優妃 讃良の着物についておもうこと
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2003/09/30(火) 袴でおでかけ 大人の京都 留袖に会う
例によって袴でおでかけ。
といっても、近所のショッピング・センター。
母譲りの銘仙は赤地に白と黄と灰の丸が飛ぶ。これに濃色の袴。
そして、素足に右近の塗り下駄(「素足」なとこがゲラゲラ)

例によって、何箇所かで「何かのお帰りですか?」と聞かれる。
「好きなもので」というと「ああ、それは良いですね」と。
色々と理屈をこねてみたりしたが、案外この素朴な答えで十分なようだ。

ダンキン・ドーナッツでマフィン片手にコーヒーで買ってきた本を読み漁ること2時間。コーヒーのお替り。
「週刊源氏物語」「週刊神社紀行」「PHP別冊 ふたたびの京都」「別冊宝島 あさきゆめみし」「ジェニー:フランス人形風ドレス」「暮らしの手帖」

最近「大人の京都」という謎のキーワードが盛りのようだ。
ちょっと前までは、満足にお寺の由緒も書かれていないようなガイドブックばかりだったが、今はお寺の見所、料亭の体験とちょっとシックな京都巡りが流行なようだ。
京都は混んでいるようで、意外と観光客の行くところは限られている。が、こんなのが出ると穴場も混雑して風情がなくなってしまうこともあり危惧。
いきつけのおばんざい屋が今季はあちこちに掲載されている。
ただでさえ、地元民だけで混むのだから、ミーハーなんか来ないでくれぃ!あの店は狭いのだ!

「たんす屋」で見事な留袖に会う。留袖は結婚式位しか着る機会がないのだろうか。見事な京友禅の裾模様が美しい。
また、一方は江戸友禅だろうか、年代の経っていそうな風合い、比翼の生地すらもったりと質感のある手触り。前裾しかないから江戸褄だろうか。地味な風合いがまた良い。

2003/09/27(土) 秋になると着物の季節?
最近の着物関連サイトの口切りに「着物の着られる季節になってきました」というのがあります。
これは「夏は着物を着る季節ではないですね」と言っているのと同じ。

確かに着物暦の短い人や手持ち着物の少ない場合、袷から入るケースは多いので、夏用の着物は持っていない場合が多い。
しかも、夏用着物の着付けについて書かれた本はなかったりする。初心者のどれほどが夏の着物を着るには、肌着から小物に至る迄全てが違うなんてことを知っているだろうか?
まして「一つ涼しい、着物の着付け方」なんてのも。

肌襦袢は麻や楊柳、もしくは半襦袢で肌襦袢を省くとか、
帯板はメッシュ、帯締めも帯揚げも夏物。

この辺を袷のときのものを流用してしまうと暑い。
特に、正絹でなく、化繊を着る場合には下は麻かせめて麻混。

襟は前も後ろもぐりぐり開ける。訪問着を着るわけじゃない、その辺ぶらつく普段着なのだから。

でも秋は秋で色が多彩にできるし、襦袢や重ね襟の楽しみもあるので、袷の時期は袷の時期として、やはり楽しいのは事実。

2003/09/26(金) 平安装束で
我が家には、「木綿単衣の小ウチギ」という謎のものがある。
平安装束には、当時繊維としてなかった木綿はないし、まして、裏なしなんてものもない。

何かといえば「普段着」である。普段着の基本は「汚れても良い、洗えるのが良い」である。装束柄とはいい難いが、着物柄と言われればそんな気がしないでもない赤地に蝶の総柄小紋風。蝶の縁取りは金泥。もちろん、メーター380円の112幅はお安い。

普段着にそんなものを羽織っているのかというと、答えはYes。
着物は「小袖」といって袖を閉じているが、装束は「広袖」といって袖口側を閉じない仕立てになる。閉じない方が袖の取り回しは楽なのである。

などと、やってたら、キンコーンと来訪者。居留守を決め込もうかと思ったが、郵便屋の書留ではそうもいかない。
顔色一つ変えずに事務的に用をすませて帰っていく彼は、頭の中で何を思ったろうか。

今日のお衣装。モデルは瑛姫で。

2003/09/24(水) 若返り / 年齢相応のxx / 黒の着物
◆若返り
TV番組で立て続けに「若返り」をキーワードとする番組をしていた。
「おしゃれ工房」は40代、50代のモードメイク。
目元にポイントを置き、口角の垂れるのを強調しないようにか、口紅はソフト系がポイント。
目の下に白を入れるのも、くすみやすいところのカバー目的か。
続くは「一夜づけ」で「完成間近の若返りの妙薬」。某作家が45歳にして整形とアンチエイジング系の化粧品で20代に若返ると。
しかし、声はオバサン。声の若返りも開発すべきではと思う。
一番印象に残るのは、そんな薬や手術に頼った方法ではなく、「気力の充実」による実現。60歳を越えてなお、エベレストに登頂したジーサマの記録。「もう歳だから」で済ませようとしたら、90歳のオヤジはまだまだ現役で色々挑戦中ときては、子供が先にご隠居さんになるわけにもいかず、また「まだやれるの見本」が目の前にいるわけで。TVに移る顔は変な薬を使用して「若返った」などと言っている人よりもはるかに若々しい。

