優妃 讃良の着物についておもうこと
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2003/10/29(水) 水屋袴完成
一日、裁縫にいそしんだ結果、水屋袴の出来上がり。
なぜか手縫いしてしまったので、思いのほか時間がかかった。

股のところが縫われておらず、空いている形。
なので、トイレに行くことも可能。
本当に「水屋着」と同じでエプロンのように「裾を汚れから守る」ためのものらしい。

履いてみると、裾をおさえずに動けるので、なかなか快適。
1階の洗濯機から二階のベランダの物干しまで楽々。
これは便利だ。

2003/10/28(火) ちくちく縫い物
昨日買ってきた本から、今日は布を買ってきてチクチク。
もうすぐ、三幅の袴ができあがる。しかし、指貫は八幅。とんでもなく広いのだと、今更ながら実感。

2003/10/25(土) 初心者へのオススメ着物(1)
最近、着物が静かなブームになっている。
そうすると「七五三以来着た事がない」とか「成人式もレンタル品を着付けてもらって」という人も「着物を着てみようかな」と思うようになってマスマス増えていく。
「母親や親戚からお古を貰った」という幸運な人は良いが、「見回した範囲からは着物を入手できない」なんてことも多い。
私の七五三のとき、着物を誂えたのはクラスの約半分だった。主に祖母などと同居もしくは近在に住む場合の家に多く、地方から出てきたような核家族世帯は、着物は誂えないという傾向が始まりかけていたような時代だった。そんな核家族の家の母親が普段着の着物を持っていよう筈もなく、今更、娘が「着物を着たい」といっても出てくるわけもなしという世帯はいくらでもある。
幸運にも母親の手持ちがあっても、娘の発育が良くて着られないこともある。
まぁ、そんな「一から入手しないといけない」組がどうするかというと、まず呉服屋に行って、余りの高さに逃げ帰ってくる。
そして、インターネット等で情報を仕入れて次に行くのが、リサイクル屋。一昔前のものであるから、昔の標準サイズでない人間は運試しに行くようなとこでもあるが、うまいぐあいに気に入った柄や合うサイズがあれば破格値で着物を手に入れることができる。「KIMONO姫」などアンティーク着物のコーディネート本も出ているおかげで、銘仙や昔風の柄行きの縮緬などが好評らしい。

そういうのを見ていると、危惧することがある。
「襦袢類は着なくてはいけないのでしょうか?」とか「家で洗えますか?」という質問。
いくら安く買えても、正絹は正絹なのである。
丸洗いに出せば5000円也の値段がかかる。洗い張りに出せばもっとかかる。正絹というのはそういうものなのである。
だから、正絹を着るときには「汚れないように着る」ことが最重要点になる。襦袢を着ること、そして襦袢だって絹だから襦袢自体を守るだけに裾除けや肌襦袢を着る、着物の上には羽織や道行などを着て、埃などから守る。それが「絹を着る」ということ。
たとえ千円で入手したリサイクルの銘仙だって同じ。

夏の正絹絽の袴を丸洗いに出して5000円。同じ頃、リサイクル品のウールの袴を5000円で購入。
正絹の袴を履くのって、「毎年、リサイクル品の廉価品を購入し続けるのと同じなんだ」と思った日。

これは正絹付下げ。こういう日は注意を怠らない必要がある。

2003/10/24(金) 初心者へのオススメ着物(2)
25日のが1で24日のが2です。

初心者が最初に手に取る着物は何が良いかという話になると、よく出てくるのが「ウールの新品、もしくはリサイクル品」という。
リサイクル品のウールの着物は500円とか千円で出るので、ホンの出来心で買うには良い金額である。
冬場に向かって「暖かい」という利点もある。
そして、昨今の流行が「普段着として着たい」という意味ではうってつけの柄でもある。
洗濯はクリーニング屋で可能だし、頑張って自力で手洗いすることもやってできないことはない。

でも、私はウールが嫌いである。滑りが悪いので、足さばきが悪く、化繊の襦袢でも着ようものなら、冬場は静電気大増発である。襦袢もモスにすればいいが、完全に着物はすべらなくなり、歩幅は着付けたときの幅以内になる。不愉快この上ない。

そして、季節外保存には防虫剤がいる。うっかりするとすぐ虫に食われる。さもなければカビが生える。
正絹というのはよくできたもので、虫は他人の幼虫やサナギは食べないのが普通である。だから蚕のサナギを素材にしている絹は虫に食われ難いのである。しかも、絹は高いから、桐箱などそれなりに金のかかった保存箱に入れようなんて気も起きる。
どうも、「メンテ費用は購入価格に見合った金額」という思い込みが起きてしまう。
500円で買った着物の洗濯代なんて500円位であって欲しいし、保管用にもやっぱり500円位の箱で済ませたいというわけである。

