優妃 讃良の着物についておもうこと
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2003/10/01(水) 衣替え 失われる伝統工芸
本日より衣替え。袷の着物になる。先日までの暑さとうって変わって、袷でも平気になってしまうのは毎年のことながら不思議。

雑駁に着られる化繊の安物の着物も良いが、着慣れてくると、やはり伝統ある工芸品には心牽かれるものがある。

江戸小紋、長板中染めなどは伊勢型と呼ばれる江戸時代、伊勢で彫られたためにそう呼ばれた錐彫りの型から染められる。
彫るのも技術ならば、これを継ぎ目もわからぬ様染めるのも技術。機械にはできない精緻な手工業である。
「いつかは」と思い、それはずーっと先で良いのだが、困ったことに「この職人さんのはもうこれまでです」というのをあちこちで聞く。御歳を召して廃業もしくは死亡されて後継がいらっしゃらないという。今の若い人から見ればワリの合わない商売である。もっと簡単にもっと高額な収入を得る方法はいくらでもある。跡継ぎのない方は多い。

買う人がいれば続くのだろうが、牽かれるものは高額となり、とても手が出ない。きっと一生のうちに欲しいと思った中の数点でも買えればいいという状態だろう。

今の手持ち、
・正藍染めの長板中染浴衣:
  錐彫の伊勢型で牡丹を描く。点描が濃淡をあらわす様は見事
  正藍はちょっとおっとりした薄めの藍色。
  こっくりとした藍色も良いがこちらの方がほっとする色。

・江戸小紋:
  正統派の鮫や行儀ではなく、大小あられ地に梅が枝の大ぶりな柄が描かれた伊勢型の。色は正統な柿色。
  成人式に着たときには四十に見えたが、今着てもやっぱり四十である。

  生地は近所ということで親しくしていた方からの形見の品。
  土岐家の末裔(いや、その方がお輿入れされた頃はれっきとした華族)の持ち物であった一越縮緬は江戸時代に織られたもの。
  今のものとは生地からして違う。
  これを、近所の呉服屋(ガラス扉のある正当呉服屋)で染めた。

・結城紬:
  茨城県結城市の織物工場で織られた機械機によるもの。
  「120亀甲」という昨今の高級結城紬としては一般の細かさ。
  といっても、120亀甲はとてつもなく細かい。1尺の幅の中に
  120の亀甲柄が並ぶことをもってそう呼ぶ。細かさの単位。
  残念ながらB反。B反だからこそ手が出た。正値で120万円にも
  なるものは一生かけても買えない。
  絣を作る糸の括りが一箇所ほどけて柄が抜けた。
  糸は一箇所でも複数の経糸が括られるので計7ヶ所に及ぶ。
  うまく仕立てられればほとんど表に出てこなくなるというが
  反物として売るときには二束三文なのである。ちなみに5万円。

・大島紬:
  母のもの。きっといいものなのだろうけど価値不明。
  黒っぽい藍色の伝統的な色のものと赤が点々と散るのと二点


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