昨日、母娘でデパートにお買い物。着物のヤマトで店員が「えー!歳の離れたお友達かなにかかと思いました」と。別にお世辞じゃなくて、本当に驚いていた。
ドツキ漫才さながらの会話をする母娘ってのはいないのかしら。
はたまた、昨日の私の着物が高校時代に着始めた赤い地の銘仙だったからなのか。

◆歳相応の・・・
最近、「xx代の方に」といった年齢を目安とした洋服や和服のコメントが激減しているように思う。
洋服には顕著で、ハナコ族は今までのセオリーな年代向けの服を着ないそうだ。また、そう報道する画像にうつる子連れのハナコ族に、いわゆる「オバサン向け」はどうも似合いそうにない。
セオリー通りな「オバサン」が消滅したかというと、そんなことはない。洋服業界はこの多極化に臨む状態となっている。

もっとも、私が使うブランドは余り「年齢」という条件はデザインのポイントになっていないようだ。20代が着れば20代の、30代が着れば30代の服になる。実年齢よりも若く見える人なら、またそれなりに。もっとも、良い生地ときっちり体格に合ったラインは「いわゆる若僧」ではないことを物語るが。

着物は・・
本来、独身、中年、年配と色や柄に差がある。
平安時代の場合は寿命が短いこともあり、40歳で老人をあらわす白になる。その後、ずーっと白である。
といっても、摂関家はそれで70だの80だのまで要職に居座るのだから「袴が白くなってからが勝負どき」という気がしないでもない。
男の夏の直衣が顕著で、一口に「二藍」と呼ぶが、最初はほぼピンクといって差し支えない色に染める。その後紅の色をひかえ、藍を増やしつつ、藍に近づけていく。そして、藍を薄くして白に近づける。若い頃はやはり紅の強い方が合うし、歳を重ねれば、そういった色の方が自然と似つかわしくなっていく。

という優妃はまだまだ花田が似合わない。よく言えば、若々しい。悪く言えば貫禄がない。

利休茶とか鳩羽鼠といった渋い色が似合うようになりたいと思う一方、「オバサンにはなりたくないなー」とも思う。複雑である。

◆黒の着物
若い人を中心に黒を地色とする着物が流行っているそうな。
振袖にも黒地がある。赤だ青だと華やかな振袖に比べるとシックで良い。今風な柄行もあるが、縮緬地に友禅風の渋い柄が点在する付下げの親戚位のが黒の濃さが引き立って、ゾクっとする程美しい。
今の若い人は黒の洋服に着慣れているので、着物も黒という入り方らしいが、昔の着物にあるような五つ紋の振袖は黒を正式とする。瑛姫用には、そんな紋付振袖を作ってみたくなる。

といいながら、当の瑛姫は「伝統の職人展」で江戸小紋の職人と話しこんで「成人式は江戸小紋にする!」とのうたもうた。
はいはい、覚えていてね。
江戸小紋のいい柄のは、松屋に出入りしているアソコのかなぁ。
いつか買いたいと思っているが、瑛姫用でも良い。
江戸小紋はやはり錐彫りに限る。型錐を使う彫りぬきもあるが、錐彫りの方が好きだ。

2003/09/23(火) 袴でお買い物
「女袴普及部」に泰の君と共に入部届け。
我が家は袴は常着。帯をしないで済むので楽。

但し、これで、業者さんとか来ると、「??」
先日、外壁点検の業者が来た上に、水道工事の
人まできた。異口同音に「何かのご関係ですか?」
とのたもう。
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まずは上尾のキンカ堂。化繊の着物の品揃えに関しては、仕立て上がりも反物も私のテリトリーの中では一番! 
今日も、私用に葡萄色の江戸小紋、姫用に黒のとび柄小紋の単を調達。単の仕立て上がりの数ったら、他に類を見ない。
 
しかも、ウール着てたら「暑い」といいだしたので、トイレでこの単衣に着替えさせてしまった。 
黒って地味かと思ったけど、ピンクとウコン色の花に白の枝の描き絵風のは意外にもキュート! 
 
