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2003/09/12(金)
子供の着物
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子供の着物にどんな地質、どんな柄ゆきのを誂えるか:
子供は重い着物は嫌いである。 「汚すな」「皺になる」などといっていてもストレスだ。 更に、正月どころか七五三にしか着物を着ない子は草履も満足に履けない。正座も続かない。 (詳しく書くと話題がずれるので簡潔に説明。草履は鼻緒をはさんで履く履物である。下駄や草履を履き続けると、足の親指と人差し指の間に鼻緒型の隙間ができて、これがあるとないとでは草履類の履き心地は格段に違う。同様に正座も膝に正座癖ができる)
まずは「着倒す着物」が必要。夏なら浴衣。上等のでなくて良い。いっそプリント柄のミシン縫いので最初から洗濯機に放り込めるのが良い。冬は好みが分かれる。ナチュラル派は厚手木綿に。オシャレさんはポリ小紋に。ポリは汚れが落ちやすく、皺になりにくく、乾きやすいので秋から春には最適。吸湿性に難があるので、夏の子供物には向かない。 まずは着慣れることである。下駄もはきまくる。子供がTシャツとショートパンツに右近下駄を履いているのは結構かわいい。 夏も冬も肌襦袢も長襦袢もいらない。裾除けはできれば欲しい。
一方、これを練習とした「正月の晴れ着」はというと、「ちょっと良い化繊の縮緬の小紋」が良い。小紋は柄行に融通が利く。 あまり大仰でないので、「おでかけ」程度にも遣いまわせる。 振袖に仕立てれば、なかなかである。昨今不思議と「小紋の振袖」を見なくなった。昔は子供の振袖なんて皆小紋だったように覚えているのに。
とはいえ、そういう場所では「モノを食う」だから、「食べこぼしたら困るでしょ」なんて目をつりあげないで済むように「食べこぼしたら洗えば良いのだ」と思う生地が良い。
その上に絵羽振袖が来る。七五三とかは、やっぱりコレかなぁ。 でも、三つ身だ四つ身だという仕立てはすぐに着られなくなる。 絵羽は仕立て直しする用尺がないのだ。 見目さえよければいい、という意味では「安上がりの化繊」でいい。 逆に「きちんと本四つ身に仕立てて、成人式もコレ」というなら、正絹もよかろう。が、絵羽は無理。やはり小紋柄。 帯で派手にして正絹の無地というのもよかった。綸子の織り柄のいいので。一生物だ。 でも、きっと写真撮影したら、サッサと身包み剥ぐ運命だ。 そのためには、化繊の小紋晴れ着を用意して変わりに着せる。
「脱いだら、もう十分」なんて子には正絹なぞいらないと思う。 それまでの普段着物の着なれあってこそ、正絹の着物も活きる。
という私には、成人式まで正絹の着物はありませんでした。 7つの時に七五三用に仕立てた化繊の蝶柄の小紋を寸法を直してもらいながら着続けたのです。 中学からは母の若い頃の銘仙なども普段には着ていました。 晴れ着は高校辺りから、誰かのお下がりの中振袖。正絹。 んでもって、成人式はいきなり、一越縮緬の白生地に江戸小紋の伊勢型を選んで染めて貰う、フル・オーダーでした。
現在のお姫さんの衣装箱 0歳: 冬:ウールのアンサンブルの一つ身 夏:浴衣地の甚平 1歳: 夏:浴衣 蛍柄の紺地 3歳: 夏:浴衣 白地に花柄(伯母から贈物) 秋:三つ身の被布とのセット(伯母から贈物) 5歳: 夏:浴衣 キティ柄のしぼ地(化繊) 6歳: 夏:浴衣 赤地に団扇木綿 秋:四つ身の七五三用 キティの絵羽柄(化繊) 8歳: 夏:浴衣 大人物既製浴衣に肩上げ 秋:紺袴(リサイクル品) 9歳: 秋:オレンジと白の矢絣(化繊) 10歳:冬:古典柄小紋を中振袖に(化繊) 11歳:夏:浴衣 コーマ地に注染め本格派。お仕立て。
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