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2004/06/21(月)
傷跡の名前
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誰にでも一つや二つ、体に傷跡が有るだろう。
小さいときに転んだ傷、 バイクで転んだ時に出来たあざ。。。
松子も左の肘にうっすらと傷跡が残っている。 田んぼの横の細い急な下り坂を、 自転車の手放し運転で、調子ノリノリで滑走し、 ついにはバランスを崩し、田んぼに突進したあの日の傷が。。。
昔、ふくらはぎに「山川里子(仮名)」という名の傷を持つ友人がいた。
確か右足だったと思うが、ふくらはぎに縦10センチ以上ある傷跡があった。随分以前に出来た物らしく、生々しくはなく、線のようなものがうすく残っていた。
彼女はその傷の事を「山川里子(仮名)」と呼んでいた。
話を聞くと小学生のころ、同じクラスの山川里子さん(仮名)にイスに座ろうとした瞬間に、イスを後ろに引かれて転んだ時負った傷らしい。
彼女はその日のことを一生忘れないために、その傷に「山川里子(仮名)」と名付け、今日まで共に生きてきたと語った。 そして恐らく今も共に生きているであろう。
台風がすぐそこまで来ているこの雨の日に、 なぜか、彼女と、里子(仮名)を思いだした松子であった。。。
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