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2003/10/25(土)
初心者へのオススメ着物(1)
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最近、着物が静かなブームになっている。 そうすると「七五三以来着た事がない」とか「成人式もレンタル品を着付けてもらって」という人も「着物を着てみようかな」と思うようになってマスマス増えていく。 「母親や親戚からお古を貰った」という幸運な人は良いが、「見回した範囲からは着物を入手できない」なんてことも多い。 私の七五三のとき、着物を誂えたのはクラスの約半分だった。主に祖母などと同居もしくは近在に住む場合の家に多く、地方から出てきたような核家族世帯は、着物は誂えないという傾向が始まりかけていたような時代だった。そんな核家族の家の母親が普段着の着物を持っていよう筈もなく、今更、娘が「着物を着たい」といっても出てくるわけもなしという世帯はいくらでもある。 幸運にも母親の手持ちがあっても、娘の発育が良くて着られないこともある。 まぁ、そんな「一から入手しないといけない」組がどうするかというと、まず呉服屋に行って、余りの高さに逃げ帰ってくる。 そして、インターネット等で情報を仕入れて次に行くのが、リサイクル屋。一昔前のものであるから、昔の標準サイズでない人間は運試しに行くようなとこでもあるが、うまいぐあいに気に入った柄や合うサイズがあれば破格値で着物を手に入れることができる。「KIMONO姫」などアンティーク着物のコーディネート本も出ているおかげで、銘仙や昔風の柄行きの縮緬などが好評らしい。
そういうのを見ていると、危惧することがある。 「襦袢類は着なくてはいけないのでしょうか?」とか「家で洗えますか?」という質問。 いくら安く買えても、正絹は正絹なのである。 丸洗いに出せば5000円也の値段がかかる。洗い張りに出せばもっとかかる。正絹というのはそういうものなのである。 だから、正絹を着るときには「汚れないように着る」ことが最重要点になる。襦袢を着ること、そして襦袢だって絹だから襦袢自体を守るだけに裾除けや肌襦袢を着る、着物の上には羽織や道行などを着て、埃などから守る。それが「絹を着る」ということ。 たとえ千円で入手したリサイクルの銘仙だって同じ。
夏の正絹絽の袴を丸洗いに出して5000円。同じ頃、リサイクル品のウールの袴を5000円で購入。 正絹の袴を履くのって、「毎年、リサイクル品の廉価品を購入し続けるのと同じなんだ」と思った日。
これは正絹付下げ。こういう日は注意を怠らない必要がある。
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