私が思うに最初は化繊の着物が良いのではないかと思う。
ウール風や紬風が良いならそういうのを、銘仙風、正絹友禅風、何だって今はある。好みの趣向のを選べばよい。
最初は仕立上がりを。そのうちに「もう少し大きいのを、小さいのを」とわかってくるので、何枚目かには仕立てると良い。

昨今の化繊は出来が良い。昔の「すべりやすくて着付け難い」ということはなくなった。軽い分、楽な気がする。
洗濯してもすぐ乾き、アイロンいらず。最初はどうしても、食事をしても家事をしてもどこかで汚してしまう。でも「汚さない作法」よりも先に「着物を着ていることの快適さ」を知って欲しい。「汚さない作法」なんて、その後でいい。
昔を考えて欲しい。庶民は汚さなくて済むようになる時期までずーっと木綿の着物だった。
つまり「洗って汚れを落とせる着物」である。
今の感覚なら、それを化繊に頼って良いと思う。汚れ落としに関しては化繊の方に軍配が上がる。

仕立上がりの化繊の着物は実はとても安い。場所によっては4000円位からあり、1万円出せば、十分にまともなものである。
そんなのから、始めると良いのではないかと思う。

ちなみに私の着物歴では、
1つ身: 祝いモノだからか正絹
3つ身: 化繊小紋。親戚を遣いまわして、今はどこにいるのやら
4つ身: 化繊友禅小紋。本四つという仕立にして、成人式迄着る。
振袖:  正絹絵羽。これも親戚の周りモノ。元旦にしか登場せず。
成人式: 正絹江戸小紋。やっと自前の正絹モノ。

  というわけで「着物を着る」といえば、四つ身時代からの着物がずっと登場。食べこぼしたといえばツマミ洗いし、雨上がりの道を歩いて後ろに泥はねしたと言ってはツマミ洗いした。

娘の着物歴:
一つ身: ウール・アンサンブル。生後3ヶ月なので、化繊はね。
三つ身: 化繊セット。伯母からの貰いもの。3つの祝い
四つ身: 化繊絵羽。キティの柄に私が気に入って。7つの祝い
     化繊ピンク矢絣。リサイクル品。
本四つ: 化繊友禅小紋。古典柄の反物が気に入って。反物9800円。
本裁ち: 化繊柿色矢絣。仕立上がり。ピンク矢絣の後継の普段遣い
     化繊黒小紋。仕立上がり。普段遣い。

寝っころがろうが、食べこぼそうが、シワもシミも気にならない。でも、正絹は着せるのはまだ怖くて。
写真は、一番最新の化繊の黒小紋。

2003/10/16(木) 八木橋 呉服特選会
八木橋デパートの着物の特選市に行く。
何か安いものがないかと、行ってみたのだが、そこは「良いものを一同に集めた」場所だった。全然安くない。
しかし、安くないのはともかく、訪問着や留袖、色留袖と超一級のフォーマルしかないのはなんでなのやら。
江戸小紋、沖縄の花織など紬はあるが、あれはそもそも高級品。
うーむ、思いっきり場違いであった。
しかし、着物で行ったので、対応は非常によろしかった。

あれくらい、小紋をばーっと並べてくれる特選会があれば良いのに。って、先日の松屋の「きもの市」がそうだったっけ。
あのときは「極鮫の江戸小紋」が8万円などという破格値だった。普通の鮫や角通しでは1万円だもの。

一つ終わると、早々に松屋は次のお誘い。今度は「エクセレント着物in赤坂」だって。

こういうものを見てしまうと八木橋程度では、高いばかりで趣きがない気がしてしまう。

2003/10/15(水) 袴は短い方が良い
本日、天気が良いので、ベランダに畳を出してゴロゴロ。
お膳代わりの台にはお茶のポットとカップとお菓子。
お日様が燦々と降り注ぐ中で読書したり、干してある襦袢の裾をつくろったり。
ああ、気持ちよいな。
という今日の袴は黒の短め。裾を持たなくても階段の上り下りができる寸法。大正時代のハイカラさんはこんな寸法だったろうか。
昨今は礼装ということで、床丈程の長いのが一般的。「ブーツ丈」と呼ばれるのはそれよりも10cm短いというが、もっと短い方が扱いは楽だと思う。「新しい着方」というべきなのだろうか。

