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2004/12/03(金)
装束と着物の関係
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装束着用を好む人には大きく二手に分かれているように思う。 一つは「場所限定、飲食などもせず、ひたすら「着る」を楽しむ」初心者、入門期は必ずこうなるが、このタイプをそのまま継続する人も多い。実際は大半どころかほとんどがこのタイプ。 他方にあるのが「礼装などに着用できたら」という現実界へ踏み出すタイプ、更に「軽い飲食を伴う茶会」など。
後者を実現するのにネックとなるのが「立ち居振る舞い」。 着物によりも遥かに袖も長く、裄も長い装束の場合、着物以上に袖に裾にと気を使う必要がある。 「そんな、メンドイこと習わんでも、食事しないなら、問題ないでしょ」と言うのが維持派。別に悪いことではない。「どうやって楽しむか」が違うのだから。
面白いことに、装束は着物の延長にあるわけではないので、着物を着慣れていない人が装束を着ていることの方が多い。 そこから着物への途を歩む人もいるが、そうしない人もいる。
「着物を着る」というのは、「装束」から見ると、「舞を始めようか」「お茶を習おうか」というのと同じくらいの選択肢であって、密着した知識と思われていないようだ。
また、会合以外では装束を着用しない人も多い。いやほとんどだろうか。 自前で持っている人でもそう。 まぁ、現実の自宅で装束を着て座っていられる場所を確保できるかというと、不可能な家は多いわけで。(着物なら半畳もあれば十分だが、装束は2畳分の空間が必要。) 我が家でも、それは実現不能で、一応6畳分くらいの芝生の庭か、ちょっと離れた城跡の本丸広場が自前(?)の会場。 郷土歴史資料館の裏手になるので、比較的違和感のない場所。 数度の開催で資料館側とも意思疎通。
これを越えて卒業式のように「一般に立ち混じる」となると、結構難しい。 まず色系が、昨今の着物の柄よりも華やかで、かつ、着物よりも嵩が張る。目立つんですよ。 一部で卒業式にトライする人がいますが、なかなか勇気ある行動です。家族の反対などもありますから。 うちのお姫さんも父親の猛反対と、クラスメートのチャチャを危惧して着ない予定。某校では「女児は袴姿で入学式」といったことが一般的だそうですが、不幸にもお姫さんの通う学校は「中学校の制服を着て小学校の卒業式に臨む」という習慣。あくまで習慣であって、学校側からの指定ではないそうだが、制服以外のスーツ姿やワンピース姿でも敷居は高そう。 紺の制服の中で装束着たら、そりゃー、目立つでしょうね。 壇上の教師から人目でわかってしまう。
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