぜ知らないかというと、最初に見立ててくれたのは年配のオバちゃま。今日も2人組で見立ててくれた。見立ての力は当然ながらオバちゃまの方が達者である。
二軒目。小物が中心のこの店。こちらも、ウィンドウは単だが、手前には浴衣や絹紅梅が早や出ている。そして、ワゴンには絽の帯揚げが。「染まってきたばかりですよ」という夏の帯揚げを物色し、縦絽も捨てがたかったが紅の絞りの色の美しさに横絽白地に紅のを買う。帯揚げは手ごろ価格過ぎて、財布の紐が・・・ 帰り際、2万円と4万円の結城紬が出ているのを見つけた。 機械織りだというが、結城特有のほっとするような温かみは同じ。無地の染めと、今の結城では見られないほど簡単な紬柄の。 高級な紬は売れる数が限られているので、どうしても機が遊んでしまう。そのときに織るのだという。もともと真綿の紬は普段着。今のような超絶技巧の高額な反物ではなかった。高額な着物は普段には着れない。この金額は「普段に着る着物」の価格だと思った。今の時期は単に仕立てると良いそうだ。 昨年は亀甲の結城紬もビックリするような安価に出ていた。 浴衣もここは本格藍染のもの。白地も藍地も薄花田色のも自然な色だからか、ホッコリする。これを見てしまうと、昨今氾濫するプリント柄浴衣は柄の勢いに「疲れる」と感じる。
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