泰の君も短めがお好み。着物業界的には眉をひそめる格好のようだが、家で寛ぐにはこれでもいいような気がする。

2003/10/07(火) 銀座松屋のきもの市
松屋銀座のきもの市の「招待日」
かなり広範囲にDMを送っているのか、関東圏の着物好きはほとんど初日に来ていたようだ。
会場は広いにも関わらずかなり混んでいた。
着物しかないのだから、これは全員着物(もしくは小物)目当てである。「風前のともし火」だの「カンコ鳥」だのという言葉はこの会場には一切見当たらない。
男性社員は、遣いこまれた様子の昔の松屋の社紋の入った半纏で対応。着物姿の店員も良いが、半纏姿も良いと改めて思う。

リサイクル品も沢山出ていたが、価格は安く品は新品同然。
さすがに松屋というべきなのだろか。

こういう催しをみていると、「どんな着物、小物が欲しいのか」とか「どんな価格帯なら売れるのか」というのが判る気がする。
ほとんどの人が一抱えも二抱えも購入していくのだから。

私見では、売れるものはやはり「普段着」である。
振袖や高級な反物はカンコ鳥。たとえ1万円の反物だって、ほとんど手に取られない。
なぜ、普段着は売られないのだろうか?
こんなにも多くの人が求めているのに。

2003/10/05(日) 着物で川越
五箇谷さん主催の「着物でおでかけ」に参加。
今回は川越。総勢45名の大所帯にびっくり。
小紋あり、銘仙あり、紬ありと個々に個性を競う。
このランクの着付け見本は着物雑誌でも滅多に見られない。

喜多院のお庭は綺麗だが、下りられないのね。

本殿前で全員写真を撮っていたら、近くにあるのか、車椅子の老人方がお散歩に。「いい天気だねぇ、お散歩?」と思わず声をかけてしまう。祖母もこんなカンジだから。でも、祖母がいたとこは、こんな風にお散歩に連れて行ってくれなかったようだ。

今回も袴でおでかけ。写真は蔵の通りの下駄の資料館で。

2003/10/04(土) 女袴普及部 副部長拝命
泰の君が「女袴普及部 副部長」を拝命する。
文字通り、女袴を普及させる会のサイトである。
帯結びのない分、これは絶対に着付けが楽であり、居住まいも楽。果ては「帯、アゲ、シメ」の取り合わせに悩む必要もない。

本日、二人で袴姿ででかけたのは近所のイタリアン・レストラン。テラス風のところに陣取って暮れなずむ街を見ながら午後のお茶。

帰り、仕入れた本を片手に車の後部座席で寝転ぶ泰の君。
「友達がねぇ、着物って堅苦しくて、動きにくいから嫌なんだって」とゴロゴロしながら言う。
「そりゃ、七五三の着物着たら、そんな格好してると怒られるよ」
「そーなの?」

ゴロゴロしてても、着崩れない袴は優秀である。
しかも、その着付け、自分でしている。

普及部副部長に立候補するだけに、自力着付け位はできる。

といっても、帯結びはからっきしである。袴ならでは。

2003/10/02(木) お仕立て上がりの謎
たまにリサイクル屋などで、「新品、お仕立て上がり」というものがあったりする。
一つには、仕立て屋の保護という話を呉服屋から聞いたことがある。暇なときに仕立ててもらう。その代わりに安く引き受けてもらう。定常的に見入りがあると思えば、ないよりかマシということらしい。

一方で妙に上物の反物なのにとんでもない安値がついているものがある。7,8万円で越後上布の仕立て上がりなど。
今まで、上と同じ理由と思ってきていたが、ひょんなことに気づいた。B反である。
B反はなんらかの傷があるので、正値で取引できない反物である。
が、傷の位置によっては「縫い代に入れてしまう」「端なので、余り布にしてしまう」といったことが可能である。こうなると、全く区別がつかなくなる。
洗い張りをするとどこからか出てくるのかもしれない。
やはり、安いものは注意が必要かも。

といって、手持ちのB反の結城紬。やはり仕立ててしまえば傷は見えない。はるか遠い先で誰かにわたるとき、はやり、そんな由来は不明になって渡るのだろうか。多分そうなる。
いつか誰かがどこかで、ほどいて「あらぁ〜、とんでもないB反だわ!」などと叫ぶ図を想像すると、何やら面白おかしい。

10月絵日記の続き


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