優妃 讃良の着物についておもうこと
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2003/11/24(月) 着物の裄と丈
着物の裄と丈の話。
私は168cmで洋服の袖丈が78cm。
そして、着物の場合は、裄が1尺7寸5分(66cm)である。

ところが、最近の呉服屋、特にチェーン店系での採寸は大きめに測っているように思えてならない。
ぶら下がりの浴衣も同様。身長160cm位の子を想定して、裄が70cmなど、ものすごい長い裄である。

着物の裄は手をまっすぐ真横に上げて首の骨から手首の骨までの長さを測る。洋服の場合は、手を下げて、肩、肘を通る折れ線の長さを測る。この長さは随分と違うのは道理。

そういう着物の習慣を知らない人は洋服感覚の袖丈を欲しいと思うらしい。というか、オソロシイことに「そう思うらしい」と勝手に憶測する呉服屋まで出てくる。

リサイクル着物が流行りだが、こんなことに阻害されて「着られない」「親戚や親からのお下がりももらえない」なんて思っているとすると、随分もったいない話だと思う。

私がそういう店に入ろうとすると、「お客様の身長では合うお着物は当店にはございません」などと玄関払いする店もあったりして、失礼千万だったりする。

日本橋三越で仕立上がりの着物を見立てたときも、店員は「お丈が合いますでしょうか?」と心配顔で試着させてくれた。
(さすがに門前払いするような失礼な真似はしない)
裄丈が十分なことがわかると、その人の顔が安心にほころんだ。
「着慣れていらっしゃるのですね。」
それを「着慣れている」と言うのだろうか。
そういうことかもしれない。

祖母が私のサイズをこれだと決めて、下げた手がニョッキリでようが、そういうものだと思ってきたこと。それがゆえに、肘を引いて、袖口に手首をあわす癖とか、そういうのを「着慣れている」というのかもしれない。

ぴったりサイズの筈の付下げが、こんなに手が出てるわけだし。

2003/11/17(月) 着物と経済観念
週末に呉盟会で買ってきた帯を仕立てる。名古屋帯を芯なしで。
薄いながらも西陣の織物。装束で言えば二倍織物の類。
帯板を入れれば十分だろう。
文様は有職の立沸柄。元値から半額はお値打ち。

さて、本日は、もう一点。「経済性」について考えたい。
着物を着ていると「お金持ちに見られる」または「お金持ちぶって」などとも言われるらしい。ムキになって「これはリサイクル屋で500円で買ったのだから、あなたの着ている洋服より安いのよ」などと返す人もいるという。
まぁ「お高いんでしょう?」といわれたときの想定金額がいくらを想定しているのかわからないけど、言った当人が、ブランド物の服やバッグを持っての言動だとすれば、「あなたの着ているものと同じ位よ」でいいような気もする。

化繊の反物なら3900円。これが12mだから、325円/m その辺の生地屋で売っている木綿の生地だって300円から700円位である。
生地幅が着物は半分だから、換算して650円/mといってもまだ同程度。

よしんば、正絹小紋着てたって10万円がとこ。よそゆきの衣類なんて、結構それくらいのを着ている人はいる。

まぁ、問題は、着物を知らない人にとって、見えているのがこの10万円の小紋や100万円の振袖だってこと。化繊のミシン仕立ての着物が仕立て上がりで5000円程度で出回っていることは知られていない。浴衣だって、洋服で言うとこのアッパッパーな粗雑なミシン仕立(洋服の普段用の安物と道程の縫製品質)だと、3900円くらい。洋服の似たようなもん買ったって、やっぱりそれくらいはするもんである。

呉盟会もその辺を狙っているのか、留袖、振袖、訪問着といった類の場所を抑え、「しゃれ帯」と称して名古屋帯を所狭しと置き、小紋や紬類の売り場も大きくしていた。
彼らは「日本の職人さんたちが作ったものを提供する」のであるから、ちょっと高めなことはしかたがない。
が、これはこれで一つのランクとしてあって良いと思う。

問題は化繊や木綿市場なのよね。どっかでがーっとまとめて「きもの市」でもしてくれるいいと思うのだけど、どこも継子扱いで積極的な宣伝すらしない。

今、着物を着ようとする人は増えている。子供だって「わぁ、着物」と見れば寄ってくる。「着てみる?」などといえば、飛んでくる。ソレくらいに着物を求める人は増えている。
が、彼らの手の届く範囲にまだ着物は来ていない。
普段着ているものだって、木綿や化繊じゃないか。背広やスーツをバシっと着ているのは会社で位だ。そういうスーツランクじゃない着物をもっとアピールして欲しい。

2003/11/14(金) 袖のない着物
お姫さんの依頼でこんなものを仕立てた。
袖なし。見えていないがつい丈で膝上丈。身丈は70cmほど。
上に羽織を羽織れば着物と区別がつかない。

袴もないと、どっかの忍者くの一のよう。
夕刻はその忍者姿で居間でねっころがっていた。

2003/11/09(日) 六義園 秋の宴
東京駒込の六義園にて装束の宴を行う。
外から見ると、平安空間へのタイプスリップ場面なのだろうか。
中は茶話会に過ぎない。

午前中は装束の立ち居振る舞い。立つ、座る、食べるの基礎。
特に何流という作法ではないが「より綺麗に見える」「踏まない」「こぼさない」ができる最低限の動きを参加者で模索する。

午後は点茶。裏千家の母から「点てる」ことだけを教わった程度の人間が亭主をつとめる。大胆この上ない所業。
近江君の曰く「茶は粗相をしないための『マナー』でしかない。型はそんなに大事なことではない」と。
今日がお初の楓の君も、そういう意味では難なく飲む。
そんなものなのかもしれない。

とはいえ、ボケかまさないのと、相手に粗相をさせない気配りとしては、亭主の所作はやはり本で読んでおこうと思う。
相手に茶道の心得がある場合に、逆にギクシャクしそうなので。

お詰めは一保堂京都寺町本店。
棗は赤蓋。東京日本橋三越本店。
茶碗は幸菱。新宿一心堂。

お菓子は心様持参。京都の和菓子。

2003/11/04(火) 羽織袴の下の着物
袴をはいて、羽織をはおると、着物で見える場所は、胸元ばかりとなる。
2尺足らずのハギレがあったので、これで「前だけ着物を作ってみる」
1尺2寸幅の反物の端から襟を取る。
肩幅は4寸5分。背縫いなしの9寸。洋服的袖なし状態。
後ろ身頃もなし。襟で左右の前身頃をつなぐ。

単体だと滑稽な姿だが、袴と羽織をつけると、見事に隠れる。


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