次に同じ上尾はアリコベール丸広へ。丸広って川越の老舗百貨店なのよね。 
ここで「伝統の職人展」をやってて、職人達が実演販売。浮世絵や金象嵌の実演見たり説明聞いたりして、江戸小紋のとこで物色だけして、結城紬のB反を5万円でゲット。「120山」とかって、すっごい細かい紬なのだけど、紬の糸染めの際に結んでた糸がほどけたとかでいくつか柄抜け。 
これがなければ120万円くらい売るものだとか。 
手織りだと更に180万円位になるという。 
更に大宮に移動して、そごうでは「伝統の京都展」京都のしじみの佃煮とみすやのまち針を買う。みすやのまち針は高いけど、布にダメージがなくすっと入ってとっても好き。 
 
そして本日のお着物: 
私:赤に黄色と白の丸柄の銘仙に松葉色の袴。 
  袴下の帯は黒地に金の織柄 
  葡萄色の銘仙風の長羽織 
  長襦袢は黄色に四君子の総柄(の化繊) 
娘:(着替え後) 
  黒地にピンクと薄黄色の花に白枝の小紋 
  紺の袴。帯なしで伊達締めは萌黄色。 
 
シメは近所のCoopでお買い物。トイレに行った娘は出てきたとこを、ばーちゃんにつかまって「何かの帰り?」と聞かれたとか。 
「趣味です」で開放されたという。 
「趣味です」っていい答えかも。 

2003/09/22(月) 衣替え
台風と共にいきなり秋です。
雨の前は、真夏日を更新してて、「1週間毎に着物の季は変わる」などというのを全部無視して平気で絽だの、麻襦袢だのを愛用していたけれども、もう単でも寒い状態に。
袷を急いで出さなくては。

毎年思うけど、衣替えの10月には、ちゃんと長袖に合う気候になるから不思議。

写真の着物:
付下げに常盤色の袴にて双六をする図
右肩後ろからの模様が思ったより華やかなことに今更気づく。

2003/09/21(日) 何にもしない、をしよう
今日も雨です。
何もしないで終わりました。

トピックス。
泰の君がチャイナ服のコーディネートに挑戦。
裾が長いので、お端折をして、更に、寒いので上に着物を着るという礼服(らいふく)姿。(のつもり)

本日、気候は「10月下旬並」とのこと。

こちらも単に長襦袢に単羽織では寒かった。もう袷着てもいいのかなぁ。

2003/09/20(土) いろは組 発足
168cmの長身着物好きで「いろは組」発足。
「168(いろは)」というわけ

2003/09/19(金) 親族とは −兄弟はアテになるのか −
田舎においては、本家をトップとするピラミッド構造はまだまだ健全に機能しているところがある。
冠婚葬祭やら跡継ぎ問題、婚姻といったものが「親族会議」で決まる。
昔ほどは独善的ではなくなり、親族間に迷惑の及ばないという範囲において寛容な対応をするようだ。

たとえば、恋愛結婚の相手の男が結婚を前に遠隔地に転勤になることになった。なぜかここで結婚をこのまま進めるかを決めるのが親族会議だったりする。一時は「そんな男は止めた方が良い」と迄話は進む。しかし、結局、当人同士がよければとなった。

子供のいない家の財産を誰に引き継がせるかもここで決まる。
養子縁組するなどで親族の中から跡継ぎを割り当てて継がせる。
優妃の親族には、このパターンが結構ある。さしたる財産では
ないが、零細企業にとって、なけなしの財産の散逸は危機。
わけのわからない配偶者の縁者などに渡って二束三文で処分だれてはたまらないから。

似たような考え方で「子供は一人っ子よりも兄弟が居たほうが良い」と思っている人間は多い。なんとなれば、「兄弟でしか話し合えないもの、負えないものがあるから」だという。
優妃は一人っ子。最初から兄弟がいないので、いたらよかったと思うことはない。知人の例を見れば、兄弟がいたって、あてになるとは限らん奴もいる。なまじ兄弟で、それなりに責任があるんじゃないかと思うだけに腹の立つことおびただしい。
「兄弟でしか話せないこと、頼めないこと」をどうするか?
私の場合は、赤の他人でそういうことが可能な相手を求める。
愚痴を聞きあう相手あり、子供の面倒をみてくれる相手あり。
およそ、こちらから見て「兄弟にしか話せない」ことについては、ちゃんと相手がいる。従兄だったり、赤の他人だったり。

実はうちの親族は綺麗なピラミッド構造をしていない。
母方は上が女2人、下が男3人の5人兄弟。今は亡き祖母を看取ったのは末っ子。末子相続みたいなものだ。
更に祖父には従妹がいて兄弟同然にしていた。この世代で一人っ子同士で他に身寄りがないというのも希少だ。
この祖父の従妹は単なる伯母的存在を超えたつきあいをした。
中でもうちの母は娘同然の扱いで、引き続き私が孫同然。
実の祖母の方には母の姉の娘がべったりと孫どころか娘然とついた。こちらの葬儀の際に喪主やその兄弟をさしおいて孫が遺骨を運ぶという一般ならわしにはないことを実行した。

