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2004/04/14(水)
また寒く(私学の教育方針)
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「夏日を記録」といった翌日に「例年以下の寒さ」というのはなんなのか。体調が狂い安い。 4月は「なたね梅雨」というくらいで、雨も降る時節なので、ある程度は仕方ないが、この落差はあんまりだ。 今日は時節通りに袷の着物に袴に袷の長羽織姿。
添付はお姫さんの普段着姿。 小さくなった四つ身の着物を普段着にしている。振袖だった袖もいまや「ちょっと長め」程度。身丈は既に着丈に満たない。 といっても、逆にこんな腰丈に着るにはお端折りが少なくて便利。
話はとんで、「私学の教育方針」について。 週末、お姫さんは中学入試の模試を受けてきた。場所は某中学校の校舎。単に家から一番近い試験会場を選んだだけだったが、開催者の説明によれば、塾の施設を使うより実際の学校を使う方が子供の受験地の慣れにはいいそうな。 そして、漁夫の利なのか共生関係なのか、開催場所の学校の説明会もチャッカリ行われた。付添の親にとっては子供の試験中することがないので、丁度良いとも言える。 最初に説明した試験主催側の説明で「学校の選び方」の重要点の一つに「校風が子供にあっているかどうか」があった。 宗教系かそうでないか、自律型か規則型か、教育方針、建学の精神など。
そんな目で学校説明を聞いた。 開校13年の若いこの学校は逆に「学校とはサービス業なり」を実にシッカリと肝に命じ、教育方針も教職員の選定も優れていた。自律よりは規則型であるが、その中で成人したあかつきには自律的な社会人として有能な人物に育成することを実感させた。 主眼は勉学。とはいえクラブ活動も力を入れ、県大会や全国大会にその名を知られる部もある。進学率は高くかつ難関校への合格者が多い。部活に熱心な子でも東大に行ったものもいる。 まさに「よく遊び、よく学べ」を実現している学校である。
「いいなぁ」と思ったが、その後の「校内案内」中に意外なことに気づいた。体育館ではバスケット部とバレー部が活動していた。引率する教師の説明で「引退は高三の夏くらいです」と。結構ギリギリまで活動しているのだ。「ストレス発散にもなりますしね」と。ここまでは「フムフム」と納得。が、妙な予感が頭をよぎっていった。 「中高一貫のクラブは高二が指導する形ですか?」 「いいえ、顧問が指導しています」 引率教師は誇らしげに説明した。部活もシッカリと指導しているのがアピールポイントらしい。 最後に学校紹介の掲示板を見せてくれた。クラブの種類もある。数は少ないともいえるが、ある共通点があった。「師が指導するタイプ」である。文科系も琴や茶道などで、どちらも師の指導が基本である。美術部や理科研究会はきっと教師がつきっきりだろう。 私の出た学校の中高一貫の私学であったが、顧問というのは「部室の鍵の置き場の机の主」と「合宿時の大人の責任者」でしかなかった。年間活動計画から合宿のカリキュラム、合宿のチケットの手配、全て高二が統括する。「校則が3つしかない」で有名だが、躾は部の上級生を通して行われる。選択授業、能力別授業の選択は自分で行う。自らの力量を自ら自認し選択する力、下級生4学年を従えて部を運営する力が問われる。 高二の秋、文化祭が終わると次の代に席を譲り渡し、隠居する。 大学のクラブも同じであったが故に気づかなかったが、中高の部活でそんな運営をするのは学校の特色であり、どこの学校でもそうだとは限らないのだった。そういえば小学校の部活は教師が全てをやってくれて、参加するだけでよかった。説明会の中学もまた、そういう部活をする学校なのだと。
卒業して30年も経ってから、母校の真価に気づくというのもなんだが、母校の卒業生がきまって社会人となった後に、企業内で「黙って言われたことをする」のではなく「なぜ、そうする必要があるのか、経営方針は何なのか」にこだわり、ともすれば、経営に口出したくなる習性を持つのかわかった。
「会社で暮らしやすい、評価が高い」といえばこの説明会の学校なのだろうと思う。私の母校の生徒は優秀であっても暮らし難い。「会社には自律性、独創性のある人を求む」などといっても、真のソレを望む企業はいない。オノレの手のうちで頑張ってくれるようなを望むのだから。
が、そうでない教育を受けてしまった私は、こういう「親受けの良い子」を作る学校って好きじゃないなぁと思った。
また、その母親を見習ってしまって添付の写真のような破天荒な行動をする娘にもこの学校はきっと似合わないと思った。
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