優妃 讃良の着物についておもうこと
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2004/12/20(月) 平安時代の更衣カレンダー
平安時代末期に書かれた「満佐須計装束抄」から、当時の衣類の更衣を追ってみました。行頭の月日は旧暦です。

4月1日 薄絹 単は白生絹。
   新暦ではだいたい5月初前後。
   丁度、暑くなってくる時期ですね。ここで袷が「練絹」の厚手のものから「薄絹」になります。
5月1日 捻り重ね
   単に仕立てたものを袖口や襟口で捻り合わせて一つにしたもの。着る枚数も減ります。
新暦では6月、今でも半袖に衣更えする季節です。
6月1日 単重ね
   もう単だけを3枚ほど重ねて着ているだけ。
   新暦では7月の梅雨明け頃、暑い盛りです。
7月7日 仕立は同じ単重ねですが、色が真夏対応です。
8月1日 単重ねに戻ります。色目には秋の草花の傾向 
     新暦では9月前半。残暑の時期です。
8月15日 綿入れぬ生絹 生地的には4月の初夏と同じ
9月9日 生絹に綿入れて。新暦で10月。もう「暖かい」が恋しい季節
10月1日 やっと練絹に綿入れての、いわゆる「十二単」な生地の時期。
     新暦なら11月。 袷の着物に羽織がほしい季節。
11月23日 五節とは今の新嘗祭に行われる祭り。
     ここから正月を越えて初夏になるまでは祝い色や梅の色など華やかな色を着ます。

生絹(すずし)を夏物、練絹(ねりぎぬ)を冬物とすると、平安の人は生絹を着ている期間が長いんですよ。旧暦4月1日から9月末日迄。新暦に換算すると5月初から11月初位まで。
衣更えを6月と10月する昨今よりも前後に1ヶ月長いです。
今の更衣だと5月の好天気には冬服は暑く、10月の冬服も暑い。平安時代の更衣カレンダーの方が今の現代人にとっても適切です。

さて、異常気象といわれている今年。旧暦と新暦が通常の1ヶ月ずれでなく2ヶ月近くずれていたのをご存知ですか?
練絹に着替える旧暦10月1日は、今年は11月12日だったのです。10月どころか11月になっても袷を着る雰囲気でなく、単の御召や大島なんかが着易いと思ったら、旧暦で見れば、まだ単の時期なんじゃございませんか。
気候は太陽暦よりも太陰暦の方がぴったりくるのではないかと妙な納得をした次第でした。   


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