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2004/08/29(日)
新連載 〜 8月の思ひで15 ついに最終話
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実は大阪を出発してから川崎に着くまでの事はほとんど覚えていない。一気に気が弛んだのか、電車で熟睡していたのかわからないが、気が着けば川崎だった。そう言えば青春18切符で我々に各駅停車の旅を与えてくれたあのお兄さんといつお別れしたのかも記憶にない。でも素晴らしい旅の道連れだった。お兄さんお元気かしら?
ここ川崎で外国人チームはお土産の買い物を始めた。若者五人は女子、男子チームにわかれて買い物にくり出した。女子チームのリトアニアガールと松子はお洋服や化粧品を中心にショッピングを楽しんだ。男子チームは食料品や商店街を散策しにいった。彼等は日本語がわからないので、韓国の調味料をわけもわからず購入していたらしい。
あまり時間はなかったがひととおり買い物を終えると、都内のA氏の御自宅へむかった。お別れパーティーである。 なぜかヨルダン人がお料理を作って出迎えてくれ、アメリカ人のジャーナリストが遊びに来ていた。今までに経験した事のないインターナショナルな空間だった。(しかしみなさん日本語ご堪能)お腹いっぱいになった松子はようやく自宅へ帰るのかと思っていたが、これから葉山の海岸に行くと言うではないか。むむっ。もうこうなったらどこへでもついていってやる!
A氏が毎月葉山の浜辺で行っている演奏会を見に行った。開演時間は午前零時。演奏会が終わって、きっとどなたかが送って下さったのだと思うが、自宅に着いたころにはもう空が明るくなりかけていた。
倒れ込むようにして懐かしい自宅の布団で眠りに落ちたが、数時間後には成田空港へ外国人チームのお見送りに出かけていた。
まるまる一週間寝食をともにしたのだ。しかも数々のアクシデントを乗り越えて!旅に出る日までその存在さえ知らなかった異国の彼等。不勉強な松子は彼等の国名さえ知らなかったと言うのに。
A氏が同行できないという衝撃的なアクシデントに始まり、クーラーの故障、タイヤのパンク、それでも続く行き先不明の旅! 行く先々での感動的な芸術舞台、大物俳優の酔っ払いぶり、焼き物体験、お寺での一泊、車のオイルもれ、水俣での人々や自然との出会い、バン君の御臨終、ジュースの差し入れ、青春18切符、廃校で過ごした夜、持たせてくれたお弁当、原爆ドーム、カルピスウォーター、居酒屋の二階、韓国の調味料、お別れパーティー、そしてなによりたくさんの人の御好意・・・。
有り余る感激、素晴らしい体験、そして出会い。 始めて経験した本当の「旅」
ともに過ごした彼等は遠く自国へ帰っていった。
また、カルピスウオーターが恋しくなったら、 いつでも日本に遊びに来てほしいものである。
終わり。
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