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2005/12/10(土)
松子の就職氷河期
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12月ですよ。 師走ですよ。 走りますよ。
あ、さて。 今日は、今朝の通勤電車でふと思い出した、松子の思い出話しを聞いて下さい。
松子は実は幼稚園の先生と保育士の資格がとれる短大に通ってたんです。
ちなみに歌手の「大塚愛ちゃん」と同じ学校なんですぅ。 もちろん松子が大先輩ですぅ。(プチ自慢☆)
まあ、幼稚園の先生とか、保母さんというのは女の子が一度は憧れる職業の一つだとは思うんですが、松子は保母さんになりたかったわけではないんです。
高校三年生の進路決定の折に、卒業した後に何か資格のとれる学校にしようと、十代のわりには建設的な考えのもと、その学校を選んだんです。
まだ何をやりたいか決まってなかったし、どうせ同じ時を過ごすなら、資格だけとって一般企業に就職してもよいではないか、と考えていたんです。
そんなこんなで保育専門の短大へ行き、ピアノの練習をしたり、創作ダンスをブルマで踊ったり、実習先で子どもにカマキリの死体を投げられたりしながら、二年近くの時はあっという間にすぎて行きました。
いよいよ卒業も間近。 さあ、次の進路はどうする?という時期が来たのです。
最初は一般企業に就職しようとも思っていたんですが、特にこれといった仕事がしたいと言うわけでもなかったし、せっかくなので、保育園が幼稚園にでも就職してやるか、とちょっと高い所から見下ろす感じで、松子の就職活動がスタートしたのです。
しかしながら、世間では少子化のあおりを受け、子供の数は激減。保母さんも幼稚園も有り余っている現状。
しかも我々はベビーブームの末裔。 定員1名とか若干名とかいう訳の分からない枠に、50人とか100人とかの受験者が押し寄せなかなか厳しい物がありました。
たくさんの幼稚園や保育園を受けました。 いろいろな試験がありました。
寒っむい体育館でひたすら縄跳びもしました。(1回3分、10セットってボクサーかッ!) 面接中にいきなり初見で紙芝居を読まされたこともありました。(しかもズーズー弁の東北方言紙芝居。読めるか!!) 必ずピアノの実技テストがあるのですが、その中でアップライトの古びたピアノが揺れるくらいのなんか凄い曲を、テクニック満載、エンジン全開で披露する他の受験生に圧倒されたこともありました。(他の道進めよ!!)
なんてったって少子化ですから、幼稚園や、保育所も少しでも子どもを獲得しようと、いろいろと特色をつけるわけです。
マーチングや音楽に力をいれたり、英語教育、早期教育・・・、と様々ですが、それに合わせて保母さんも要求されるレベルが高くなっていき、とても松子のレベルでは太刀打ちできるような物ではありませんでした。
それに面白いほど運がなく、特にピアノのテストではさんざんでした。
ある幼稚園でのこと。初見で子どもの歌の弾語りのテストで、全員に違う曲が渡されるんですが、ピアノに座るまでその楽譜は見れないんです。
他の人が順調にすすんで(いるように見える)、いよいよ松子の出番。 緊張の面持ちで、おもむろに楽譜を見ると...。 「なんじゃいッ!!!」
それはなんと知らない曲。
他の人は「とんぼのメガネ」とか「おなかのへる歌」とか、子どもの曲の王道曲ばかりで、弾いた事ある曲もいくつもあったのに、、、。 なぜ松子の曲だけ、こんなマイナーなの?? 「とんぼのメガネ」なら弾けたのに!
曲を知らないから強引に歌って、勢いで突っ走ることも出来ない!!!! メロディーと伴奏と歌詞と、どうやって一度に見るの〜〜〜?
一度も練習もできないし、最後まで譜面を確認する時間もなく、「はい、松子さん弾いて下さい」って弾けるか〜〜〜!
思えば、あれが始めて人前で披露したオリジナル曲だったかも知れない。。。
あと、別の幼稚園でのピアノ試験の時、今度は初見で普通のピアノ曲を弾くテスト。忘れもしない、課題曲はピアノ練習曲集で有名なブルグミュラーの25曲の練習曲の中から7番「清い流れ」。
松子はピアノを習っていた頃この曲集が大好きで、くり返しくり返し弾いていて、結果としてそれ以上前に進めなかったほど。しかし、一曲だけ弾けない曲が、、、。 もうお分かりですね、その曲こそ7番「清い流れ」。 他の曲なら多分どの曲でもそこそこは弾けたのに、、とボーゼンと弾いたその曲は清くも何ともなく、日照り続きのドブ川のごとくその流れは干上がっておりました。
もともとそれ程弾けないので運がよくても、悪くても、たいして変わりはなかったかも知れませんが。。。
結局、最後に受けた保育園のテストで書いた「生後半年の赤ちゃんになったつもりでお母さんに言いたい事を書く」というお題の作文を、その後の面接で大絶賛され、有頂天になった松子にその保育園の園長が言った「違う道に進んだ方が向いてるんじゃないですか、なんちゃって。」という一言で、保母になる道が間違っていたということに気が付いたのです。
その園長先生は作文が上手にかけたので、誉めてくれているつもりだったんだと思います。が、「なんちゃって」はないでしょう。
こちとら真剣なんですけどぉ!!!!
まあ、それはいいとして、結果として「他の道に・・・」という部分がきっかけで、こんなに試験に一生懸命になっているけど、果たしてホントに保母さんがやりたいの?そんな気持ちでやってていいの?と自問自答する良い機会になり(遅ッ!)カマキリの死体を投げつけられたときの子どもに対する軽い殺意を思い出し、これは危険とすっぱり保母の道を切り捨てた松子でありました。
思えば、テストで知らない曲があたったり、「清い流れ」を止めてしまったりしたのは、「保母になるなよ〜〜」という天からの声だったのかも知れません。 子どもを守るための・・・・。
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