優妃 讃良の着物についておもうこと
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2004/10/25(月) 昭和ヒトケタ再生産
先日、TVを見ていたら、「座卓よりもイス式テーブルの方が、子供が食事中に歩き回らずに良い」という仮説を実証していた。
座卓では、ウロウロして、親のお膳にまで手を出す子供が、高い子供椅子の上では動かずに。
そりゃー、子供椅子って、自分では、後に引けないから、一人じゃ降りられないのだよね。「動かない」ってより「動けない」って方じゃないかとも思ったが、その話を友人と茶のみ話にした。
「座卓だって、食事終わる迄は立ち上がるなんて厳禁だったよね。親の皿に手をつけるなんてまして」と私が言ったら、
「えっ?そんなことなかったよ」と友人。
続けて「ウチの子もそうで、困ったのよ」と続く。

エッ、エッ、何?、ソレ。最近の若いお母さんならともかく、同年代の人間に言われたことはナイ!
土地柄の違いかとも思ってみたりするが、遠く山形を生地とする夫とだって、この点に関しては同意見だし。

ふと気が付く。この辺では、20歳程度で結婚して子供を産むことが非常に多い。この友人も父親20歳のときの子供だという。計算してみると戦中生まれということだろうか。物心付いた頃には戦争が終わっていたという人間だ。
一方、ウチの父親は昭和一桁生まれ。当時まだ学生であったが、奉仕活動に駆り出されていたクチ。夫の父親は更に年上で、就職したばかりで、会社共々疎開してたという。

「昭和ヒトケタは頭が固くてウルサイ」とギャグにもされるように、戦前の四角四面な躾と教育を受けてきた世代だ。
私や夫の親は余り頭ごなしな押し付けタイプでなかった故に私や夫も気づいていないのだが、結構、それより若い世代の親たちが厳しくはしなかったようなことを叩き込まれていたらしい。

私にとっては、食事中には「トイレ」といった止むに止まれぬ用ですら中座厳禁から始まって、「廊下、階段で足音をさせない」「扉の開け閉めに音を立てない」「挨拶は・・」「正座は・・」「・・・に行くときの服装は」なんて至極当たり前に身に付けさせられた。
「当時は至極常識的なこと」と思っていたが、既に、親の年代によって差が発生していたらしい。

そういえば、既に七五三に着物を用意したり、挨拶周りをしたりする家はクラスでも半分位だった。正月に着物を着るのも同様。

問題は、自分という過去のことよりも、娘という未来の方なのだ。「常識」と思ってた私はそう躾けちゃったし、「正社員の定時が終わってからかけつけても間に合う」というだけの理由で選んだ保育園が、更に偶然にも、そういう戦前タイプに躾の厳しいとこだった。「願ったり叶ったり」とホクホクしていた私は、保護者達(って、20歳位で出産している若手はメチャ昨今のワカモノ)の「躾が厳しくて、やーよね」という愚痴の意味に気づいていなかった。

娘の世代、既に「自前の着物」で七五三を迎える子供は私の時代よりも更に少ない。正月に着物を着る家も電車に乗っている範囲では希少と言って良いレベル。
小学校の体験授業で「お茶道体験」したら、1時間程の工程に正座していられないもの、カッコつけたは良いがシビれて友人に支えられて行くものやら。
今はそれの方が当然だ。

まぁ、殿と気が会ったのも、きっと親がヒトケタ同士でそういう躾を受けてたってことも共感要員なんだろうから、娘にも、ヒトケタに育てられた親が育てた子供ってのに、出会えることを祈ろう。


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