対する父方。優妃の父は長男。元は祖母と同居しており、弟夫婦が隣家に住んでいた。引っ越す長男一家に対して居残った次男夫婦は必然的に祖母の面倒をみるようになった。
実質、本家家長の座は次男の上に。ただし、性格的には次男の方が家長向きであった。そしてこの叔父と性格が同調するのが私。棟続きの隣家に住んでいたこともあり、親子に近いつきあいをしていた。性格的にも私は父よりもこの叔父の方に近い。
そして、叔父の娘息子よりも叔父に近い。
かくして父から叔父に移った家長権の継ぎ先は実質私状態。

傍から見れば複雑怪奇である。「親の面倒を見ない長男」「親より叔父と仲のよい娘」「母親をさしおいて祖母と睦む孫」「祖父の従妹という『大叔母』」単純ピラミッド構造からは理解できない構造である。
その中で、ちゃんと診るべき人も相談する相手もいる。

でも、単純ピラミッド構造の親族体制の中にいる人には見えないこともあるようだ。

今日はどちらの家の紋もしょいたくないから、おしるしの「水に橘」

2003/09/18(木) 家紋
分類分けに困る話題になってしまった。
1.家紋
  「そういうものだ」と思い込んでいる人なら困ったり悩んだ りしないに違いない。
  結婚後に作る紋付は嫁ぎ先の紋。腰入れ時なら実家の紋。
   ところが、どっこい、日本の習慣というのは一意じゃないことが段々わかってきた。関西には「女紋」という習慣がある一家の紋が男系で伝えられるように女系で紋を伝えていくという方式である。平安時代、貴族の財産は女性に譲られた。
  男は女性が相続する財産のとこに「通う」わけである。
  その考え方が残るのか関西は女性方のご先祖が誰かなんてことも大事にする。
  関西の習慣を紐解いていくと、こんな風習のある家のあることまでわかってきた。
  家の家紋は長男が継ぐ。妻は女紋。長女は母親の女紋を継ぐ。そして、次男、次女以下は新しい紋になる。
  次男、次女以降の紋が決まるのは最近では「生まれたとき」「結婚時」「成人時」など不定のようだ。
  お正月のお椀の話である。一家のお椀の紋はバラバラ。どこかの別姓反対論者が怒りそうな事態だ。
  次男以降の紋は次男が結婚して独立した暁にはその分家の紋になる。
  次女の紋は腰入れ時の支度品につける紋として。
  文献の情報だけではない。母方の祖母は次女であったので、女紋を継いでおらず、結婚時に決めたらしい。
  関西の知人は成人時頃らしい。今は茶道具などに紋をつけている。結婚すれば正式に分家の紋になるのだという。

  ところで、「家紋」の目的とは「同じ一族であること」と「他の一族と区別する」ことに一つ意味がある。
  「一族で集まる」という目的の場合はやはり同じ紋が良い。
  お公家さんの習慣を見てみるとこの辺の回答がある。
  「背負う紋を場によって変える」のである。一族打ち揃うなら本家の門。分家単位での集まりなら分家の紋。
  サラリーマンが勤務中には会社のバッチつけてるのと同じ。
  逆にプライベートに勤務先情報をひけらかすのは野暮である。
  お公家さんはひけらかすと、いらん気遣いをしたりされたりするので、自分ちの本当の紋は友人程度には滅多に見せない。逆に「友人であること」には全く不要な情報なのだし。

  そうして自分を振り返ってみる。
  「旧姓」の私がいる。長男であった父は一人っ子の私を跡取りとして育てた。私にはそれなりのプライドが出来ている。叔父夫婦とその下の従妹弟達、外戚となる伯母夫婦と従兄姉達さらにその子供達。これらの頂点に立つ私。結婚して改姓してなお、やはりある。
  「戸籍名(婚姻姓)」の私がいる。その姓を生まれながらに持つ男性の妻として、また同じく生まれながらにこの姓を持つ娘の母として、更に、この姓を同じくする一族の一員として。また、それを長男である夫と共に跡継ぎとして継承するものとして。
  「優妃 讃良」の私がいる。「親戚」という単位に属さない。私は私」である私がいる。
  ちょっと面白いことには、戸籍名の娘の母は戸籍名の私だが「泰の君」を名乗る彼女の母は「優妃 讃良」である。

  と考えると、紋付は3つ欲しい。実家の総領としては、実家の紋だし、婚家の冠婚葬祭はやはり婚家の紋で。更に、優妃 讃良の紋も欲しいし。更に公家の中で個人の所有物を意味する名札代わりな「おしるし」も欲しい。

  おしるし:優妃のおしるしは橘に流水。泰の君は亀甲花菱。装束類につけられている。集まるとなると同じかばん、同じ袴、同じ小物。と区別がつかなくなる。記名なぞ無粋。

9月絵日記の続き


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