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2005/05/05(木)
作戦
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「おはよう諸君。一昨日からの雨で、なかなか気分の悪い司令部になってきたな。前線だった小川は濁流と化し、戦友たちの亡骸も魚のえさになっているだろう。念仏でも唱えてやってくれ。 さて、この雨で敵の部隊が戦線の縮小を図っているようだ。知っての通り、敵の司令は腰抜けで有名なジン将軍だ。兵の損耗と、中央から離れている時間の浪費に耐えられなくなったらしい。官僚としては優秀な男であるから、こんな辺境に、たとえ懲罰人事であれ飛ばされてきたことは、かの国にとっても大きな損失となるだろう。我々がそれを思い知らせてやるのだ。 今、敵の左翼第31狙撃兵連隊と中央、第8装甲騎兵連隊の間に、小さな沢がある。これだ。ここに現在、わが師団の精鋭一個小隊が潜んでいる。ことになっている。なにしろ無線封鎖中だからな。 で、本日1023を以って、この隊が沢の両岸に向けて攻撃をかける。増水した沢に敵の目は向いていない。そこへ重迫撃砲まで使って不意打ちをかけるって寸法だ。数瞬の後、最前線の川沿いに進出している師団砲大隊からも、数は少ないが支援砲撃を行う。そうして敵が混乱しているうちに、小隊は悠々引き上げてくるわけだ。 一気に喋ったが、質問は?」
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